国士無双と呼ばれて
第5作目の投稿です。
1千年をかけて結ばれる2人の恋愛物語です。
作者のはげみとさせていただきますので、もしよろしければ、ブックマークをお願い致します。
一生懸命、書き続けます。
是非是非、お楽しみください。
神崎信は、自分に全く従わないような全軍に号令した。
「全軍、敵の攻撃を撃退せよ。我々は最強、そして指揮する我は○○○○」
号令された軍の特徴は強調性が全くないことだった。ばらばら!!
個人個人は最高に強いが、集団として軍として戦うことができなかった。
しかし、神崎の号令を聞いた瞬間、戦士達の瞳に炎がともった。
最強の個人が機能し始めた。
そして不思議なことに、個人の戦い方に調和がとれ始めた。
その軍の強さは無限大に触れた――
スーパーコンピュータが宣言した。
「ロン!! 国士無双!! これ以上、あり得ないほど強い軍が編成されました。特別なポイントが与えられます。
100万点です」
その宣言を聞いて、私鉄の総帥林龍が驚いて言った。
「国士無双だと!! 」
気がつくと、林龍の軍は全滅していた。
全員の命が奪われ、完全に敗北していた。
そして、あまりに多くのポイントをマイナスされ、彼の手持ちのポイントは無くなっていた。
スーパーコンピュータが宣言した。
「プレーヤーAの点数がマイナスになりましたので、本ゲームは終了します。なお、トップ、勝利者はプレーヤーDです」
プレーヤーのゴーグルがはずれ、ログアウトした。
伝説のバンカーが興味深そうに聞いた。
「国士無双のような協調性のない、使いづらい戦士を集めて最強の軍を作っているなんて、全くわからなかった。そのようなそぶりを全く見せなかったのですね」
神崎が答えた。
「自分が思うとおり、最強の軍が必ず作れると確信していました。それで、他のプレーヤーのみなさんに逃げられ、戦いが行われないことを 避けるため、できる限り不自然なそぶりは避けました」
さらに伝説のバンカーが彼に聞いた。
「スーパーコンピューターが国士無双を宣言するくらい、最強の軍の編成はとても困難、配布された戦士達は軍編成には全く不適正だったのですか」
彼は首を振って否定した。
「いえいえ。僕にはすばらしい戦士達に感じられました。最強は孤高と同席します。ですから、孤高の戦士に支持してもらわなければ強い軍は編成できません」
メーカーのオーナーが言った。
「この戦いの前、君には大きな大きな悪条件が課せられた。負けたらあのお嬢さんの未来をささげるなんて、プレッシャーに感じなかったのかい」
「ミンメイさんの未来は、僕にとって最も大切なものですから大変なプレッシャーでした。でもなぜか、自分の心の中から声がして、自分を応援し勇気づけられました」
「どんな声でしたか? 」
「大丈夫。千年の願いは必ずかなう‥‥ と、何回も何回も声がしました」
私鉄の総帥林流が彼に聞いた。
「ところで、勝った君は何を望むんだ。」
彼は答えた
「このリンさんが保証人とならなくてはいけなくなった原因が、なかったことにしてください。僕の友人のこの店に対する借金は免除し、今日、僕が遅れてきたことも問わないでください」
伝説のバンカーが言った。
「その望みは今すぐかなえるよ。マスター、彼の友人からいくら回収する必要があるのかね。」
「五百万円です。」
「私が代わって支払うよ。」
伝説のバンカーはそう言うと、小切手帳に記入し、1枚破ってマスターに渡した。
オーナーが言った。
「当然、君が遅れてきたことも不問に付します。ただ、私達に勝ったのです。これだけでは全然釣り合いが保てません。もっと、大きな要求を加えていいですよ」
立会人のマスターが説明した。
神崎信は首を振った。
「初めて若者の挑戦者が勝ったのです。この方達からお金、物、権力など頂いたらどうですか。あなたは大学生だそうですが、社会に出る前から持っていれば楽な人生を歩めますよ。たとえあなたが能力、資質に恵まれていても、高い地位にたどり着くのは難しいのです。決して邪魔にはなりません。」
彼は微笑んで言った。
「いいえ、これ以上何もいりません。社会に出る前からいろいろ与えられて、なにがすばらしい人生でしょうか。辛く苦しい戦いが長い間続いても、たとえその結果、何も得ることができなくても、努力してがんばった日々がすばらしいのです。それに、高い地位が一生の目的ではありません」
そして少し間をあけて、何かを思い出すように一瞬上を見た後言葉を続けた。
「異次元の世界、はるかな昔、ある人物の名声・名誉が2千年を越えて多くの人々に讃えられ、歴史の物語に残りました。でも、ほんとうにすばらいい人生はまだつかんでいません」
「失礼します」
彼は深々と頭を下げて、リンと手をつないで部屋を出て行こうとした。
私鉄の総帥林龍が尋ねた。
「君の名前は」
「神崎です。神崎信司です」
彼はリンと麻雀室を出て行った。
伝説のバンカーが言った。
「神崎信司、カンシン。私は子供のころからファンタジーが好きです。特に英雄の物語が好きです。あの排水の陣で戦った尊敬する英雄です」
メーカーのオーナーが言った。
「カンシンが成し遂げた有り得ない勝利でしたね。今でも国士無双とたたえられています」
部屋にいたみんなが「まさか。」と思ったが、あの「新宿のマザー」が英雄の生まれ変わりと言っていたことを思い出してぞっとした。
私鉄の総帥林龍だけは、少し違った感情をもっていた。
「カンシンだと、最も忌むべきいやな名前だ。すぐに、この世界から存在を消さなければな―― 」
彼とリンが麻雀ルームを出て秘書達や太田が待っていた部屋に戻ったけど、みんな眠っていた。
太田が少し目を開けたので、彼は笑いながら言った。
「勝ったから、もう大丈夫」
それから、リンと手をつないで一緒に外に出た。
もう朝の5時くらいで、あたりは明るくなっていた。
大通りには始発に乗ろうと、飲み明かした多くの若者が新宿駅に向かって歩いていた。
多くの若者は心の底からの笑顔。そして中には泣き顔もあった――
それを見て、リンが彼に言った。
「もう少しで卒業式ですね。もう4年生最後の金曜日です。たぶん、今歩いているみんなも」
「あっ、卒業式はいつでしたか。」
「明後日ですよ、重要なことを忘れていましたね。レポートの提出期限より重要ですよ。」
「‥‥もう夜が明けていますが、始発が出ますね」
「大変疲れました。なにしろ、この世界で最高の戦士達3人と戦ったからです。自分の下宿まで帰れるかな‥‥ 駅で降りることができても、そこからどうしよう‥‥
‥‥歩いてたどり着く自身がありません‥‥ 」
「‥‥泊めていただけますか」
「はい」
お読みいただき心から感謝致します。
今までとは少し違った物語ですので、おもしろいかとても心配です。
※更新頻度
週1回、日曜日午前中です。不定期に午後や土曜日に更新させていただきます。
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