表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/41

戦いは始まった

第5作目の投稿です。

1千年をかけて結ばれる2人の恋愛物語です。

作者のはげみとさせていただきますので、もしよろしければ、ブックマークをお願い致します。

一生懸命、書き続けます。

是非是非、お楽しみください。

 実は、神崎信(かんざきしん)はメーカーの現オーナーのファンだった。


 そのメーカの根拠地は彼の出身地に近かった。


 経営者が世襲(せしゅう)することは一般的には問題だった。


 ただ、今や世界的な大企業になったそのメーカーには全く当てはまらなかった。


 神崎はメーカの内容を詳細に調べていた。


 そして現オーナーのこともよく知っていた。


 たびたび経営上の大きな重圧を受けたが、それに耐え抜いていた。


 オーナーは極めて優れた父親から経営を世襲した。


(立派な方だ。自分が弱いことを良く知ってらっしゃる)


 大企業の社長が記者会見で涙を流することはタブー、もってのほかのことだった。


 しかし、このオーナーが涙を流した姿が世界中に中継された。




 オーナーは自分の陣地で、騎馬隊の馬を点検した。


 そして、力のある馬だけを慎重に選抜した。


 さらに、馬の上に乗る騎士も、退場が軽そうな騎士を選別した。


 オーナーは、バーチャル空間の中で神崎の陣地を観察していた。


「土塁ですか。かなり高く厚く囲っていますね。工事を急いでいますが、たぶん間に合いませんね」


 オーナーはすぐに攻撃の指示を出した。


 神崎の陣地が、厚く高い土塁で完全に囲まれない時点のことだった。


 今であれば、まだ囲まれていない部分があった。


 そこを目指して、選抜された騎馬隊が突撃した。






 そのバーチャルルームではプレーヤー以外も、戦いの様子をモニターできた。


 リンは1人で座って様子を見ていた。


 さすがにメーカーのオーナだった。


 機動性の高い、力づよい馬に乗った騎馬隊ができていた。


 まだ土塁が完成していない部分をねらっているのが明らかだった。


(神崎君の軍団は歩兵だけ、その中に騎馬隊で突撃されたら大負けしてしまう)


 一瞬、ほんの一瞬、リンの心の中に不安がよぎった。


 しかし、すぐにそれは消えた。


(彼は私に言ったことを必ず守ってくれる。もう何回も、たぶん生まれる前から。私は祈る。彼の考えが身実を結び、勝利をつかむことを)


 騎馬隊の先頭が神崎の陣地に侵入した。


 そして全てが侵入したと時、中にいるはずの兵士がいなかった。


 兵士は、騎馬隊が侵入した反対側のポイントに固まり、楯を立てて防御態勢をとっていた。


 馬の勢いは急に止めることができない。


 オーナーの騎馬隊は全力で駆けゆけようとした。




 しかし、騎馬の姿は次々と消えていった。


 落とし穴だった。


 最後は全て落とし穴の中に落ちてしまった。


 バーチャルゲームを管理するスーパーコンピュータが宣言した。


「上がりです。戦いの結果が出ました。今の勝利は10ポイントです」


 ほんの小さな勝利だったが、神崎がポイントを得た。


 バーチャルの戦場の中にいた神崎にメールが届いた。


 メーカのオーナーの顔が見えた。


 オーナーは笑っていた。


「安い手で上がられてしまいました。それにしても落とし穴とは―― うまく考えるものです。とこで神崎君、きみの出身地は我が本社に近いだろう」


「はい。○○県の西部地域です」


「大学を出たら実家に帰るのですか? 」


「まだ未定です」


「一応、一応お願いしたいが、我が会社に来たまえ」


 オーナーの画像は他のプレーヤーに気づかれないように、短時間で切れた。




「次のフェイズが始まります」


 AIがプレーヤーに通告した。


 バーチャル空間が突然変更された。


 今度は厚い夏だった。


 それは、砂と石だらけの酷暑の世界だった。


 神崎は自分に配属された軍団の内容を確認した。


 今度は重装備の騎兵が中心だった。


 他のは弓の射てや剣士がばらばらに配属されていた。


(ここでは騎馬のスピードを活かすことができない。それに重装備の兜を着ているのでは、すぐにこの暑さに体力を奪われてしまう)


「下馬、馬引け。そして移動せよ」


 神崎は既に、この砂と石の世界の全体図を把握していた。


 1500人の彼の軍団はほとんど騎馬であったが、すぐに下馬して移動し始めた。


 ある地点に近づいた時、同じような移動していた軍団があった。


 その軍団の司令官をしていた伝説のバンカーが言った。


「やはり重要な点を分析しましたか。たいしたものです」


 ある地点とは、この殺風景な世界の中でヤシの木が一本生えていた場所である。


 彼は弓の射手に命じた。


 射手は2人しかいなかったが、そのうち射程が長い弓を使えるのは1人だけだった。


「できる限り連射してください。射手が数人いるように見せかけるのです」


 それから、彼の指示に従いその射手は弓矢を連射した。


 幸運なことに、その射手の能力は極めて高かった。


 それで、短い時間の間に多くの矢がヤシの木のそばの砂地に突き刺さった。


 その頃、私鉄の総帥の軍団とメーカーのオーナーの軍団は、全員がその場に倒れていた。


 必要なことを迅速に行わなかったことで、AIが勝負の結果を早めたのだった。


 神崎の軍団と伝説のバンカーの軍団との一騎討ちとなっていた。




 バーチャル室の画面でモニターしていたリンは、意味が全くわからなかった。


「なに、砂漠の中で、ヤシの木一本を奪うことが重要なのかしら」


(幸運の女神は勇者に味方する)


 突然、リンの心の中で誰かがつぶやいた。

 それは自分が話したようでもあり、自分が話したようでもなかった。


 弓の連射があったことで、伝説のバンカーは驚いた。


 そして、進軍を止め、自分の軍団をしばらくその場に留めた。


 見晴らしの良い戦場で、弓矢の餌食(えじき)になることを恐れたのであった。


 しかし、伝説のバンカーは一瞬でも止まることは敗北を意味することがわかっていた。


 すると、彼の軍団の兵士達がバタバタと倒れ始めた。


 先に起こったように、必要なことを止めたことで、AIが勝負の結果を早めたのだった。


 他の3プレイヤーが強制退場させられたことを神崎は確認した。


 そして急いだ。


 司令官です自分が甲冑を脱ぎ、先頭でヤシの木のそばに必死で近寄った。


 近づくにつれ神崎のスピードは遅くなり、最後には、はって近寄った。


 しかし、とうとう、ヤシの木のすぐそばで彼は動かなくなった。


 明らかに脱水症状だった。




 その時、倒れている彼のそばにヤシの実が落ちていた。


 すると、神崎は最後の力を振り絞り、ヤシの実に自分の剣を突き刺した。


 彼はココナツウォーターを自分の口につけ飲み始めた。


 元気になると彼は立ち上がった。


 だんだん彼の軍団の兵士達が近づいてくると、何かを指示した。


 そして、しばらくして大歓声が起きた。


 ヤシの木の根元から、泉のように水が湧いていた。


 兵士達は存分に水分を補給した後、大歓声を上げた。

お読みいただき心から感謝致します。

今までとは少し違った物語ですので、おもしろいかとても心配です。


※更新頻度

週1回、日曜日午前中です。不定期に午後や土曜日に更新させていただきます。

作者のはげみとさせていただきますので、もしよろしければ、ブックマークをお願い致します。

一生懸命、書き続けます。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ