刺客との戦い(2)
この作品はカクヨム、アルファポリスにも公開しています。
アイカは不敵に笑いながら動き出す。
次の瞬間、彼女の姿が消えた。
気がつくと、男の後ろに立っている。
男は反応できずに戸惑っていた。
そのままアイカは回し蹴りをする。
男は避けきれずに直撃を受けた。
衝撃で吹き飛ばされて地面に倒れる。
更に追い打ちをかけるように、アイカは男を踏みつけた。
「ぐはっ……」
男は苦痛の声を上げた。
「これで終わりかしら?」
彼女は冷たく言い放つ。
「まだだ……。こんなものじゃないぜ……」
男は立ち上がると、再び向かってきた。
「しつこい人ね……」
アイカは呆れた様子で話す。
それから、激しい攻防が繰り広げられた。
お互い一歩も譲らず、互角の戦いを繰り広げる。
「なかなかやるな……」
男が感心しながら呟く。
一方、アイカは無言のまま無表情で戦っている。
しばらくすると、男が攻撃に転じた。
拳を振り上げてアイカの顔に殴りかかる。
しかし、彼女は難なく避けると、カウンターで男の腹部に拳を打ち込んだ。
鈍い音が響く。
「うっ……」
男は苦しそうな声を漏らすと、その場に倒れ込む。
アイカは、そんな彼を見て嘲笑った。
「口ほどにもないわね……」
そう言って、男を見下ろす。
「ちくしょう……、調子に乗りやがって……」
男は悔しそうに喚いた。
「貴女はここで、やられる運命なの……」
アイカは冷酷な声で告げる。
「ふざけるな……」
男は起き上がると、血走った目で睨んだ。
「まだやる気なの? 本当に馬鹿ね」
アイカは溜息をつく。
「お前は絶対に殺す!!」
男は叫びながら突進してきた。
「私に勝てる訳ないのに……」
彼女は面倒臭そうにしている。
男は勢い良く飛びかかったが、簡単に避けられてしまった。
「うおおー!」
彼は必死の形相で追いかけてくる。
「諦めの悪い人は嫌いよ……」
そう言うと、アイカは指をパチンと鳴らした。
すると、突然、男の足元の地面が崩れ落ちる。
「うわぁーー」
男は悲鳴を上げながら落下していった。
「何!?」
俺は驚いて声を上げる。
「この程度じゃ死なないわよね?」
アイカはニヤリとした笑みを浮かべていた。
「クソッ!! 殺してやる……」
男は穴の底から叫ぶ。
「貴方はそこで大人しく待ってなさい……」
そう言うと、彼女は踵を返して歩き出した。
俺は呆然と見送る事しかできなかった。
やがて、彼女は俺の目の前までやって来る。
「隆司君……大丈夫?」
彼女は心配そうに尋ねてきた。
「ああ……。何とか……」
俺は苦笑いをしながら答える。
「良かった……」
アイカは安堵した様子だった。
「ありがとう……」
俺は礼を言う。
「別に気にしなくていいわよ……」
彼女は照れながら答えた。
そして、少し間を置いてから話し始める。
「それにしても、貴方も随分と無茶な事をするのね……」
アイカは呆れた様子で言った。
「それはお互い様だろう……」
俺は思わず反論してしまう。
「まあ、確かにそうかもね……」
アイカはクスっと笑う。
ちょうど、その瞬間に穴から男が出てきた。
「あいつが……」
俺は驚きの声を発する。
「あら、生きてたみたいね……」
アイカは特に驚く素振りを見せなかった。
「お前らだけは許さないぞ……」
怒りに満ちた表情で男は呟く。
「しつこいわね……」
アイカはうんざりした様子だ。
「お前らは俺の手で殺してやる!!」
男は高笑いしながら叫んだ。
「悪いけど、貴方に負ける気はないわ……」
アイカは不敵な笑みを浮かべている。
「ほざいてろ!!」
男も不敵な笑いを浮かべ彼女に向かって走り出す。
アイカは男の攻撃を軽々と攻撃をかわす。
「おいおい……。さっきまでの威勢の良さは何なんだ?」
男は挑発的な態度を取った。
「うるさい……」
アイカはムッとしている。
彼女は反撃に出ると、男を蹴り飛ばした。
「ぐはっ……」
男は吹き飛ばされると、地面に倒れる。
「まだまだ、これからだぜ……」
男は、ふらつきながらも立ち上がった。
「しぶとい奴ね……」
アイカは嫌気が差しているようだ。
「今度はこちらの番だ……」
男はそう呟くと、彼女に襲いかかる。
「無駄よ……」
アイカは余裕で避けた。
「これならどうだ!!」
男はアイカの目の前で自分の眼を赤く光らせた。
眼を見た途端にアイカは身体の自由が効かなくなってしまった。
「これは!?」
アイカは動揺を隠せない。
「ふははっ……。お前の動きは封じさせてもらったぞ……」
男は勝ち誇ったように話す。
「くっ……。動けない……」
アイカは必死にもがくが、全く身体を動かす事ができない。
「これで終わりだ……」
そう言うと、男はアイカの首を掴んだ。
「うっ……」
アイカは苦しそうにしている。
「よくもコケにしてくれたな……」
男は不気味な笑みを浮かべていた。
「どのように苦しめてやるか……」
彼は舌舐めずりする。
「やれるものならやってみなさい……」
アイカは強気に言い放った。
「ああ……。ここでお前を裸にひん剥いてやるよ!」
男は興奮気味に叫ぶ。
「最低ね……」
アイカは軽蔑するような目で見ていた。
「減らず口を叩くんじゃねぇ!」
男は怒鳴り散らすと、何処からか大型のナイフを取り出した。
そして、アイカの服を切り裂いていき布の切れる音が響き渡った。
「きゃぁーー!!」
アイカは悲鳴を上げる。
やがて、彼女の上半身が露わになった。
白く透き通った肌が眩しく形のいい胸が目に付いた。
「次は下半身も丸出しにしてやるぜ……」
男は好色な顔をしている。
「この変態……」
アイカは嫌悪感を示した。
「その顔もそそるねぇ~」
男は下品な笑みを浮かべながら、アイカの顔に手を伸ばす。
「触らないで!」
アイカは必死に抵抗する。
「おとなしくしろ……」
男はアイカの頬を叩いた。
乾いた音が鳴る。
「痛いっ……」
アイカの顔に屈辱の表情が浮かび男を睨む。
「許さない……」
「まだ、そんな口がきけるのか? まさか、この程度で止めると思ってる訳じゃないだろうな……」
そう言って、男はアイカのお腹に拳を打ち込んだ。
「うぅ……」
アイカは苦悶の声を上げる。
「いい声で泣くじゃないか……」
男は満足そうな表情をしていた。
この光景を見ていた俺は怒りの余り、冷静さを欠いていた。
「おい! いい加減にしろよ!!」
俺は怒りを込めて叫んだ。
「黙れ!! 部外者は引っ込んでいろ!!」
男は俺を一喝する。
「何だと!?」
俺は苛立った声を上げた。
「貴方じゃ勝てないわ……」
アイカは諭すような口調で言う。
「お前はそこで見てろ……」
男はニヤリとした笑みを浮かべた。
次の瞬間――。
突然、男の背後に別の男が現れる。
「な、なんだ!?」
男は慌てて振り返る。
そこには銀髪の髪をした美しい顔の男がいた。
「誰だ……お前は?」
男は警戒しながら尋ねる。
「妹を傷付けた罰として、それなりの代償を払って貰おうか……」
男は怒りの表情を浮かべて答えた。
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