表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

あそびの詩

秋を数えて

作者: 浮き雲

珈琲よりもお茶を飲むことが多いようです。理由としては、お茶のほうが手間をかけず、本格的な香りを楽しめるからです。

ただ、珈琲を飲むとなればインスタントはいやで、ドリップをしたくなります。

珈琲は香りは好きですが、酸味と後味が苦手なので、できるだけ酸味の少ない豆を選びます。豆も煎りたてとはいきませんが、都度、引くようにはしています。二度引くと、引き加減のばらつきは少なくなります。また、引けば、どうしても粉が出て雑味につながりますから、篩で粉を取り除きます。

ネルドリップがより本格的なのでしょうが、サイフォンを使うと濃く抽出されてしまうので、私レベルでは酸味や苦味が立ってしまいます。ですので、紙臭くなると仰る方もありますが、ペーパードリップです。

引いた珈琲豆は多めに入れます。その際、中央をすり鉢状に窪ませておくほうが、フィルターにお湯が回るのを遅らせることができます。

お湯を注ぐケトルは、滑らかに少量のお湯が注げる専用のものが良いようです。蒸らしは1分。その際、ポットに落ちた珈琲液は捨てます。それから、90度プラスアルファのお湯を、円を描くようにゆっくりと少しずつ、時間をかけて注いでいきます。抽出するのは、人数分の60%くらいで、フィルターにお湯が十分残っている間にドリッパーは外します。このポットに、ケトルの残りのお湯を適量注いで薄めます。薄めるのは個人的な好みです。濃く珈琲を抽出していますので、薄めても香りは華やかで、酸味は強くなく、苦味は感じられるくらいになる・・・ような気がします。

あとは、カップに注いで準備完了です。

夜中に、こういうことをしていると間違いなく家族の誰かに嫌がられます。本当は、夜中に秋を数えるのなら、珈琲は諦めたほうが良いようです。





秋は、陽の射す野を渡る 風ともしれぬ冷たさに


いたずら顔を覗かせて こっそり、隠れているそうな




秋は、落ち葉を踏みしだく 乾いた音の中にいて


気づけば、ひとりカサカサと 風と話しているそうな




秋は、日暮てゆく空を 茜に染めてゆくように


色褪せぬよう、もみじ葉に 紅を重ねているそうな




秋は、夜長を鳴く虫の 調べをたばね、風にのせ


夢の間に間を満たすごと そっと届けているそうな




秋は、夜空の三日月の 淡き光と舞い降りて


佇む人の寂しさに ただ、より添うているそうな




秋は、夜更けてゆく頃に 眠れぬ人の傍らに


その面影をしのばせて こころ満たしてゆくそうな




眠れぬ夜の戯言に 秋を数えてみることの


哀しいようで、おかしくて 


窓を開ければ、珈琲は 白き香りを燻らせる






読み返すと明らかに、本文より前書きが長くなりました。ここまでお読みくださった方々、本当にありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 最近、拝読させていただいています。 形式は、今様、という事になるんでしょうか。7575の二行というのは、案外文字数が多いのでかなり口語が自然と乗せられるのですね。 「小さな秋見つけた」を…
[良い点] ボリュームたっぷりの前書きに【エッセイ+ポエム】の様な読み応えがあり、詩情に深みが増したように思われました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ