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G17第4小隊

最初は5話一気に投降したので、是非読んでいってください。


『生命体X /モンスター』

・人間に対し攻撃的

・既に存在している生物に変身すると、少し歪になる。

・変身後は体液(血液)が青くなる。


『スクラープ』

・人類側が開発したモンスターに対抗するためのパワードスーツのようなもの。

・見た目はかなり分厚い甲冑のよう。ロボットにも見える。

・『ターボグライド』という機能により、滑るように移動することができる。

・銃弾もある程度弾くことができ、パワーも上がるので、出力が高い重い武器を軽々使うことができる。

・人によって、近接型、中距離型、遠距離型などに分かれている。

・通信機能が搭載されており、相手の顔を連想すると、その人物が着ているスクラープに通信を繋げることができる。




◇ ◇ ◇





「スゥ……スゥ……」


ジリリリリリ……


 小さな部屋で1人、青年が簡易ベッドで仮眠をとっていると、呼び出し用のサイレンが鳴った。


「ん……」


 すぐさま目を覚ました青年は、濃い緑色の軍服を纏い部屋を出た。




 ◇ ◇ ◇




「総員! 整列!」


黒い軍服を着て、ベレー帽を深々と被った男が声を上げると、施設の講堂に集められた若い男女100名ほどが、綺麗に整列する。


「各小隊長! 点呼!」


「はっ!」


 整列時、先頭にいる4人の小隊長が返事をすると後ろを振り返り、各列で点呼を始めた。

 先ほどの青年も小隊長であり、後ろに並んだ隊員の名前を読み上げていく。


「G17第1小隊! 33名全員揃いました!」


「よし!」


「G17第3小隊! 28名全員揃いました!」


「よし!」


「G17第2小隊! 負傷者1名治療中! その他32名全員揃いました!」


「G17第4小隊、21名全員揃いました」


「遅い! G17第4小隊長ルリ!」


「……すいません」


「はぁ……以後気を付けるようにしろ!」


 悪びれのない様子を見て、呆れながら叱った。


「はっ」


「よし! では今日の任務を伝える!」

「G17第1小隊! この基地から西方向6.3km先でゴブリンの群れが発生! そいつらを排除すること!」


「はっ!」


「次! G17第2小隊!」


 点呼を終えると、各小隊に本日の任務が言い渡される。

 もちろん、ルリのG17第4小隊にも。


「最後にG17第4小隊! この基地から南西方向約50km先でケルベロスと十数体のガルムだ! 1体も逃さず排除しろ!」


「え? ケルベロスってB級だろ?」


「厳しくね? 前も難易度高めで何人か死にかけたんだろ?」


 隊員たちが少しざわつく。


「以上だ! 失敗、断念した場合でもここに戻ってくるように! 健闘を祈る! 解散!」


「はっ!」


 ざわつく隊員たちを怒号で黙らせ、朝礼を終わらせた。

 それと同時に各々任務の準備に取り掛かろうとする。


「俺たちはゴブリン討伐か~。まぁ楽勝だろ」


 第1小隊の1人がそう呟いた。


「そ、そうなんですか?」


 近くにいた小柄な少年が反応する。


「お前は昨日来たばっかでいきなり実戦で不安かもだけど、余裕だよ余裕」


「よ、よかった」


「にしても、アイツらはすげぇな」


「アイツらって、第4小隊ですか?」


「ああ、なんてったってB級モンスターの討伐だぜ? しかも21名で」


「やっぱりB級は凄いんですか?」


「普通はもっと人数が欲しい難易度だぜ? 士官学校で習ったろ?」


「凄い……」


「まあその代わり、ちょっとおかしい奴らばっかだけどな」


「おかしい?」


「さっき注意されてたルリってやつはな。スクラープが青く染まってんだよ。今まで殺したモンスターの返り血が染み込んだとか言われてるぜ」


「ひっ……」


「まぁ適性がある奴はスクラープをカスタムできるし、そんなことはないと思うけどな。話はここまでにして、俺たちも行くか」


「は、はい!」


 話していた2人も準備をしに行った。


 各小隊が講堂からいなくなる中、第4小隊は講堂に残っていた。


「……ケルベロスか」


「どうするよ? 前みたいに実は高難易度モンスターが複数体いたとかは嫌だからな」


 ルリが呟くと、周りより一回り大きい男、ジャズが不満げにそう言った。


「分かってる。今回はより慎重に動く」


「ちょっとジャズビビってんの~? 体は大きいくせに」


 ツインテールが特徴的な女、アリナがジャズを煽る。


「はっ、砲兵(ガンナー)は後ろから撃ってるだけだろうが」


「当てんの結構難しいんだよ~? まっ、近接部隊(メレー)には一生できないだろうけどね」


「あ? 喧嘩売ってんのか?」


「怒っちゃったの~? 短気な男はモテないよ~?」


「そこまでだ2人とも。時間がもったいない」


 2人は少しむっとした顔をしたが、喋るのをやめた。

 静かになったところで、ルリは今回の作戦について話し始めた。


「今回は標的を見つけたら、近接部隊がバレないように奴らの後方へ回り込み、攻撃を仕掛ける。それに気を取られた一瞬の間に、ケルベロスの頭を狙撃手(スナイパー)3人がそれぞれ撃て。どれくらい耐えるか分からないから、左右どちらかの目を狙え」


「ミーナ今度はヘマすんなよ~」


 アリナが黒髪のショートヘアに、黒いマスクで口元を覆っているミーナにそう言った。

 彼女は前の任務で、少しミスをしていた。


「……うん」


 小さく頷きながらそう言った。


「狙撃手がケルベロスを撃ったら、配下であるガルムは多少パニックになると思う。そこを砲兵と騎兵が距離を保ちながら攻撃。漏れた奴は近接攻撃隊が引き受ける。不利になったら2対1で数的有利に戦うこと。ケルベロスはガルムを討伐し終わったら考える。以上だ。問題はないな?」


 ルリの作戦に異論を唱える者はいない。


「では各自準備にかかれ」


「はっ!」


 態度が大きい者も、小隊長の命にはしっかり答える。

 揃った返事をした20名は、即準備にかかる。




『ケルベロス』

・難易度B級

・3つの頭を持つイヌのようなモンスター。

・『ガルム』を従えることができ、基本ガルムに狩りをさせている。

・全長6~8m、高さ3~5mほど。

・体毛は黒く、巨体ながら俊敏に動き、爪や牙で攻撃する。


『ガルム』

・難易度D級

・イヌのようなモンスター

・上位種である『ケルベロス』と行動するか、群れで行動する。

・全長1m~2mほど。

・体毛は赤黒く、俊敏に動き、爪や牙で攻撃する。

・相手の匂いを覚えると、しつこく追跡、攻撃してくる。




◇ ◇ ◇




「G17第4小隊小隊長ルリ、スクラープの装備を求めます」


「G17第4小隊小隊長ルリのスクラープの装備を許可する!」


 任務に出撃する前の準備としては、まず大人の整備士が十数人ほど配属されている倉庫に行く。

 そこにスクラープを預けることによって、次回出撃までに破損していた部分の修理を行い、万全の状態にしてもらう。

 装備する際には、先ほどのように義務付けられている簡単なやり取りをしなければならない。


「フゥ……」


 許可をもらったルリは、ルリ専用のスクラープを探す。

 倉庫内を歩いていると、それを見た人たちがひそひそと話をしている。

 ルリはこの基地で、本当かどうかわからない噂のせいで気味悪がられている。

 だがこんなのも日常茶飯事なので、気にすることなく自身のスクラープの前に辿り着く。


 スクラープは全体が青く染まっており、普通の近接部隊が装備するスクラープよりも装甲が薄くなっている。

 正面に立ったルリは、両手をスクラープの胸に当てる。

 腹より下はそのままで、上が蝶のように変形した。


 変形をやめたスクラープを上から、ズボンを履くように下半身をはめる。

 はめた直後、スクラープの下半身がほんの少し光る。


「両足、リンク完了」


 そう言うと、蝶のように変形したスクラープの上半身が元の形に戻り始める。

 袖を通すように腕をはめ、腕にはまると縦に真っ二つになっていた胴が元に戻る。

 こちらもはめた直後、スクラープの上半身がほんの少し光る。


「両腕、リンク完了」


 最後にスクラープの頭の部分がヘルメットのように、ルリの頭にはまる。

 はまった後、スクラープとルリが繋がったかのように、目元が光る。

 すると、スクラープの目を通して周りの景色が視界に入り込んでくる。


「スクラープ、リンク完了」


 これで出撃準備は終わりだ。

 あとは隊員の準備ができ次第、ゲートから出撃するだけだ。

 スクラープを装備したルリは、出撃ゲートに向かった。




『モンスターの討伐難易度』

・モンスターは上から、S級、A級、B級、C級、D級、E級の順の難易度に割り振られている。

・D級、E級はスクラープを着た人間1人で対処できる難易度。

・C級は複数人での対処が求められる。

・B級は2,30名での対処が求められる。

・A級は4,50名での対処が求められる。

・S級は規格外の強さで、データがほとんどない。




◇ ◇ ◇




「おーい! こっちの荷台に弾薬積んでくれ」


 ルリが出走ゲートに向かうと、筋肉質の女、ベルハラと数人の騎兵(トルーパー)が、弾薬などの物資を荷台に積んでいた。


「物資は積み終わったか?」


「もう少しかかるな」


「隊員は全員準備が整っている。終わったら言ってくれ」


「はいはい。テメェが毎回物資を余分に持ってくよう指示してるから遅くなってんだけどな」


 ベルハラは手を止め、嫌味を言ってきた。


「文句を言う前に早く手を動かしてくれ」


「チッ、はいはい分かりましたよ」


 ルリの態度にイライラしながらも、ベルハラは荷台に積む作業を再開した。


「ルリそろそろ出れるか?」


 なかなか出撃しないのか、ジャズが様子を見に来た。


「もう少ししたら出る」


「まーた物資余分に積ませてるのかよ。ベルハラ怒ってたろ?」


「念には念をと言うだろ?」


「まぁそりゃそうだけど、第4小隊(うち)は人数少ないし、その分少なくても大丈夫だろ」


「検討しとく」


「どうせ検討しない癖によく言うぜ……あっ、そういえば今度第4小隊に新隊員が入ってくるって噂を聞いたが」


「さあな。俺は知らない」


「まぁ第4小隊に来るとかよっぽどイカれた奴なんだろうな」


「……そうじゃないとやっていけないだろ」


 少し悲しそうな眼をして、ルリはそう言った。


「ルリ―! 積み荷全部載せ終わったぞー!」


 ベルハラが物資を積み終えたと叫んでいる。


「お、終わったってよ。行こうぜ」


「……ああ」


 ルリとジャズは、待機しているみんなのもとへ向かった。




『ルリ』

・性別:男

・役割:第4小隊長。近接部隊メレー

・年齢:17歳

・黒髪の身長170cm。右頬に火傷の跡がある。

・無表情であり、感情を表に出すことが少ない。


『ジャズ』

・性別:男

・役割:近接部隊メレー代表。

・年齢:18歳

・茶髪の身長184cm。

・仲間思い。アリナとはよく口喧嘩をしている。


『アリナ』

・性別:女

・役割:砲兵ガンナー代表。

・年齢:19歳

・金髪ツインテールの身長164cm。

・普段は生意気だが、戦闘になると真面目になる。ジャズとはよく口喧嘩をしている。


『ミーナ』

・性別:女

・役割:狙撃手スナイパー代表。

・年齢:15歳

・藍色ロング髪の身長157cm。

・口元を黒いマスクで常に覆っているので、感情を読み取りずらい。


『ベルハラ』

・性別:女

・役割:騎兵トルーパー代表。

・年齢:20歳

・オレンジ髪のの身長178cm。

・好戦的であり、すぐにキレる。

・戦車のキャタピラの部分が、4本の太い虫のような足になっている機体に乗っている。

→小隊で移動の際は、物資や隊員を乗せた車両を連結させて引っ張って移動する。(機関車のイメージ)


『各役割』


近接部隊メレー

 その名の通り、近距離で戦う。

 各々が好きな近接武器を使って戦う。

 作戦の先陣を切ることや、敵陣をかき乱すことに適している。

 第4小隊の近接部隊は7人おり、代表はジャズである。


砲兵ガンナー

 中距離で戦う。

 スクラープに合った強力な銃を使い、モンスターの討伐もお手のもの。

 銃の威力が強い分、反動が大きく、再装填リロードに時間がかかる。

 第4小隊の砲兵は7人おり、代表はアリナである。


狙撃手スナイパー

 遠距離で戦う。

 こちらも強力なスナイパーライフルを使うことで、より遠くに、より真っすぐ弾が飛ばすことができる。

 援護や、作戦のきっかけを作ることに適している。

 第4小隊の狙撃手は3人おり、代表はミーナである。


騎兵トルーパー

 スクラープではなく、戦車のような機体に乗っている。

 威力のある範囲攻撃をすることに適している。

 第4小隊の騎兵は4人おり、代表はベルハラである。

 ベルハラ以外の3人の機体は一回り小さく、三本足のアメンボのような機体に乗っている。





読んでいただきありがとうございました。

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