死神戦(3)
少し短めです。
死神は驚いていた。
急に現れたと思いきや、様々な読み合いを瞬時に制し、たったの2振りで傷まで負わされたのだから。
強さはそこまでかもだが、戦い方が上手い。
何よりこの男の深さが分からない。
「ウオオオオッ!!!」
この男は危険だ。
死神は本能に従い、全力で倒すことにした。
「フンッ!」
大鎌と戦斧の刃同士が激突した。
周囲に、けたたましい金属音が鳴り響く。
「ッ……!!」
ここまで力が強くなるのか!
「ぐっ……」
ルリの力及ばず、体ごと弾き飛ばされてしまった。
「クソッ……」
ルリは倒れることなく、着地を決めた。
そして次の攻撃を警戒する。
真っ向勝負は得策じゃないな。
考えろ。
頭を回し続ければ勝てる。
今1番危険なケースは何だ。
「ガアアッ!!」
死神は、考える時間を与えてくれないようだ。
あっという間に距離を詰められた。
ルリはなんとか防御の姿勢を取る。
「なっ!?」
しかし目の前で死神の姿が消えてしまった。
瞬間移動したということは――。
「裏だろ!」
ルリはターボグライドを器用に扱い、無駄なく振り返る。
「ガアッ!」
ルリの読み通り、背後に瞬間移動していた死神は、大鎌を振ってきた。
ガキンと金属音を響かせ、死神の攻撃を戦斧で受け止めた。
おかしい。
なぜ攻撃の指導がこんなに遅い。
ルリは、瞬間移動後の死神の攻撃が遅く、余裕をもって防御することができたことに違和感を感じた。
「アアッ!」
死神は刃を押し付けあっていたが、先ほど同様ルリを弾き飛ばした。
「くっ……そういうことか」
ルリは瞬間移動能力をある程度理解したようだ。
あの瞬間移動能力は、きっと移動する距離に比例して体力を消耗する。
アイツの様子を見たら分かる。
そして直線状にしか移動できない。
これは確実なようだ。
しかも瞬間移動後の攻撃の遅さ。
アイツそのまま体が移動するだけで、体の向きもそのままなんじゃないか?
でなければ、何回傷を負わされていたか。
唯一の難点は、呼び動作がないことだな。
「ウオオオッ!」
死神は、つかさず攻撃してくる。
誘導すれば行けるか?
だがこの相手だと、相当リスクになるが。
「ガアッ!」
「チッ!」
間一髪のところで、死神の攻撃を避ける。
そのまま、死神との距離を取った。
考えている暇はない。
やるしかない。
「グオオオオオッ!!」
死神も早く終わらせたいのか、一層加速して迫ってきた。
今だ。
「フンッ!」
「!?」
死神が驚くのは無理はない。
なんとルリは、今まで使っていた戦斧を死神に投げつけたのだ。
この戦斧を避ければ、ルリの武器はなくなる。
それを確信した死神はすぐさま、ルリの背後に瞬間移動をした。
「ガアッ!」
そして振り向き、武器なしになったルリを真っ二つに――。
「?」
いない。
瞬間移動した位置は確かにルリの背後のはず。
死神が戸惑っていると、視界の両端から手が伸びてくるのが見えた。
と次の瞬間、誰かに首を絞められた。
「ガッ……!」
もちろん締めたのはルリだ。
「スクラープを着ているということは、体の構造は俺たちと同じだろっ」
ルリは、さらに絞める力を強くする。
死神は苦しみながらも、大鎌を上手く使い、背中に張り付いているルリを刺そうとする。
「させるかっ」
ルリは両足を上げ、上腕の部分を押さえる。
ペラッペラの装甲のおかげでもある。
「グッ……ウゥ……」
死神はかなり苦しんでいる。
ここで落とす。
瞬間移動は多分俺も一緒に移動される。
これだけ密着しているんだ。
「グググッ……」
首の部分と言え流石に硬いな。
死神の首からはメキメキと音を鳴る。
「早く……落ちろ……」
「グッ、グガガアアアアッ!」
死神は最後の力を振り絞り、苦し紛れの咆哮を上げた。
足て押さえていた上腕も、少しずつ開かれていく。
「させるか……」
ルリも最後の力を振り絞り、絞め上げる力を強くする。
「グガアアッ、ガ、ガァァ……」
次第に死神の力が抜けていくのを感じた。
勝った。
ルリは勝利を確信したとき、奇妙なことが起こった――。
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