表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/25

別エンド リリアナ 5

運命の?金曜日


 リリアナは熱が下がって、今日はジュードに会うための算段をつけようとしていた。


 クリスが朝早くから部屋に来た。


「姉さん、大丈夫? 起き上がれそう?」


「ええ。もう大丈夫。ありがとう。今日は学園は休みなのね。寝てるのもあきたし、ジュード様に手紙を書いて謝りに行こうかと思って」


「手紙は僕が手配するから他の人に渡したりしないでよ。そうそう、今日ジェラルドがお見舞いに来るから、ちょっとジェラルドを驚かしてやろうと思うんだ。

 服は寝間着に見えそうな地味なものに着替えてもらって。化粧はせず、髪も結わないで」


 クリスは途中からメイドに向かって指示を出していた。


「何でそんなことするのよ」


「いいから、いいから。ちょっと仕返し」


「嫌よ。何でそれに私が付き合うのよ」


「ジェラルドの驚いた顔見たくない? それにこれからも俺にエスコートして欲しいよね? 俺に沢山借りがあるよね?」


「私を脅すの?……酷いことしないでよ。それでどうするの?」


「今はとりあえずさっき言ったことをしといて。姉さんは何もしないのが役割だから」


「要するに病人のフリね。さすがに寝巻きのままではまずいから服は着替えるということね。何だかよく分からないけど」


「じゃあまた後で、来たら知らせるから」


 そう言うとクリスは部屋を出ていった。



 準備を終えしばらく部屋でくつろいでいると、メイドが戻って来た。


「クリス様から伝言です。『今から布団に入って目を閉じて寝たふりをしていて下さい。絶対に絶対にしばらくの間しゃべらないで下さい。いきなり声を出したりしたら、二度とエスコートはしない。だからよろしくね』とのことです」


 メイドからもすごい圧を感じる。えらく気合い入ってるわ。なんか本当に大丈夫かしら?


 少しすると複数の人の足音が聞こえ部屋の前で止まる。

 コンコン。ノックの音が響く。


「目をつむって、絶対にしゃべらないで下さいね」


 再び彼女は小声で囁くと布団を首までかけて、手だけ布団からはみ出させると、扉を開けに行った。

 リリアナは目を瞑った。


 誰かが枕元に駆け寄ってきた。


「リリアナさん!」


 ジュードの声がした。リリアナは叫びそうになった。

 まさかジュード様が来るなんて、油断していたわ。ちょっとクリスのバカ何やらせてるのよ! ジュード様じゃ冗談ですまないじゃない。リリアナは青ざめる。

 ジュード以外誰もいないのだろうか、静まりかえっている。枕元の椅子に座ったのだろうかと思っていると手を握られた。それも両手で!!


「君がずっと寝込んでたなんて知らなかったよ。手のつけようがないと……」


 ちょっとクリス、どうなってるのよ。仮病どころか死にそうな役なの?

何してくれてんのよ。あたしをジュード様に殺させたいの!!! 眉間にシワが寄る。


「リリアナさん大丈夫? 苦しいのか?」


 ジュードが優しく手を撫でてくれる。


「君が居なくなったら俺はどうすればいいんだ……」


 彼が私の手に顔を押し付けて泣いている?!! 

 どう言うこと? 何で泣くの?


「君がいなくなるなんて絶対に嫌だ。どうやって生きていったらいいんだ。

嫌いと言われ、君ともう笑って話せないかもと思うだけで、こんなに苦しくて悲しくてどうしようもないのに。

君が本気で嫌がってると思いもせず、意地の悪いことばかり言って申し訳なかった」


 彼は私の手を握り締めて震えている。

 私は恐る恐る目を開ける。ジュードが目の前にいた。


「どうして泣いているの?」


「リリアナさん! ……きみには嫌われているから一緒には居られないだろうが、それでも君のいない世界なんて耐えられない」


「そ、それってどういう……」


「君が好きなんだ」


 リリアナは声が出ない。まさか、そんな、あんなに私に意地悪なことを言ってたのに。


「じゃあ、何であんなに意地悪なこと言うの?」


「そ、それは君の反応が可愛くて、つい」


「嫌いだからイジメてたわけじゃないの?」


「気になるから構っていたと言うか、構って欲しくて意地悪したというか、ガキみたいでごめん」


 ジュード様が私のことを好きなんて夢のようだ。はにかむ顔が愛しくて美しくて彼の顔をじっと見てしまう。暖かいお風呂に入ったようなじんわりとした幸せに、身体中の細胞が喜んでいるようだ。


「リリアナさん?」


「私もあなたに謝りたかったの。この前嫌いって言ったこと。あれはあの、その、あなたが他の女の子と楽しそうにしているからか腹が立ったの」


 恥ずかしくて反対を向いた。


「えっ? それって」


「嫌いと言われたあなたのショックを受けた顔を見て、私はなんてヒドイことをしたんだろうと思うと悲しくて、自分が許せなくて。謝りに行こうと思ってたのに起き上がれず寝込んでたの」


「えっ? ええ?」


「本当にごめんなさい。八つ当たりして。クリスに嫉妬だと言われたわ」


「俺が他の女の子と居るのを見て嫉妬してくれたのか?」


「ええ、そう。私もあなたのことが気になってしょうがないの」


「それはつまり?」


「好きなのかも」


 小声で言う。


「本当に? 本当なのか?」


 頷くとジュードが私の手に顔を押し付けた。それから手の甲にキスをした。


「リリアナさん嬉しいよ」


 彼は私の頬に手を当て、愛おしそうに優しく撫でた。じっと私を見ている。彼の顔が近づいた。私は目を閉じた。


 優しくキ…………


 あれ????

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ