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  作者: old Man
7/7

6話 勇気を持って

久々に田舎に帰った…


息子の顔もみれた…

刑務所を出所してもぅ離れないと

決めてたのに

またこんな生活だ。


息子には本当に寂しい思いをさせてるなと

罪悪感の中、家に帰ってみると


息子は

いつもの笑顔で俺を迎えてくれた。


こんな父親を見放す事なくだ…


久々の実家…

無口で働き者の父親と、話好きの母親

全く真逆の性格だ。

そしていつ帰っても

黙ってご飯を食べさせてくれた。


最高の家族だ。


こんな家に産まれたのに俺はこの生活…


10年以上白い粉との戦いで若い頃から

思い出と言う思い出はあまりない…


そんな生活を20歳ぐらいから続けていた。


帰って必死で働き先を探してみたが、

小さな田舎町では、噂も回覧板のように

すぐ回る。


雇ってくれるとこなどなかった。


俺は途方に暮れ、あれだけ嫌だった

刑務所にさえ、戻りたいと思ったほどだ。


だが、それではダメだ。


組をぬけた今、自由だが、

この自由が悪をも呼ぶ事は刑務所で

学んだ事のひとつだ。


人にどう思われようが、

遅いなどと、いう事はない。


笑う奴は笑えばいい。


俺はこのままでは終わらないと心に決めた。


白い粉と戦うこともやめようと決めた。


だが、仕事はない

これでは、前に進めない

どうすればいいのかわからない


俺みたいな刑務所出所者、

元ポン中、元ヤクザ者、


どこまで行ってもダメな奴はダメだと

レッテルをはられ

世間から除外されてしまう。


そして頑張ろと言う勇気もそこで断たれ

また元の世界へと戻って行く…


これが世間からレッテルをはられた人達の現状である。


この現状をなんとかしたいと俺は考え始めた。


そうだ、仕事がないのなら

自分で会社を作ろう!!


そして世間から除外された

罪人やポン中、ヤクザ者…

全ての人が立ち直る環境を自分で

作ればいいのだと思いついた。


すぐに保護司に相談に行ったが…


本当にそんな事が可能なのか…

と即答だった。


それもまた俺にとってはガソリンになった。


だが、今まで仕事などしたことがない。

唯一したと言える仕事は

刑務所の中でだ。


だが、刑務所の中で、出来たのだから

娑婆でできない事はないと思った。


そんな時、親友からの電話で

大阪行きを決めた。


その親友は、

大阪で電気工事の会社をやっていた。

そこに来ないかと言う電話だった。


俺はふたつ返事で


行く


と言い、すぐに大阪に向かった。


そこから3年、一生懸命に働き、

仕事と言うものを覚えた。


大阪に、田舎で仕事がない者を数人呼び

一緒に働いた。


お金はないが、暮らして行く事は出来た。


そして3年が過ぎ


あの小さな田舎町に帰る決心をした。


地元で1から起業する事を選んだ。


アイツはダメだとレッテルをはられて

仕事さえなかった

あの地元に戻ってやると決めた。


あの悔しさを今も忘れてはいない。


それが逆に俺に強い勇気とやる気をくれた。


負けてたまるかと…


最初は批判しかなく、


本当にまともに出来るのか?


あんなとこに仕事など頼めるか


給料は覚醒剤らしい


と、色々言われたが、

それもまたやる気に火をつけた。


地元の警察でさえ


「吉田、何をしに帰ってきた

この街に帰って来ないでくれないか」


と言いに来たほどだ。


そして、仕事のない人、

刑務所出所者、元ポン中や元ヤクザ者

など、様々な人達を雇い入れた。


みんなにも、

俺がやめれたんだから、お前もやめれる

と言い、真面目になりたいと言う者には

徹底的に応援をし、一緒に頑張った。


その人への言葉が

自分自身にいつも

言っているようにも感じ、

人が俺を俺以上に成長させてくれた。


そして起業して数年が過ぎ、

何十人にもなり、

今もこうして

真面目になりたい人を

真面目な世界へと導いている。





世の中で遅いと言う事はありません。


罪人であろうと…

元ヤクザであろうと…

元ポン中であろうと…


それは過去の事です。

だが、その過去で辛い事や楽しい事、

色々な事があったと思います。

だが、消し去りたい過去もあれば

大切な思い出もあると思います。

良いものだけを取って

悪いのものは忘れる

ではなく、悪い事、辛い事は

消して忘れてはいけません。


人生に無駄はないのです。

その結果が今あるのです。


人には運命と言うものがあります。

それは変えられないといいます。

たが、私はひとつだけその運命を

変えれる方法があると信じています。


それは因果応報です。


良い行いをすれば良い行いは自分へと返ってき、悪い行いをすれば自分に返ってくるのです。


焦る事なく、日々を過ごして下さい。


運命は必ず変えられます。


その事を全ての人に伝えたい。


この先も1人でも多くの人が

真っ当な人生を歩く事が出来ることを

心から願っています。


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