別エンド リリアナ 3
なぜかさらに上機嫌なジュードを目が合う度に睨みながら、ダンスを踊った。
ジュードとのダンスは終わったが、私が怒った顔をしているからか、ダンスに誘おうと近づいてくる男性はいても、実際に声をかける人はいなかった。
ジュードと再び椅子に座る。お水を飲んでいると、フローラとジェラルドともう一人女性がやって来た。
「二人は仲良しなの?」
とフローラに言われた。
「違うわよ」
「リリアナさん、フローラのお姉さんのキャロルさんだよ」
「リリアナ ロセフイットと申します」
「よろしくね、リリアナさん。同い年なのよね。本当に綺麗ね! フローラがあなたのファンだって聞いて、是非お会いしたかったの」
「それは光栄ですわ。フローラ、私のことなんて言ったの?」
「もちろん、すごく楽しい人って言ったのよ。ねえ、ジェラルド」
「そう。リリアナさんは面白いよ」
「くっくっく……」
ジュードが後ろで笑いを堪えている。
「ちょっとあなたねえ、失礼じゃないのよ!!」
「ファンがいて何よりだ」
「バカにしてるわよね」
「いいや、感心してるんだ。ちゃんと中身を見てくれるファンがいるじゃないか」
「バカにされてる気しかしない」
「やっぱり二人は仲良しね!」
「だから、違う!」
5人でしばらく話していると
「ジュード兄様、踊ってくださらない?」
キャロルがジュードに声をかけた。
「ああ、じゃあ行こうか」
二人は行ってしまった。
「リリアナさんも踊る?」
ジェラルドが手を出してくれた。
「フローラは?」
「私は後でジュード兄様と踊って貰うから、二人で行ってきて」
そう言われてジェラルドとダンスを踊る。
踊りながらジュードの方をチラリと見ると楽しそうに二人で話していた。
「リリアナさんは、兄さんと仲良しだったんだね。知らなかったよ」
「だから仲良しじゃないって」
「そうなの?」
「ええそうよ。だって、ジュード様は意地悪だもの」
「兄さん意地悪なの? 確かに俺を時々からかって遊んでるな。でも優しいよ。気配りも出来るし」
「確かにそう言うところもあるわ。でも意地の悪さを全力で私に向けてくるのよ」
「それはいけないな、兄さんに言っておこう」
ジェラルドと踊り終わると、また別の男性に声をかけられ踊った。
ジュードは今度はフローラと楽しそうに話しながら踊っていた。
彼の笑顔を見るたびにイライラが募ってくる。どんどんリリアナは機嫌が悪くなり、踊り終わると相手の男性がそそくさと離れていった。
「何か不機嫌そうだな。怖がられてたぞ」
「あなたはご機嫌ね」
「ああ、楽しいからな」
「それはようございましたね」
「なんで不機嫌なんだ」
「知らないわよ。あなたに関係ないでしょ」
「また突っかかるなあ」
「しょうがないじゃない、あなたのこと嫌いなんだから」
「そうなのか?」
「そうよ。ほっといてよ」
ジュードは、それを聞いてハッとしたような顔をした。
「…………そうか、悪かった……じゃあ、気を付けて」
そう言うと彼は行ってしまった。私は呆然と突っ立っていた。
「姉さん、どうしたの? 何突っ立ってるの? 姉さん?」
「えっ? ああ、クリス」
「大丈夫?」
「ええ、まあ」
クリスは様子のおかしい私を気遣って、フローラ達に挨拶をして私を馬車に乗せてくれた。
「姉さん、ジュードさんに何か言われたの?」
「ううん。違うの。でもあんなにショックを受けた顔をすると思わなくて」
「何? 何かしたの?」
「イライラしてたから、つい『あなたのこと嫌い』って言ったの、いつもと同じ反応が返ってくると思ったのに……すごく傷ついた表情してた」
ジュードの顔を思い出すと涙がポロポロ出てきた。
「何言っても許されると思ってない? 姉さんはジュードさんに甘えすぎだよ」
クリスの差し出したハンカチで涙を拭くが、次から次へと溢れてくる。
「嫌いじゃなくて大好きなんじゃないか」
馬車が邸の前に停まった。クリスはリリアナが泣いてヒドイ顔をしてるのを見られないように、抱き上げて部屋まで運んでくれた。
「クリスありがとう。大好きよ」
「はいはい。本当に伝えないといけない人に言ってね」




