第七章 テレジア星人、モミジ現れる
サクラ達テレジア星人は、この事故で呪縛になったのはサクラとアヤメとフジコの三人だけだと思っていた。
もう一人、たまたま事故現場近くを、宇宙戦艦ハリアット号で航行中のモミジがこの事故に巻き込まれた事を知らなかった。
それも、冗談で言っていたストリッパーになっていたとは夢にも思っていなかった。
モミジは磁気を自由に扱える為に、磁気を使用している装置を自由に動かせ、磁気を使用している通信も妨害可能でした。
軍隊の秘密調査官に抜擢されて調査中にテレジア軍より、「現在調査中の件が終了すれば重要な打合せがある為に一旦テレジア星に帰還せよ。」と帰還命令を受けてテレジア星に帰還途中、事故に遭遇して地球の海底に飛ばされた。
モミジの場合は、アンドロメダ星雲以外の星雲にも行ける宇宙戦艦で任務中の事で、しかも、秘密調査官の任務は極秘の為、テレジア星では誰も気付かなかった。
ただ、軍隊の秘密調査課ではモミジと連絡が取れなくなったが、任務の性質上、音信不通にする事もあった為に、しばらく様子を見る事にした。
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地球では、スキューバーダイビングが趣味のチンピラ浅田が会社重役に、「このクルーザーは脱税したお金で購入しただろう。証拠は掴んでいる。他にも高級外車等色々と購入しているようだな。口止め料としてこのクルーザーは頂いていくよ。」と脅し取った大型クルーザーで、外海まで出てスキューバーダイビングを楽しんでいた。
ある日、秘密基地のようなハリアット号を発見して、毎日クルーザーの位置を変えて調べていると、相当大きな事に気付いた。
モミジがテレジア星に帰還途中、サクラ達の小型UFOを発見して、衝突を避ける為に速度を落とし、秘密調査官の宇宙戦艦が人目につくのは都合が悪い為に、艦載機で接近しようとして艦載機の発進準備の為に開いていた発着口を浅田は発見した。
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浅田は、“あっ、出入り口があった。”とそこから内部に侵入して、沈没船を探検する気分で興味本位に調べていた。
“何故誰もいないのだ?”と不信に思いながらも、何か宝物があるかもしれないと連日調べていた。
浅田はハリアット号の事を、第二次世界大戦の時に、アメリカか日本が作った秘密基地かな?と思い、こんな大きな秘密基地が、何故今迄発見されなかったのか?とか真新しい事などは全く考えずに宝物の事しか頭になかった。
誰もいない理由は病気だとか狂暴な生物がいるだとか何も考えずに、第二次世界大戦が終戦を迎えた時に撤退したのだろうと安易に考えていた。
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モミジはコックピットでコードのように細長くなっていた。
浅田はただのコードだと気にせずに通り過ぎた時にモミジに触れ、その瞬間モミジは本能で美人女性に変身した。
サクラ達は事故発生寸前に身構えたが、モミジは寝耳に水で全く身構えていなかった為に、気付いても何が起こったのか解らずに、しばらく頭がクラクラしていた。
浅田は変身の瞬間を見てなかった為に、こんな所に可愛い女性が寝ていると近付いて様子を見ていた。
既に死んでいるようでしたが、死後硬直もしていなかった為に、“死んでいるのかな?気絶しているだけなのかな?“とモミジを調べていると突然抱き着かれた。
浅田は、「お前、生きていたのか?」と驚いていた。
モミジは浅田の耳元で、「はい、私は生きています。」と返答して、その後浅田に忠誠を誓い、浅田から離れてテレジア星人と呪縛について説明した。
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命の恩人となった浅田は物事を深く考えない性格でしたので、松田長官の時とは異なり、モミジの説明をSF映画の主人公になった気分で簡単に信じた。
モミジはハリアット号が巨大なので動かさずに、移動は戦闘艦や小型UFOを使用していた。
浅田は戦闘艦が直径三百メートル程度の大きさでしたので、戦闘艦で宇宙から地球に来て、地球で秘密基地を作ったのだと勘違いして、ハリアット号の事を宇宙人の海底基地だと勘違いしていた。
浅田は海底基地を作った目的などは考えずに、「俺に忠誠を誓ったのだから俺の召使になれ!」と指示した。
モミジの説明で、テレジア星人は二十四時間活動可能な上、外形も自由に変えられる事を知り扱き使っていた。
最初は買出しなどをモミジにさせて、自分は何もしていなかった。
お金が少なくなるとモミジに強盗させようとしたが、警察が動き出すと厄介な為に思い留まり、強盗ではなく働かせる事にした。
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浅田はモミジをキャバレーに連れて行き、「妹をここで働かせて下さい。」と依頼した。
キャバレーの経営者は、“何という兄や。実の妹ではなく義理かな?美人でスタイルも良いので、そんな事はどうでも良いか。”とモミジを雇った。
モミジをキャバレーで働かせて給料は全て浅田が受け取っていた。
ある日キャバレーの経営者が浅田に、「客が、あんたの妹の事を気に入ったようだ。売春を勧めると、“お兄さんに聞いて下さい。”と言うだけなのでね。」と売春の手はずを整えた上で確認した。
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浅田は了承して、「必要なら妹の友達にも売春させる。但し、一晩一人だけだ。客の好みが解れば丁度良い女を連れてくる。」と提案して、その旨モミジに指示した。
キャバレーの経営者は、“売春できる女を何人知っているのだ?怪しいな。”と疑った為に、最初はモミジだけでしたが、経営者も、“売春までしているので警察ではなさそうだな。”と浅田の要望を受け入れ、しばらく様子を見ていた。
その後、モミジを客の要望通りの体型や顔型に変身させて、連日連夜、朝まで売春させた。
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お金が貯まると浅田は、“雇われるより自分で経営した方が儲かるな。しかしキャバレーだと同時に何人もの女性が必要になり、モミジ一人では無理だな。ストリップだとモミジ一人に何役もさせる事ができるな。”と考えていた。
浅田は、モミジに売春させて稼いだお金でストリップ劇場を建てて、キャバレーを退職させてストリッパーとして働かせた。
モミジ一人で、年齢、体型、顔、髪型などの外観を変形させて、ロリコンの客から要望があればストリッパーの娘だと説明して、小学生にも変身させて何役もさせられた。当然モミジ一人ですのでカーテンコールはできませんでした。
食事はモミジが肉食なので、野良犬や野良猫を低額で処分する商売もさせて、それらを食べさせて、食べカスは後鎖がないようにUFOで太陽に投げ込ませた。
午前は野良犬や野良猫の対処、午後はストリップ劇場、夜は朝まで売春と、二十四時間扱き使われて、お金は全て浅田が懐に入れていた。
銀行口座は、隠し財産調査で調べられる恐れがあった為に、現金でハリアット号に隠していた。
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表向きは、踊り子の給与を高額だという事にして荒利を少なく見せ掛け税金対策をしていた。
その為に、パソコンを購入して給与パッケージのソフトも購入して、給与明細を作成しようとしたが、浅田の頭では使いこなせなかった。
給与明細の作成もモミジにさせて、踊り子の人数分の給与明細を作成し、最終的には、ストリップ劇場の経理までモミジにさせていた。
浅田は毎日のように豪遊していた。
モミジは、“このパソコンはチャチで強盗が入ると簡単に壊されるな。”と地球のパソコンがチャチなので驚いていた。
浅田と相談の上、ハリアット号のコンピューターに転送して全てハリアット号で処理して、パソコンは印刷のみの機能にした。
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業界のルール等は全く無視して勝手に商売していた為に、業界の風当たりも強く苦情も寄せられていた。
浅田は上手く立回り、業界には、「いや~、私は会長と申しても、何の権限もない只の飾りで何も解りません。実権は女社長が握っています。」と逃げていた。
業界には、モミジに渡した携帯の番号とメルアドを教えて、交渉などは全て浅田の意思をモミジの意思としてモミジに交渉させていた。
勿論、売春の客集めなども全てモミジにさせて、結局、モミジが全て動き、浅田は、お金だけを懐に入れていた。
交渉決裂時や売春の事でやくざに襲われたり命を狙われたりするのは全てモミジでした。
浅田は人質として捕まる可能性もあった為、念の為に豪遊は辞めて、毎日違った女性に出張サービスさせて、モミジに送迎させてハリアット号で毎日遊んで暮らしていた。
勿論、やくざなどからの刺客の事を考慮し、送迎時にモミジの透視力で、女性が武器や毒薬など、何も所持していない事を確認させていた。睡眠も札束に囲まれてハリアット号で摂っていた。
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ある日、モミジがハリアット号に送迎した女性が毒薬を所持している事を見抜き浅田に伝えた。
浅田は、その女性を縛り色々と問いただしたが白状しなかった。殴る蹴るの暴行も効果なかった。
困った浅田は、その女性をよく見ると美人でスタイルも良かった為に、ハサミで衣服を切り素っ裸にさせて性的拷問をした。
性的拷問が段々とエスカレートして排泄器官まで拷問された為に、このままだと一生垂れ流しにさせられると諦めて、雇い主の事を白状した。
モミジに始末させた。
この時浅田は、“拷問を公開して見世物にすると儲かるな。“と何か良い方法がないかと考えていた。
次回更新予定日は4月27日です。