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優しい世界で眠りたい  作者: 律くん
2/2

『俺の行方』

※学校名や人物名などは実際のものと異なります。

この子の身元がわかるものはありませんか?」


「生徒手帳か財布があれば分かるのですが持ち物にはないです。服装は部活の練習着と思われるので現場近くの御門中学校(みかどちゅうがっこう)に確認してみます。」



*****************







……………………………………白い天井??…………点滴?


律(病院??なんで???)


目を覚ました俺は周りを見渡した。見覚えのない所にいたが自分の左腕に繋がれた点滴を見て病院にいることは分かった。

ベッドの周りにカーテンがかかっていた。 



起き上がろうとして動いた瞬間、激痛が走った。


律「いっっでぇーーー!!!(痛い)」


あまりの痛さに叫んでしまった。廊下まで聞こえる大きさで…。




看護師さんが慌てて病室に入ってきて、

「大丈夫ですか?」と。


恥ずかしいが、この時は半泣き状態だった。

看護師さんは俺を見て大丈夫なことを確認し、ナースコールのボタンを押した。


看護師「301号室の患者さんの意識あり。至急、担当の先生を呼んでください。」


俺はイマイチ状況が分からず混乱していたが、それを察した看護師さんが「大丈夫ですよ。」と言ってくれた。


すぐに担当の医者が来てくれた。見た目は30代前半くらいで髪はツーブロックヘアで背は高かった。格闘技をやってそうな感じだ。



医者「ここがどこか分かる?」


律「病院?」


医者「自分の名前と年齢は分かる?」


律「久遠(くおん)(りつ)です。14歳。」



このようなやり取りが続き、俺の意識が正常であることを確認した。

その後、なぜ俺が病院にいるのかについての話になった。


話をまとめると帰宅途中に何らかの事故に()って気を失った。そこで通行人が通報して、病院に運ばれた。そして今に至る。

俺の意識が戻ったのは次の日の朝だった。


後に分かった事だが、ひき逃げに遭ったらしい。


警察の方も来て俺の荷物を調べたが、身元がわかるものがなく身元不明者扱いになっていた。警察は事故現場から近い御門中学校に確認をすると言っていたらしい。俺の通っていた中学校だ。


律「おかしいです。昨日は学校に行ったので生徒手帳と財布は持っていました。」


生徒手帳は通学かばんに入れたままにしているし、万が一に備えて財布も入れている。どこかで無くしな可能性は低い。

だが、今はそんなことよりも………


律「家族に会いたいです。」


看護師さんに家の電話番号を伝えて、家族を呼んでもらった。

本当は泣きたかったし、すごく取り乱していた。だけど、それを表に出さないように必死にこらえていた。


看護師「お姉さんが電話に出てくれて、すぐに行きますって。」


医者「ご家族が来たら怪我のこととか詳しく説明します。」


そう言って医者と看護師は病室を出た。その瞬間、一気に力が抜けてしまい涙が溢れた。大きな不安に耐えられなくて。


電話をしてから20分程で姉たちは病院に来てくれた。姉は病室に入ってきて、俺を見るなり泣き崩れた。姉は普段、男勝(おとこまさ)りな感じだから泣くことは滅多にない。


大和「律、心配したよ。見つからなかったらと思うと怖くて………」


大和くんにも心配をかけてしまった。でも嬉しかった。大和くんとは義理の兄弟という関係だが俺の事も気にかけてくれていた。



そして一番気がかり………というか厄介な奴がいる。

それは双子の兄(旋)だ。なぜ厄介なのかは後ほど話す。


旋は何か言いたそうだが何も言わずただ俺の方を見ていた。

なんとなく言いたいことは分かるが…






再び医者が来た。姉たちに挨拶をして話し始めた。


医者「まずは病院に運ばれた経緯についてです。」


先程、俺に話してくれたことをもう一度姉たちに説明している。

俺の自転車は変形してしまったが思ったよりひどくはない。車と衝突直前に避けようと自転車のハンドルをきった可能性がある。(覚えていないけど)

そのおかげで生きていたのかもしれない。だか、転倒したときに頭を打って気絶したらしい。意識が戻ったとき頭が痛かった。


俺が気絶して動かなかったから車の運転手は怖くなって逃げたのだろうか?逃げずに謝罪してほしい。ぶつかった事に怒っているわけではないが逃げたことは腹立たしい。



医者「怪我の程度は全体的に打撲とムチ打ち、左手首の骨折です。」


頭はタンコブができただけで済んだ。医者によると、転倒した際にとっさに左手を地面について転倒したのではないかとのこと。

だから、頭は大した怪我をしなかったが左手首は骨折した。しかし、転倒した際に石やガラス片などで眉尻の近くを切ったので2針縫()った。


他には腰椎捻挫と左足の打撲。全体的にアザや擦り傷が多数。

腰椎捻挫とは簡単に言えば腰のムチ打ち状態のこと。(起き上がろうとした時、腰が痛くて叫んだ。)


怪我は多いが死ぬようなことはなかった。医者は反射神経が良かったからこれぐらいの怪我で済んだのではないかと言っていた。当たり所が悪かったら死んでたかもしれないし身体が不自由になったかもしれないとのこと。


その話を聞き、姉は少し安心したようだ。

人物紹介とプチまとめ


久遠(くおん)(りつ)⇒主人公。中学3年生(14歳)。♂

    御門中学校のバスケ部/部長

    久遠家の次男(双子の弟)。勉強も運動も上位。

    学校ではスター。(本人は自覚なし)

    大会の2ヶ月前に怪我して大会に出れなくなる。


久遠(くおん)旋⇒第2の主人公。中学3年生(14歳)。♂

    御門中学校/不登校

    久遠家の長男(双子の兄)。勉強と運動能力はナゾ。

    中学1年生から不登校になり学校に行ってない。

    理由は明かされていないが弟がスターだからではない。


和倉(わくら)(ひびき)⇒双子の姉。大学3年生(21歳)。♀

     久遠家の母親的存在。(両親がいないため)

     20歳の時に結婚。子供はいない。

     男勝りな性格。負けず嫌い。

             

和倉(わくら)大和(やまと)⇒和倉カンパニーの若社長(26歳)。♂

     前社長の父親が亡くなり後を継いだ。

     和倉家の長男。(弟と妹がいる)

     久遠家に同居中。

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