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第三十一章 アヤメの真実

痩せる(やせる)体重が減りからだが細くなる。

猪熊が亡くなると、アヤメが痙攣に襲われた。

モミジは笑いながら、「女神ちゃん、何芝居しているのよ。女神ちゃんが呪縛になってないと私が気付いてないとでも思ったの?」と確認した。

アヤメは痙攣止めて、「何故解ったのだ?」と私の芝居もモミジには通用しなかったか。さすが秘密調査官ねと感心していた。

モミジは、「女神ちゃん、しばらく地球に住んでいたからよく知っているでしょう?地球人でも、お酒に強い人や弱い人、太っている人や痩せている人など、色々な体質があるでしょう?血液型も何種類かあり珍しい血液型もあります。テレジア星人も同じで、色んな血液型や体質があり、それで温度や電気や磁気を自由に扱えたり、博士のように何も扱えなかったりするのだけれども、電気を自由に扱える血液型で、ある特定の体質を持っているテレジア星人だけが死人を生き返らせる能力を持っていて、しかも呪縛にはなりにくいのよ。電気と磁気は関連がある為に、私も死人を生き返らせる能力を持っていますが、女神ちゃんほど力は強くなく、呪縛にもなりにくい事はない為に、今回は呪縛になってしまいました。」とテレジア星人の血液型や体質に詳しくないアヤメに説明していた。

アヤメは驚いて、「秘密にしていたのに何故知っているのだ?不良だから誰も気付かないと思っていたのに。」と何故モミジが気付いたのか解らずに確認した。

モミジは、「その事を隠すために不良になったの?優しい女神ちゃんが不良になったので不思議だったのよ。納得したわ。女神ちゃん、忘れたの?まだ女神ちゃんが小さい頃だったので覚えてないのも無理ないけれども、私は一度死んで女神ちゃんに助けられているのよ。それを見ていた人がいたけれども、人を呼びに行っている間にいなくなったらしいのよ。その当時、ヴィーナス小母様がスケバングループのリーダーでしたので、その娘が優しい心を持っているとは誰も思わなかった為に、それが女神ちゃんだとは気付かずに行方不明だという事になってしまったのよね。それからよ。私が死人を生き返らせる事ができるようになったのは。それで解ったのだけれども、その力は逆流可能で強力な武器になるでしょう?女神ちゃんの力でしたら、恐らく、宇宙戦艦の主砲と同等程度の破壊力があるのではないのかしら?でもその力は女神ちゃんの感情が高まった時に威力を発揮するでしょう?女神ちゃんはそれを恐れて感情が高まらないようにいつもふざけていたり、腹が立つ事があっても決して我慢せずに、すぐに暴力などを奮って鬱憤ばらしをしたりしているのよね。ヴィーナス小母様の場合は呑気に宇宙旅行して落ち着いているのよね。それと呪縛になると、命の恩人の指示に逆らえないけれども、女神ちゃん、猪熊巡査の指示に従っていなかった事があったでしょう?気付いていた?」と返答した。

アヤメは、「嘘よ。いつそんな事があった?」と思い出していた。

    **********

モミジは、「第一に、山奥でやくざが武器を製造しているとして、鶴岡刑事と調べに行ったでしょう?その時、やくざが人質を使った為に、猪熊巡査は猛獣に変身して救い出すように指示したでしょう?だったら、救い出したあとに何故猪熊巡査に報告に行かなかったの?人質に警官隊のいる場所を教えて一人で行かせて、女神ちゃんは更に奥に進んで行ったでしょう?そんな指示もされていないのにね。久しぶりに暴れられると期待したでしょう。」と指摘した。

アヤメは、「人質にされていた警察官に確認すると、奥にも人質がいると聞いたので奥にすすんだのよ。人質救出は猪熊巡査の指示よ。」と反論した。

モミジは、「呪縛時は命の恩人から離れられません。救出した人質と猪熊巡査の所へ戻り、猪熊巡査と一緒に行くでしょう。」と指摘した。

アヤメは、「いや、それは・・・」と反論できませんでした。

モミジは、「第二に、女神ちゃんが博士と争った時にアネゴが隠れて見ていたから、最終的にアネゴが対応すると判断して、馬鹿を演じて博士の頭脳戦にわざと填ったでしょう。女神ちゃんは頭が良いから見破っていたでしょう?呪縛なら罠には填らなかったわよ。」と指摘した。

アヤメは、「いや、アネゴが隠れていたとは気付かなかった。」と反論した。

モミジは、「実戦経験豊富な女神ちゃんが、隠れていたアネゴを見落とすとは考えにくいけれどもまあ良いわ。そういう事にしておきましょう。第三に、宇宙特急電車の説明員を女神ちゃんがして、子供がタイタンの景色が映画にそっくりだと気付いた時、猪熊巡査は調べる事を指示していなかったわよね。という事は、そのままお客様の相手をしろという事でしょう?呪縛だったら調べに行くかどうか猪熊巡査に聞くでしょう?だのに、“調べて来ます。”と言い残して、勝手に宇宙特急電車の外に出て調べに行ったでしょう?その証拠に、女神ちゃんが調査から戻ると猪熊巡査は、“お客様が待っています。”と慌てていたでしょう。私が気付いたのはこれだけだけれども、他にもあるでしょう?もう一人でかかえずに私を頼って。」と返答した。

    **********

アヤメは、「母ちゃんも私と同じ血液型と体質をしていて電気を自由に扱えるけれども死人を生き返らせたとは聞いた事ないぞ。」と確認した。

モミジは、「ヴィーナス小母様は、地球でその力を発揮した為に誰も知らないのよ。ヴィーナス小母様が女神様として崇められたのは、天の声だとか桁外れの凄い力だとか色々言っているけれども、それは後で取って付けた説明で、本当は死人を生き返らせたからなのよ。ヴィーナス小母様が可愛がっていた子が戦争の巻添えで死んだ時、ヴィーナス小母様の感情が高まり、その子を生き返らせて、その子を殺した軍団を一瞬の間に電撃で一網打尽にしたのよ。当時天下無敵と呼ばれていた軍団だったので、地球人は皆、“天罰だ!”と驚いて、女神様として崇めたのよ。その時、ヴィーナス小母様の体が薄オレンジ色に輝いて、死人にもその色が移って、死後硬直が溶けるように生き返ったのよ。地球の童話で女神様が輝いているのは、その時の様子をイメージしたものなのよ。死人に電気を通電する要領で、命の灯を流すのよ。もう少し解りやすく説明すると、人は酸素を吸って二酸化炭素を吐き出すでしょう?これは体の中で燃焼しているという事なのよ。細胞の中にロウソクがあって燃えていると考えれば解るかしら?それが命の灯なのよ。その様子を兵士から聞いた各国の支配者は、女神様を味方にしようとして女神様獲得競争が始まり、ヴィーナス小母様は敵の悪口ばかりを告げ口する地球人に失望して、月に着陸させていたアイアック号から小型UFOを呼び寄せて、生き返らせた子供は孤児だったので、その子を連れて地球を去ったのよ。アイアック号にお墓があるの気付いていた?その子供がやがて成人して、その後老衰でなくなり、そのお墓で眠っているわ。やがて、この事が日本にも伝わって竹取物語のヒントになったのよ。」と説明した。

    **********

アヤメは、「皆、私の事を不良だと言っているのに何故そう思うようになったのだ?」とその切っ掛けを確認した。

モミジは、「女神ちゃんが不良グループと争うのは、不良グループに襲われている人を助ける為よね?私は女神ちゃんに命を救って貰ったから、その恩返しがしたくていつも近くで見守っています。女神ちゃんのスケバングループに入ったのもその為なのよ。それでその事に気付いたのよ。でも見る人はちゃんと見ているわよ。だって女神ちゃんのスケバングループは警察に目を付けられる事もなく勢力も衰えずに大きくなって来たのよね。それと呪縛の原因になった事故の事だけれども、女神ちゃんが新型のUFOを横取りしたのは、博士に不穏な動きがあった事に気付いて、博士に新型のUFOを渡す事を防ごうとしたのでしょう?博士が呪縛から開放されてテレジア星に帰ったあとに、博士の使っていたUFOのデーターをハリアット号からスキャンすると、確かに博士は事故の起こる前から巨大隕石を発見していて、進路などを確認して、故意に皆をその進路上に誘導していたわ。博士は自分が呪縛にならないように衝突寸前に離れたけれども、博士にも誤算があり、まさか実戦経験豊富な女神ちゃんが意思波を取り乱すとは夢にも思っていなかったようですね。それで博士が予想した以上の大きな事故になり、博士や近くにいた私まで呪縛になってしまいました。その後タイムマシンで調べると、博士は出発前から隕石の事は把握していて、探査能力に優れている新型のUFOを配備している女神ちゃんの戦闘艦を使って隕石の軌道上へ三人で遊びにいくように仕向けていました。」と返答した。

    **********

アヤメは、「さすが秘密調査官ね。何故博士があの場所に拘っていたのか解らず様子が可笑しいと気付いたけれども、そういう事だったのね。でも博士のUFOをスキャンして私のUFOをスキャンしなかったのは失敗だったのではないの?私も巨大隕石には気付いていたわ。アネゴを巨大隕石の軌道から外して博士の様子を見ていると、衝突寸前に離れた為に、“矢張りそうか。”と思い、意思波を取り乱した振りをして博士を巻き込んだのよ。アネゴとモミジには迷惑を掛けたわ。私が呪縛にならなかったもう一つの理由は、加速Gの吸収力を最大にして身構えたからよ。新型のUFOは加速Gの吸収力も強力だからね。アネゴと博士が呪縛になった事を確認して、休みで一人離れた警察官を捜して、呪縛になったふりをしたのよ。」と説明した。

モミジは、「実戦経験豊富な女神ちゃんが隕石を見落とすとは考えられませんでしたが、矢張り気付いていたのね。新型のUFOはスキャン防止回路も強力になっていて上手くスキャンできなかったのよ。」と納得していた。

アヤメが、「何故博士に不穏な動きがあったのか知らないか?私には解らなかったわ。」とその理由にモミジが気付いてないか確認した。

モミジは、「女神ちゃんのスケバングループの影の大ボスは恐らく博士よ。博士は争い事が苦手なので、不良グループが恐かったようですね。だから、自分である程度スケバングループを動かせるようにしたかったようですね。それが、博士が影の大ボスになった最大の理由なのよ。しかし、女神ちゃんは人助けが目的だから、不良グループを追い払う程度にして徹底的に叩き潰す事はしなかったでしょう?博士は、地球人が暗黒星雲と呼んでいる光を発していない星雲にある巨大な不良グループと争った時もそうしたので、その復讐が恐かったようですね。でも博士が何度攻撃の指示を出しても攻撃は表のボスである女神ちゃんのテリトリーだったからスケバングループは動かなかったらしいのよ。それで女神ちゃんが邪魔になり、しばらく呪縛で釘付けにしてその間に、“表のボスが不在の間、私が表のボスも兼任する。”とか何とか言って、スケバングループを自由に動かし、“暗黒星雲の不良グループが先日の仕返しで我々を攻撃しようと準備を進めている。攻撃は最大の防御なり。”とでも言って、攻撃の指示を出そうとしたようですね。しかし博士も呪縛になってしまい、この計画は失敗したようですね。」とフジコには油断できない様子でした。

    **********

アヤメは、「博士は私より何年も早く呪縛から解放された為に、その間にできたのではないか?何故しなかったのだ?」と不思議そうでした。

モミジは、「呪縛になってない女神ちゃんには解らないかもしれませんが、呪縛から解放後しばらく体調不良になります。博士はしばらく寝込んでいたようですよ。体調が元に戻っても、いつ女神ちゃんが呪縛から解放されて戻ってくるか解らなかった為に今回は諦めたようですね。」と今回は諦めても次回がある可能性を仄めかした。

アヤメは、「博士が呪縛から解放後、地球の警察で取り調べを受けた時は普通だったわよ。」とモミジの説明を疑っている様子でした。

モミジは、「確かに体調は悪くなりますが、しばらく普通に動けるのよ。しかし日が経つにつれて段々と悪くなっていくのよ。その時は少し体調が悪くても平気な振りをしていただけよ。地球人の女性も生理の日は下腹部が重苦しくなりますが、男性に悟られないように平気な振りをしているでしょう?呪縛解放後は、呪縛の化学物質と血液が争った死骸が体のいたるところで詰まる事が原因なのよ。最初はまだ詰まってないから普通に動けるのよ。動ける間に動いて、そうならないようにしていると、死骸は段々と破壊されて小さく分解されます。だから、ヴィーナス小母様は博士にトイレ掃除させたのよ。恐らく博士もその事は知っていた為に、ヴィーナス小母様の好意に気付いて反論せずにトイレ掃除をしたのだと思います。だから段々と体調不良になっていくのよ。」と返答した。

    **********

アヤメは、「そうか、そういう事だったのか。博士を何とか助けてあげたいわね。今回の作戦は失敗したという事は、次もあるかも知れないわね。博士の戦略に填ったと見せかけて、しばらく様子を見るわ。」と提案した。

モミジは、「ヴィーナス小母様と女神ちゃんに死人を生き返らせる能力があるという事は、その力は遺伝すると考えられるのよ。女神ちゃんにもしもの事があれば、その能力を持ったテレジア星人は今後生まれなくなるのよ。女神ちゃんは貴重な存在なのだから決して無茶しないで!」とアヤメの事を心配しながら忠告していた。

アヤメは、「しかし、博士を何とか助けてあげたいのよ。」と主張した。

モミジは、「命懸けで他人を助けようとする優しさは、死人を生き返らせる事ができるテレジア星人の特徴ね。だから、その能力を持っているテレジア星人は亡くなったり、重症を負い寝たきりになったりする可能性が高く、健康なのは私の知る限りでは女神ちゃんとヴィーナス小母様だけなのよ。二人ともスケバングループのリーダーで運動神経が発達している上にスケバングループの部下の援助もあり生き残ったのよ。危険が予想される場合は必ず私に相談して。私はいつも女神ちゃんを見守っているけれども、その時は特に注意するから。」と頼んで、“他人を心配するあまり、私を危険な目に遭わせないように連絡してこないかもしれないわね。”と常時、アヤメの事を気に掛ける事にした。

    **********

その後アヤメはモミジのハリアット号で送って貰いテレジア星に帰った。

アヤメが帰った事を母から聞いて知った菊太郎はいつまでも泣いていた。

テレジア星に帰ったアヤメはモミジから、影の大ボスはフジコの可能性が高いと聞いた為にフジコに、「菊太郎ちゃんと遊んでいたのは呪縛の為なのに、呪縛から開放されても、何故こんなに淋しいのだ?」とカマを掛けた。

フジコは、「それは、呪縛に関係なく女神ちゃんも菊太郎ちゃんと遊んだ事が楽しかったからよ。」と返答した。

しばらくするとアヤメに影の大ボスから呼び出しがあり、「表のボスのアヤメがそんなに淋しがっていては戦力に影響が出る。余熱が冷めれば一度こっそりと地球へ行くが良い。周囲には宇宙旅行だと説明して気の済むまで地球に滞在し、昔のアヤメに戻ればテレジア星に戻って来い。」と唆した。

アヤメは、“私が淋しがっている事を博士に伝えると、影の大ボスに筒抜けになるわね。モミジのいうように、影の大ボスは博士かもね。こっそりと地球へ行けという事は、私を地球に釘付けにする為に、地球で何かしようとしているのかしら?博士の事だから地球へ行けるように考えて既に地球で準備しているかもしれないわね。地球人に迷惑が掛からないように、ここは騙されて地球へ行くしかないか。”と地球へ行こうと考えていた。


最後までお付き合いありがとうございました。このあとテレジア星人第二部の投稿を開始します。第二部も第一部同様によろしくお願いします。

第二部の初回投稿予定日は7月31日です。

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