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傘の有用性

作者: 瀬田川 廡輪

かさを持つのをいやがるひとは多いように思う。             持つのをわずらわしいと思い、うとましいものでも見るように傘をさげすんだような目で見るひとさえいる。            とくに東京に住んでいるひとはそうだ。          そう。東京都内のような大都市では確かにそうなのだ。   交通機関の発達した大都市では、電車やバスでの移動が交通の中心となる。電車、バスに乗るには乗り降りの際の問題とか、置き場所の問題とか、他の乗客にぶつかってしまうだとか、き忘れがイヤだとか、どうしても邪魔じゃまになり持ち歩くのが億劫おっくうになってしまうのはわかるのである。              満員電車内で、とか場合によっては危険に思われるのである。

その為、たとえ雨が降っていたとしても意地でも傘をささないひとまでいる。それはそれで尊敬にあたいする行為なのかもしれない。     しかし、わたしにはそれが出来ないのである。御洋服も、髪も肩も背中もバッグも、それよりもっと大切なスマホを、どうしても、意地でも濡らしたくないのである。突然の雨によって。          わたしは傘自体ににりたいくらいである。だって、傘自体になれば背間違っても濡れてこまらないし、置き忘れる心配もないではないか。もしわたしに子供が出来たのなら、その子には、「唐傘からかさ小僧こぞうであってもいい。たくましく育ってくれたら」とくであろう。(ネタは古いから知らないだろうけど)             何しろ傘は、いざというときには武器になるという利点があるのだ。もし、暴漢ぼうかんかま突然襲おそってきたらば、それをギャンのビーム・サーベルのようにして突いてあげれば撃退げきたい出来る。       ホームで歩き疲れたおりには、その持ち手の部分を御尻に当てて、つっかえ棒みたいにすれば椅子いすもなる。ステッキのように歩く方向につけば、つえになる。れたブラウスを乾かす為のハンガーにもなるし。マンモスの御肉おにくを食べるときなど、爪楊枝つまようじ代わりになるではないか。ビリアードのキューにもなるし。      というわけで以上。傘は万能なのである。万能傘人間になりたいのである。      

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