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別エンド リリアナ 1

 本編とは別バージョンのエンドを書きました。

 1-8話までの続きの話ということになります。

 初めはリリアナ視点からです。

 リリアナは、ジュードのことが気にかかっていた。


今度はどうやってぎゃふんと言わせてやろうかしら?

今までぎゃふんと言わせたことがあったのかどうかはさておき……

そもそも人類史上ぎゃふんと言った人がいたのかどうかもさておき……



 彼に会うには社交に出かけるしかない。王宮や家に行けば会えるだろうが、さすがに用もないのに行くわけにいかない。それなのに、今は社交シーズンではないため、誰かの誕生日会に呼ばれるくらいしかないのである。


 そんな貴重な誕生日会の招待状がフローラから届いた。彼女はジェラルドの幼馴染である。ジェラルドの幼馴染ということは、ジュードも、もしかしたら来るのでは?

 リリアナは早速出席の返事を出し、誕生日会のためのドレスをどうしようかと考える。母親に相談すると、新調してもいいとのことで、早速懇意にしている仕立て屋を呼ぶ。今度は目立たないように地味にしようなどと考えていたことはすっかり忘れていた。

 次の日は、プレゼントを買いに行き、誕生日会を万全の態勢で迎えた。



 誕生日会はクリスと二人が招待されていたので一緒に出かけた。会場に着くとフローラにお祝いを言い、プレゼントを渡した。


「リリアナ、クリストファー様ありがとうございました。ジェラルドはまだ来ていないわ」


 ジェラルドの幼馴染で、ジェラルドやクリスの一つ上であるフローラもジェラルドを呼び捨てにしている。

 クリスと一緒に知り合いに挨拶しながら、ジュードが来るのを今か今かと待っていた。


 誕生日会の開始時間直前になって、ジェラルドが家族らしき人達と共に入ってきた。

 ジュードがいた! リリアナはドキドキしてきた。

 フローラに花やプレゼントを渡して、フローラの家族と話している。

 そうか、家族ぐるみで仲良しなのね。ジュードはフローラのお姉さんらしい女性と楽しそうに話していて、一向にそこから離れる様子がない。


 誕生日会の開始が宣言され、皆でグラスをかかげ声をあげる。


「誕生日おめでとう!」


シャンパンを飲み干した。


「姉さん、今日は飲みっぷりがいいね。でも飲みすぎないよう気をつけてよ」


 お代わりを貰う。ジュードたちは相変わらずフローラの家族と楽しそうに話している。


 リリアナは、気がつけば沢山の男性に囲まれていた。クリスはいなくなっていた。薄情者と、クリスに心の中で八つ当たりしながら、とりあえず愛想笑いを浮かべてしばらくやり過ごす。


 またジュードの方を見ると、まだしゃべっている。段々ムカムカしてきて、お酒のピッチがあがってしまう。



「リリアナ嬢は、お酒が好きなんですね」


 男の声がして、その何とも言えない、いやらしさの滲んだ声の響きにハッと我に帰った。

 油断してはいけない。つけ込まれる隙を与えるようなことを自分からしてはいけないわ。見回してクリスを探す。クリスには悪いけど、付き合ってもらおう。


「ごめんなさい。ちょっと化粧室に行くので失礼しますわ」


 そう言うと、途中まで御一緒しましょうとかなんとか言ってくる男達を断りながらクリスのところへ行く。


「クリス、悪いけどちょっと付き合って」


「どうしたの姉さん」


「ちょっと飲み過ぎたみたいで」


「お酒の飲み過ぎか? もしかして、やけ酒か?」


 振り向けばジュードが意地の悪い顔をして立っていた。今一番頭に来る顔である。


「やけ酒なんかしません。ふん!」


 リリアナはそっぽを向いた。クリスの方を向くと、また他の人としゃべっている。クリスのバカと思いながら振り返ると、ジュードが水のグラスを差し出してくれた。ありがたく受けとると一口飲んだ。


「椅子に座って休まないか?」


 彼は先ほどとは打って変わって紳士的な態度で腕を差し出してきた。その様子に怒りがどこかへ行ってしまい、素直に腕に手をかけた。

 彼は黙って歩き出した。お酒を配っている給仕に声をかけると、部屋の端の衝立がしてあるソファーへ案内された。


 腰をおろして水を飲むとホッとした。彼と二人きりの空間になって少し緊張する。


「今日もまた……」


「また何?」


「いや、言わない」


「何よ、言いたいことがあればハッキリ言えば?」


「それより大丈夫か?」


「ええ。ちょっと眠いけど、気分は悪くないわ」


「そうか……横にはなれないけど、もたれてもいいぞ」


 彼はそう言うと自分の肩を叩いた。

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