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第六章 松田長官、サクラの事を説明する

UFOが地球に戻る時に宙に浮いていた特殊隊員達は、「うわっ、一寸待て!急に地球に戻るな!」と慌てたが、どうにもならずにそのまま床に落ちた。

サクラは、「海坊主の衛星が急に地球に戻った為に、私も急に戻りました。」と説明した。

松田長官はサクラが受け止めたが、その他の特殊隊員で一番高い場所に浮いていた特殊隊員は、足に激痛があり動けなかったために、他の隊員が調べると骨折していた。

    **********

本部からの応援を待っている間に特殊隊員達は、「彼はしばらく役に立たない、どうしてくれる!」と今後、彼の抜けた穴をどう埋めるか困っていた。

サクラは、「何故役に立たないのですか?骨折ぐらい直ぐに治るわよ。」と何故怒っているのか理解に苦しんでいた。

特殊隊員達は、「骨折を治してもリハビリなど色々と必要だろう!そういうのだったら、応援部隊が到着すれば、彼も突入可能なようにしろ!」と無理難題を吹っ掛けた。

サクラは、「良いわよ。」と地球人はタイムマシンを知らないのかと納得していた。

特殊隊員達は予想外のサクラの返答に、“えっ?”と鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした。

骨折した特殊隊員をベッドに寝かせたサクラは、装置を操作して最後に、「少し痛いわよ!」と忠告してスイッチを押した。

特殊隊員が、「ギャー」と叫んだ直後にサクラは、その特殊隊員をベッドから急に引き摺り下ろした。

その特殊隊員は足を骨折している為に、まさか、そんな事はされないだろうと油断していた為に、無意識に立ってしまった。

その特殊隊員は、「うわっ!何をするのだ。俺は足を骨折しているのだぞ!」と怒っていた。

その特殊隊員はサクラに、「足を骨折しているにしては立っているじゃないの?」と笑われた。

その特殊隊員や他の特殊隊員達は、「えっ!あれっ?どうなっているのだ?」と不思議そうに足を確認していた。

サクラは、「もう大丈夫よ、元通りに治っていて、応援部隊が到着すれば突入可能です。」と返答した。

今迄足の骨が折れていただなんて嘘のようでした。

    **********

やがて本部からの応援部隊が大型水上飛行艇で次々と到着した為に、海坊主の基地に突入した。

大型水上飛行艇を確認した海坊主は戦闘態勢を整えて待ち構えていたが、サクラには手も足も出なかった。

特殊隊員達は、防弾チョッキも着用してないTシャツ姿のサクラが銃で撃たれても平気なだけではなく、マシンガンを手で簡単に折り曲げていた為に、その怪力にも驚いていた。

更に敵は戦車で対抗してきた為に、特殊隊員達は、「サクラさん、戦車相手では太刀打ちできません。取り敢えず・・」と退却しようとしていた。

サクラは、「何よ、たかが鉄の塊じゃないの。」と指さした。

特殊隊員達は、「確かに鉄の塊ですが、どうするのですか?」とサクラが何をしようとしているのか理解できなかった。

サクラの指先から、赤い光が海坊主の戦車に照射されて特殊隊員達が、「えっ!?」と驚いた次の瞬間、海坊主の戦車は真っ赤になり溶けて、近くにいた海坊主メンバーの戦闘服が燃え出して、逃げ惑っていた。

その後海坊主の基地を、応援部隊と一網打尽にしたサクラ達は、海坊主基地の捜索など後始末を応援部隊に任せてUFOに戻った。

    **********

特殊隊員達は一仕事終えて基地に戻り、会議室で今回の作戦の反省会を開いていた。

何故敵の罠に填ったのか?事前に罠だと見破れなかったのか?などについて議論していたが、最後はどうしてもサクラの話題に集中した。

サクラはテレジア星人で、何故特定の人物の指示にしか従わないのか?など色々と説明していた。

特殊隊員達は、骨折の治療について理解不可能でしたのでサクラに質問した。

サクラは、「あれはタイムマシンの一種です。足の骨折した部分のみを、骨折する前に時間を戻しました。でもご心配なく。時間が経っても骨折状態に戻らないので。もう完全に元に戻っています。」と矢張り地球人はタイムマシンを知らないのかと納得していた。

骨折の治療をタイムマシンで行った特殊隊員は、「後遺症は出ないのですか?」と心配そうでした。

サクラは、「地球人に使うのは始めてな為、後遺症が出る可能性は否定できませんが、多分大丈夫だと思います。何か変だと感じれば、私に連絡して下さい。私には、松田長官かその秘書に連絡頂ければ連絡が取れます。」と説明した。

その特殊隊員は、「地球人に使うのは始めてだなんて、俺は実験台かよ!」とブツブツと呟いていた。

    **********

そして最後に松田長官が、「まだテレジア星人は、地球にあと二人いると思われます。この事は内密にして下さい。私がサクラと仕事の時に同行したり、仕事の合間に観光旅行したりしているのは、私の護衛と他の二人のテレジア星人の意思波を頼りに捜す為です。この事は極秘の為、警視庁の護衛をいつも断っていますが、彼らも仕事なので簡単に護衛は中止して頂けません。あまり強引に断ると逆効果になると判断して、彼らにサクラの正体を悟られずに力の違いを認識させて諦めさせようとしていますが、仕事熱心でなかなか諦めて頂けないようです。」と説明した。

ある特殊隊員が、「テレジア星人の命の恩人になれば、テレジア星人と一緒に観光地めぐりはしないのではないですか?」と何故観光地巡りをしているのか理解できない様子でした。

松田長官は、「確かに君の指摘通りですが、警視庁の警備陣に不信に思われないように観光地にしています。観光地は国内外全国にある為に、サクラと巡り、近くの宝石店や銀行、その他、不特定多数の人が大勢出入りする映画館や喫茶店などを、サクラの能力を駆使して確認しています。以前襲われた時に、警視庁の警備陣が観光客を避難させずに銃撃戦を始めた為に、今は一般人を巻込まないように、可能な限り人の少ない場所にいる事にしています。」と返答した。

    **********

一人の特殊隊員が、「仕事の時にサクラさんと同行している姿は一度も拝見した事がなく、いつも同行しているのは、あのコチコチ頭の堅物秘書ではないのですか?今度会ったらブン殴ってやる。」とサクラと一緒にいる姿を一度も見た事がなく不思議そうでした。

サクラが、「それじゃ、私をブン殴ってみる?あなたにできればの話ですけれどもね。」と微笑んだ瞬間、サクラが堅物秘書に変身した。

特殊隊員達は、「松田長官、これは一体どういう事ですか?」と自分の目を疑っていた。

松田長官は、「先日の作戦会議終了後、君が追い駆けて来た時に、会議に出席していたサクラと秘書が持っていたカバンが同じである事に気付かなかったのかね?外見はどんな形にも変形可能ですと先ほど説明したでしょう?君は何を聞いていたのだね?人間以外、動物でも、生物以外の岩石などにでも変身可能です。大きさも変えられます。観光旅行の時は、また違う女性に変身して同行しています。警視庁の護衛の目がある為に、少なくとも観光旅行の時と勤務時間中の時のサクラは別人に見えるようにしています。」と説明した。

    **********

その特殊隊員が、「サクラさん、できれば元の姿に戻って頂けませんか?堅物秘書に、少女チックな可愛い小物は似合いません。所でサクラさんの本当の大きさはどのくらいですか?」と変身した女性の身長が異なる為に、どの身長が本当の身長なのか疑問に感じていた。

松田長官は、「外見にとらわれると敵の変装を見抜けませんよ。だからカバンの事にも気付かなかったのではないのかね?例えば尾行されていると気付けば、服を変える事はしても靴は変えない事が多い。君に尾行は無理だな。大きさは、怪獣映画に出て来るゴジラ程の大きさ、つまり大型恐竜ぐらいだと考えて下さい。」と説明した。

特殊隊員達は、「えっ、ゴジラのような怪獣があと二匹、この地球上のどこかに潜んでいるのですか?そんな怪獣が出現したという情報は全く聞いた事がありません。」とサクラの巨大さは予想外で、思わず怪獣と表現してしまった。

松田長官は、「怪獣などと表現すると、今日の帰りにサクラ怪獣が現れて踏み潰されるかもしれませんよ。」とサクラの話題になれば、全員真剣な目というか興味津々と言ったほうがいいのだろうか。少し雰囲気を和ませようとして冗談を言った。

全員大笑いした。

    **********

少し雰囲気が和らいだので松田長官は続けて、「まあ、冗談はさて置き、それはサクラのように、命の恩人の指示で地球人と同じ大きさになっている可能性や、地球以外の惑星や、まだ意識不明で発見されてない可能性もあります。私が心配しているのは、海坊主が命の恩人になれば、世界征服に手を貸して、ゴジラのような怪獣が出現して世界中で暴れる可能性があります。テレジア星人は核兵器でも倒せません。そうなればサクラにも大きくなって頂き闘うしか方法はありませんが、サクラが勝てる保証はありません。最悪海坊主に征服される可能性もあります。」と説明した。

特殊隊員達は、「丸でウルトラマンと怪獣の争いだな。それでは今現在、何に変身しているのか不明だとの事ですが、考えてみると警察関係者に助けられると最優秀の刑事が出現するでしょうし、泥棒・強盗など犯罪者に助けられると、それこそ怪盗ルパンのような大泥棒が出現する事になるでしょう。それ以外でも、必ず名人と呼ばれる人物が出現する可能性がありますが、そのような噂を聞いた事がありません。」と確認した。

別の特殊隊員が、「必ず名人が出現するとは限らないのではないですか?例えば、乞食の名人などは聞いた事がありません。乞食に助けられて、乞食の指示でごみ箱から食べられそうなものを透視力で捜し出して確保するなど、一緒に乞食をしている可能性もあるのではないですか?」と確認した。

    **********

ある特殊隊員が、「それだと、海坊主より先に捜し出さないと大変な事になります。ストリッパーになっている可能性もある為に、明日からストリップ劇場を・・・」と説明していた。

女性特殊隊員が止めて、「あなた、何か別の事を考えていませんか?ストリップ劇場ですと、女性の方が冷静に調査できます。すくなくとも、あなたのように涎は垂らしませんので。」と会議中につまらない話をしないように警告した。

全員大笑いして松田長官は、「確かに君の指摘通り、ストリッパーになっている可能性もありますが、店を調べるのではなくストリッパーをよく観察する必要がある為に、彼女が指摘したように女性特殊隊員が適役だと思います。涎を垂らしている君には、ホストクラブの調査がお似合いだと思います。」と忠告した。

特殊隊員達は、「頑張ってホストクラブを調査しろよ。」と大笑いしていた。

    **********

最後に松田長官は、「誰かさんの助平心で話題が横道に逸れましたが、ホストやストリッパーですと既に誰かに助けられた事になります。まだ誰にも助けられてない場合が問題です。サクラの説明によると、テレジア星人が気絶している場合、生物か生物以外か、どんな形をしているのか解らず、誰かが触れて気が付けば、無意識で一瞬に、その形に変形します。これは身を守る本能のようなものですが、変形するのは助けられた人と同じではなく他人に変身します。サクラはマットのように平べったくなっていた為に、地面と区別がつかずに私がたまたまサクラを踏みつけて命の恩人になりました。助けられるのが人間とは限らず動物の可能性もあります。テレジア星人は自動翻訳機を携帯している為に意思疎通は可能です。誰にも発見されてないという事は、山奥や海底の可能性もあります。登山やスキューバーダイビングが趣味の特殊隊員は、申し出て頂ければ休日の余暇として特別手当を支給します。休日のプライベートとはいえ経費を使用する為に簡単な報告書の提出が必要になります。もし、テレジア星人の命の恩人になれば、その日は休暇ではなく出勤扱いにして特別ボーナスを支給します。」と特殊隊員達に協力依頼した。

特殊隊員が、「簡単な報告書といっても、遊びに行って何を報告するのですか?」と何を報告するのか理解できない様子でした。

松田長官は、「どこにも行かずに経費だけ手に入れる事を防ぐ為に、間違いなくそこへ行った事の証明に、晴れだったとか、どんな魚が釣れたとか波は荒かったとか、崖から落ちそうになったとか日記的な事で充分です。作り話の可能性も否定できない為に、可能であれば写真も提出して下さい。」と返答して会議は終了し解散した。


次回投稿予定日は4月25日です。

勤務シフトの関係で定期的に更新できずに申し訳ございません。

読者の方がイライラしないように次回投稿予定日を予告しています。

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