表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/41

美しい影絵のような魅力だった

第5作目の投稿です。

1千年をかけて結ばれる2人の恋愛物語です。

作者のはげみとさせていただきますので、もしよろしければ、ブックマークをお願い致します。

一生懸命、書き続けます。

是非是非、お楽しみください。

 その女性は、神崎信(かんざきしん)より数歳年上のようだった。


 他の人が眉間(みけん)にしわを寄せた顔を見ると、普通は、あまり好ましく感じられない。


 しかし、その女性の顔は宝石のようだった。


 美しい影絵のような魅力だった。


 世界○大美女が検討される時は必ず候補になるに違いなかった。


 多くの人が、とりこになるだろう。


 ところが彼は、たやすく、その捕縛から逃げることができた。


 もちろん、ミンメイがいるからだった。


「いいえ。僕の方こそ悪いのです。おケガはありませんでしたか」


 彼は、自分の持ち物よりも女性の持ち物を優先して拾った。


 ただ、それは事務的だった。


「失礼します」


 神崎信(かんざきしん)は女性の元から去った。





 その女性は離れていく彼をしばらく見ていた。


 そして、想い出したように再び歩き始めた。


 しばらくして、 「チャイニーズパブ」と書かれたドアの前に立ち止まると中に入った。


()姉様!! お疲れ様でした。ものすごく時間がかかったでしょう」


 出迎えたのは、リンミンメイだった。


「私達の国からこの国に来るまで、宇宙エレベータで30分くらいしかかかりませんでした。それよりも、この国のこの町に来てから大変でした。1時間以上もかかってしまいました」


「この町は混沌(こんとん)したカオスです。多くのいろいろな人が歩いていますから。自分の進みたい方向に歩くのも大変だったはずですよね」


「そうそう!! いろいろな人というと、めったに見ることのできない男の子に会ったわ。その若者は最高の容貌(ようぼう)で幸せに満ちあふれていた」


「へえ―― 姉様の人相見は正確ですからね。たぶん、私みたいな女の子とやっと巡り会って、将来の幸せをやっとつかんだような若者じゃなかったですか」


「ミンメイが今、思っている男の子に違いないわ。奇跡的なことだけど、私の顔を見ても少しも表情を変えなかったわ。これまで、そのような男性はいなかった。私はミンメイに負けたのかしら」


「姉様。もしかしたら、その男の子は心の中では姉様の美しさに感動したのでしょう。――でも表情に出さなかったのは評価しても良いですね」


「はははは」

「ふふふふ」


 2人は声をそろえたように、心から愉快に笑った。




 魔女リリはなんとかして、神崎と戦いたかった。


 完全に覚醒した英雄と会う機会など、滅多になかった。


 祖母からバーチャルの世界での戦いは許されていた。


 それで、この国の麻雀ゲームで戦うことを考えた。




 ある日の夕方、神崎信(かんざきしん)が鈴木税理士事務所から帰宅しようとしていた。


 新宿の町を駅に向かって歩いていると、ベンチに1人座り泣いている女の子がいた。


 不思議なことにその瞬間。


 いつも最高の人通りの町が、その区間だけ全く人がいなかった。


 魔女リリの魔法の効果だった。


 当然のことながら、神崎には泣いている女の子がとても気になった。


 世の中には、2種類の人間がいる。


 このようなシチューエションで、困っている人をほっとけない人が少々。


 大部分は面倒に巻き込まれるのは避ける人。


 彼はほっとけなかった。


「失礼ですが。どうかなされたのですか。私はこの新宿で開業しています鈴木税理士事務所に勤務しているものです。一応、資格をとったばかりですが、税理士です」


 彼が声をかけると、泣いていたその女の子が顔を上げた。

 

 驚いたような、ほっとしたような表情に見えた。


「税理士さんですか。私は異国から来たばかりなのです」


 金髪で青色の目が引き立てられていた。


 彼は前に見たことがあると思ったが、どうしても想い出さなかった。


 女の子は話しを続けた。


「何もわからないうちに、お金を借りまくってしまい。今日が借金の返済期限になってしまいました。それで、大金を残らず返すか、それとも、麻雀ゲームにカモを連れて来いと命令されています」


「カモですか? 」


「はい。戦いの代償に何かをかけるのです。たぶん、重労働・ただ働きではないでしょうか。水しらずの私のために、そのようなことを引き受けていただける方はいないですよね」


 その瞬間のことだった。


 リリの目の前にいた若者が微笑んで手を上げた。


 間髪をいれず、すぐに手を上げたのだった。


(なに。気が狂ってるの。こんなにすぐに)


「自分のことで恐縮ですが。私の妻になる人も異国の出身で、この知らない国にきたばかりの頃は非常に大変だったと聞いています。僕のこの国で不幸になってほしくないのです」


(えっ。もうそんな人がいるんだ。うらやましいな)


 魔女リリは神崎をある麻雀店に案内し始めた。


 実は、数時間前、彼女はこの店を訪れていた。




 適当に目星をつけた店に彼女は入った。


 店の店員は、いきなり金髪で青い目の魔女風のコスチュームの入店に大変驚いた。


 カウンター越しに問い掛けた。


「お一人でゲームですか? 」


「そうですが、ゲームをするのは私ではありません。数時間後に1人連れてきますので、残り3人をそろえておいていただきたいのですが」


「すうすると、準備するためにかなりの経費をいただけなくてはなりませんが大丈夫ですか」


「いくらくらいですか? 」


「数十万円になります」


「わかりました」


 彼女は心の中で、この国のお金を思い浮かべた。


 そして、物体構築の魔法を発動させると、手の中には大金が出現した。


「これくらいの額で良いのですか」


 彼女はカウンターの上に100万円以上の札束を置いた。


「数時間後に私が連れてくる若者と戦ってください。うまく戦っていただければ、これをさらにもう一束支払います」


「ただ戦えば良いのですか」


「条件はたった一つだけです」


「どのような? 」


「狙うのはその若者の軍に対してだけです」


「ふーん。イカサマですね。お嬢さんは何かその男にうらみをいだいているのですね」


「うらみは全くありません。ただ、その若者の戦い方を見たいのです」


「そうですか。それならばお安い御用です。しかし、4人で相互で戦う麻雀ゲームで、3人がぐるになって、1人だけを攻めるのは政府が決めた規定に違反するかもしれないぎりぎりです。高くつきますよ」


「そうなんですか。それならば、この3倍出します。お願いします。これは、それまでお預けします」


 魔女は再びカウンターの下からかなりの大金を出して上に置いた。

お読みいただき心から感謝致します。

今までとは少し違った物語ですので、おもしろいかとても心配です。


※更新頻度

週1回、日曜日午前中です。不定期に午後や土曜日に更新させていただきます。

作者のはげみとさせていただきますので、もしよろしければ、ブックマークをお願い致します。

一生懸命、書き続けます。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ