英雄と英雄が最後に戦う
第5作目の投稿です。
1千年をかけて結ばれる2人の恋愛物語です。
作者のはげみとさせていただきますので、もしよろしければ、ブックマークをお願い致します。
一生懸命、書き続けます。
是非是非、お楽しみください。
新宿にあるバー・ともしびに神崎信とリンミンメイが久しぶりに来ていた。
久美さんに、結婚式の招待状を渡しに来たのだった。
「2人ともよかったわね。でもね、これからが大切よ。結婚してからが大切」
久美さんはさらに2人に話し続けた。
「大丈夫、うまくいくわ。少しだけ注意すると、まだ最後の戦いがあるわ。でもね、油断しないように戦いなさい。あーた。最後に最強の男が前に現われるわ。でもね、必ず勝てるから」
「たぶん。そのことに関係すると思います。麻雀ゲームでの戦いを挑まれました。ミンメイさんのお父様の部下であるコウウという方です」
「そうなの。仕方がないわね。あーたの他にも転生者がいたのね。星々は輝かなくてはならず、それは永遠に同じ。」
しばらくして、神崎信とミンメイは帰っていった。
店の中には久美さんが1人になった。
すると、彼女が使う水晶の玉が明るく輝き声がした。
「転生された偉大な魔女。ほんとうに申し訳ありません」
「良いのです。深淵の魔女ローザ。どんな困難な状況でも英雄は切り抜けます。ご心配なく」
「私の孫娘が興味本位に2人の英雄を戦わせるなんて。しかも1人に絶対有利な戦場を作り上げるなんて、祖母として大変申し訳ありません」
「今度の戦いは必然。どんな風にしても必ず起こることです。――でも、最後はハッピーエンドに終わります。私がサポートしますから」
「神崎さん。私、具姉様から不思議なことを聞きました。たぶん姉様はコウメイさんとこの間、初めて会ったのだけど初めてのような気がしないと言っていました」
「そうなんですか。僕も具さんの表情を見て、おかしいなと思ったのです。それとコウウさんもおかしかったです。2人ともまるで‥‥ 」
「まるで、どうでしたか。教えてください」
「お互いを見た瞬間。一瞬で恋に落ちたような感じでした。一目惚れも一目惚れ、他人が見てもすぐにわかるくらいでした」
「そうか。だからコウメイさんは僕にあんな質問をしたのか‥‥ 」
「どんなことを聞かれたのですか? 」
「2人は特別な関係なのか と」
「まあ!! いきなり!! すごいことを聞かれたのですね。それでどう答えたのですか」
「僕ではなく、具さんがあわてて答えてくれました。そんなことはないと」
「姉様があわてて答えたのですか? 」
「はい。そうなんです」
「‥‥神崎さんの推測どおりかもしれませんね。2人は同時に、相手にひとめぼれしたようです」
「麻雀ゲームはいつですか? でも、私のために神崎さんが無理する必要は全然ありませんよ。結婚式に父親が来てくれなくなっても全く問題ありません。私の中で父親という存在は最初からありません」
「僕は、ミンメイさんと父親の林龍さんに手を取り合って、協会のバージンロードを歩いてほしいのです。そしてこれからもずっと仲良くしてほしいのです。麻雀ゲームは5日後です」
「ありがとうございます。でも、くれぐれも、無理しないでください」
5日後になった。
麻雀ゲームの戦いは、前回、4ヘッドと神崎信が戦った店で行われる予定だった。
ゲーム開始の時間よりも、その前にミンメイの仕事の出勤に会わせて2人で新宿に着いた。
「神崎さん。一応、がんばってください。負けても良いのですよ。○王線の最終電車の先頭車両で待ってます」
「いやいや。ミンメイさんがすばらしい未来をつかむことができるように、僕はがんばります。お父さんに僕を認めさせ、そしてミンメイさんを認めさせます」
とても真剣な顔で彼はミンメイと別れた。
別れた後、ミンメイはひとり言を言った。
「それにしても、私の父親は、私になんてひどいことばかりをするのでしょう。ほっておいてほしいのに、今日もある意味では大切な日なのに、一緒にいられる時間がとても短くなってしまったわ」
一方、神崎信は約束の時間のだいぶ前に店に着いてしまった。
店のドアを開くと、マスターと1人の女性がカウンターに座っていた。
それは、魔女リリだった。
彼は驚いて言った。
「あなたは、あの時の、異国から来られた方。借金はどうなりましたか」
「ふふふふ まだ、その話しを信じ込んでいるのですね。今の調子だと、本当の話だとまだ思っているのですね。ある意味で感心してしまいます」
「何のことですか」
「良いのです。気にしないでください。ところで今日の戦いは大変ですよ」
「今日の戦いのことを知っているのですか。なぜ? 」
「もう1回言いますね。私は世界に名高い深淵の魔女ローザの孫娘リリです。この国における祖母の代理人として、○武鉄道の林龍総帥と契約関係にあります。ですから、今日の試合のオブザーバーです」
「そうなんですか。若干、僕は今までだまされていたような気がしますが。まあ良いのです」
やがて、背をかかめ、やっとのことで店の入口を通り過ぎるようにコウウが入ってきた。
「さあ。試合を始めましょう。プレーヤールームにお入りください」
その時、神崎信は重要なことに気が付いた。
「マスター。今頃気がつくのはおかしいのですが。麻雀ゲームは4人で戦うもの。僕とコウウさんの戦いはどのようになるのでしょうか」
「大丈夫ですよ。お2人に対して全く中立に戦うようにAIが架空のプレーやをバーチャル空間に出現させますから」
マスターに案内されて、彼とコウウはプレーヤールームに入っていった。
待合室には魔女リリが1人残った。
1人なったことを慎重に確認してから、魔女は心の底から笑った。
「ああ、なんて快感なのでしょう。とても、おもしろい悲劇的な物語を今から作り上げるわ。それは絶対の戦場。コウウは必ずカンシンに勝利する。何億回繰り返しても結果は同じになるようにするわ」
魔女は精神を集中させた。そして自分が構築できる最高の魔術を構築し始めた。
それが終わると、魔女は麻雀ゲームのネットワークがメインサーバとつながっているルータに触った。
「ここで我の魔術により、戦場を改変させよ。それはアトランダムの複雑系を基本、結果は100%同じに。はるかなる昔、はるかなる距離、無限の次元を超えて行われた事実と正反対」
「コウウが勝利し、カンシンが敗北する」
お読みいただき心から感謝致します。
今までとは少し違った物語ですので、おもしろいかとても心配です。
※更新頻度
週1回、日曜日午前中です。不定期に午後や土曜日に更新させていただきます。
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一生懸命、書き続けます。




