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戦いのシナリオが書かれた

第5作目の投稿です。

1千年をかけて結ばれる2人の恋愛物語です。

作者のはげみとさせていただきますので、もしよろしければ、ブックマークをお願い致します。

一生懸命、書き続けます。

是非是非、お楽しみください。

 私鉄の総帥林龍(はやしりゅう)は巨大な企業グループのオーナーだった。


 そしてそのグループの中には、違法なことに踏み入る会社もあった。


 ある日、その会社に秘密の指令が出された。




 神崎信(かんざきしん)は新宿の税理士事務所から、ある店に向かって歩いていた。


 新しく税理士と契約したいというオーダーがあったのだ。


 午後5時に店に来てくれという連絡だった。


「神崎くん。終わりが夜になって残業になってしまうけど、ほんとうに申し訳ない」


「大丈夫です。新規の顧客獲得は最も大切な業務です。がんばります」




 ウェブ上の電子地図上でナビを稼働させ、神崎は歩いていた。


「順調、順調‥‥‥‥ 後、この道を右折と‥‥‥‥ 」


 その道は、先がかなり長い道だった。


 右折した瞬間、はるか遠い先に人だかりが見えた。


「あれ、あそこにたくさんの人がいるな。ささっと、通れば良いな」


 彼は少し歩くスピードを速めた。


 だんだん、人だかりが近づいてきた。


 すると、かなり強い口調が聞こえてきた。


「ようよう―― ねえちゃん、俺の肩にあんたの肩が触れんだよ!! それでケガをしたんだ!! 」


 だいたい、どういうシチュエーションか彼には推測できた。


 普通の人なら関わりにならないと思うが、彼は全く逆だった。


 たくさんの人混みをかき分けて、最前に出た。




 すると、1人の女性に男がいんねんをつけていた。


 男は、原色の赤を基調にした、はでなジャケットの上下を着た、お決まりのその筋の男だった。


 一方女性は大変深刻な顔をしていた。


 眉間(みけん)にしわを寄せて暗い顔は絵のように美しかった。


(美しい‥‥ いやいや、そんなことを考えてちゃいけない。それにしてもあの女性は前に‥‥ )


 神崎信(かんざきしん)にとって、勇気ある行動を起すのはとてもたやすかった。


 間髪をいれず、彼は前に出た。


「失礼ですが。何かトラブルでしょうか」


「お前はだれだ!! しゃしゃり出るな!! 」


「しゃしゃり出ますよ!! この女性があなたにわざとぶっかる訳ないでしょうが!! きっと、あなたの方こそわざとぶっかったんじゃないですか?? 」


 彼は雷鳴のような強い声で男に抗議した。


 理不尽なことを自分勝手に言う男とは、戦うことが必要だと知っているからだ。


 たとえ声だけでも、しゃべり方だけでも戦う、それが当然だと思っていた。


 その時だった。


 回りを取り巻いていた気の弱そうな若い男の子に、彼の勇気が伝播(でんぱ)したようだった。


「あの~ 僕はたまたま、動画を映していたのですが。それを再生して見ると、男の人がこの女性にわざとぶっかったとしか見えません」


 彼はすぐに反応した。


「そうですか。証拠があるのですね。それでは、今から警察署に行きましょう―― 白黒がハッキリとするはずです!! 」


 彼がそう言った瞬間、いんねんをつけていた男は黙って、その場から逃げ出した。


 それと驚くべきことに‥‥


 回りを取り巻いていた野次馬も、その場から去り始めた。


 さっき、動画のことを言ってくれた気の弱そうな若い男の子も同様だった。


(えっ‥‥ )


 神崎信(かんざきしん)は大変驚いたが、あっという間に、その場は2人きりになった。


(映画の撮影のような? 変? あらかじめシナリオが書かれていたよう‥‥ )


 彼は不審に思ったが、すぐに、美しい女性の一言にさえぎられた。


「助けていただいてありがとうございました。偶然にお会いするのは、これで2回目ですね? 」


「そうでした。依然、道でぶっかってしまったのですよね」


「私は、具美玲(ぐみれい)と申します。ぶしつけにお聞きしますが、もしかしたら、あなたは、リンミンメイという女性の婚約者である神崎信(かんざきしん)さんでしょう?? 」


「え―――― ミンメイさんを御存知ですか。それに婚約のことも知っていらっしゃるなんて!! 」


「ふふふふ ミンメイは私の妹といっても良いくらい大切な友人です。私達はこの国ではなく、海を隔てた異国の出身なんです。小さい頃からミンメイとは仲良くしています」


「そうなんですか」


「はい。今はミンメイと同じ職場のチャイニーズ・パブに努めています。知っていますよ!! 」


「どういうことをですか」


「神崎さんはミンメイに1回目のプロポーズをした時、満場の観衆の前でこっぴどく断られたそうですね。

それで質問があります。ミンメイは断った時、自分の真下を見ていませんでしたか? 」


「よく御存知ですね。もう素敵な思い出になりつつありますが、あの時はとても辛かったです。ミンメイさんは、僕なんか大嫌い言って、完全に自分の下を見てしゃべりました」


「ふふふふふふふふふふふふ。思ったとおり!!!! 」


「えっ???? 」


「神崎さんはその時ミンメイに断られたのではありません。あの子は自分の気持ちと正反対の嘘をつく時は相手に悟れないように、あの大きな目を見せないように自分の下を見るのです」


「そうだったんですか―― 教えていただいてありがとうございます」


「あなたたちはお似合いの2人ですね。何しろ神崎さんはミンメイのおかげで、私とこうして普通にしゃべれるのですから」


「いいえ。普通にしゃべっているわけではありません。心臓はバクバクです。失礼ですが、具さんは絶世の美女だと思います。調度、花の名前にもありますね『虞美人草』です」


「知りませんでした。教えたいただいてありがとうございます。そのお礼に、今、神崎さんがおっしゃった

『心臓バクバク』のことはミンメイに黙っています」


「‥‥ お願いします。仕方がない体の反応です」


「大丈夫。安心してください。ふふふふ―― 」


「安心しました。今度ミンメイさんと話す時は、具さんのこと話題に出しても問題なさそうですね」


「それとお願いがあります。神崎さんとミンメイの結婚式には是非是非呼んでくださいね。私は妹と入っても良いミンメイの幸せを心から祝福したいのです。それに‥‥ 」


 具はいたずらそうに微笑んで続けた。


「絶対にミンメイが投げるブーケを私がキャッチします。絶対に誰にも渡しません」


「そればかりは確約できません。でも、具さんの運命の方は、意外にもうそばにいるかもしれませんよ」


「そうだと、とっても(うれ)しいのですが」




 その時だった。


 神崎と具が2人きりで楽しそうに話し込んでいる道に1人の男が入ってきた。


 その男は2メートルを超す長身。筋肉隆々の山のような体だった。


 具の姿を遠目に見てすぐにわかったようだった。


「あれは、カンシンと具。なんで2でいるんだ???? 」

 

お読みいただき心から感謝致します。

今までとは少し違った物語ですので、おもしろいかとても心配です。


※更新頻度

週1回、日曜日午前中です。不定期に他の時間に更新させていただきます。

作者のはげみとさせていただきますので、もしよろしければ、ブックマークをお願い致します。

一生懸命、書き続けます。





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