繊細さんとは?
毎日毎日、夢を見る。
仕事であり得ないミスをする夢、先輩に間違った指導を受け失敗し謝りに行く夢、部長からこんこんと説教される夢。。
夢が強烈すぎるのか、3時頃に目が覚めて寝られない日々がかれこれ3ヶ月は続いている。
あまりにも寝られないし、仕事にも支障が出てきたので睡眠薬をもらおうと、ネットで調べた一番近くの心療内科へ行った。
雑居ビルの一室で受付は院長の奥さんであろう、おばあちゃんが座っていた。
診察室は一つだけ。
患者さんは少なかったが、一人ずつの説明が長いのか患者さんが話好きなのか、かなり待たされた。
おじいちゃん先生に問診票を渡し、日々小さなことが気になって眠れない、と伝えたら
「あー、HSPかもしれないね。繊細な体質だから生きづらいでしょ。必要ならうつ病の診断もするよ。」
と言われた。
「HSPってなんですか?私うつ病なんですか?」
と聞くと、おじいちゃんは
「うつ病の診断は簡単にはできないけど、あなたみたいに感受性が強い人をHSP、日本では最近は繊細さんというんだよ。繊細さんは病気ではないけど、悩みすぎてうつ病になるケースが多いから気をつけないといけないよ。」
と説目してくれた。
さらに
「うつ病は睡眠障害から始まる場合が多いからね、あまり考えすぎないように。といっても繊細さんには無理かな。次回詳しく説明するから時間取って来てね。」
と睡眠薬だけ処方してくれた。
繊細さん?でうつ病って…なんだ??
と思っていたら、お会計のときに受付のおばさんから「繊細さんへ」というパンフレットを手渡された。
そのパンフレットには、「生きづらいあなたへ」という表題で、繊細さんの特徴が上げられていた。
・大きな音が苦手
・人の気持ちがすぐに理解できる
・映画を見て感情移入してしまう
・毎日数時間は1人の時間が必要
・美しい自然に感動する
・強い光が苦手
…
項目は30個ほどあったけれど、全てに当てはまった。
というか、みんな同じじゃないの?と思うような項目ばかりだった。
項目の下には
「HSPの症状は人によって違います。治療薬はありません。いままで『心配性すぎる』とか『繊細すぎる』と言われてきたことでしょう。まずは自分の事を知ることが大事です」
と書かれていた。
心配性?繊細?
親からずっと「お前は雑な人間だ」と言われ続けてきた私が、そんなわけないと思ったけれど、あまりにも当てはまるので自分でネットで調べてみた。
自己診断サイトなどでいくつかチェックしてみると、すべてのサイトで「あなたはHSPです」という診断だった。
さらに「HSPによるうつ病の可能性があります」とも。
いやいや、まさかね。
こんどおじいちゃん先生に詳しく聞いてみよう。
とりあえず寝よう。
もらった薬を飲んで眠りについた。