#1,5_荒廃した世界の少女
説明回です。読んでも読まなくてもいいですが、読んどかないとわからない部分も出てくると思います。
“2039年8月30日午後1時頃に出現したヨーロッパ大魔力奔流により、旧トルコ以西のユーラシア大陸のありとあらゆる生物が魔力子置換質量屍体、ベヒモスと化した。
当然、ヨーロッパ諸国の文明は崩壊し、それは世界経済にも多大な影響与えた。ユーロなどの通貨の価値が、下がるどころか無くなってしまったのだから当たり前といえよう。この経済混乱は、世界的に貧困層を激増させ、また、ストレスによる人間のベヒモス化が多発したことも重なり、当時81億人だった世界人口を約半数の42億人にまで減らした。10数年に渡るこの混乱は、後に谷底の時代と呼ばれた。
しかし、大魔力奔流が生み出したのは、谷底の時代などの悲劇だけではない。
大魔力奔流はその名の通り、世界中に大量の魔力と魔力子を撒き散らした。それにより人類は、『魔法』という新しい技術を得たのである。正確には、空気中の魔力子濃度が高まったことにより、『魔力』とその源の半次元体、『魔力子』を、個人差はあるものの人類が認識できるようになったのである。つまり、実はもともとこの世界には魔力や魔力子というものが存在していたのである。しかし、ほとんどの人類は認識できず、ごく一部の人間や動物が使っていた。当時、それらの原始的な魔法は、非科学的現象、超常現象として超能力などと呼ばれていたが、大魔力奔流出現事件以来、シュコートヴィッチ・レインシュタイン博士らによる数十年に渡る研究の末、それを新たに科学的分野、『魔法学』としたのである。
そして、魔法が広く世界に知られるようになった代表的な事例が、あの有名な20年戦争におけるクルベルト一族の存在である。
クルベルト一族とは、我が国シュタロット王国の王家の血筋がその一つであり、大魔力奔流出現時に生き残ったたった一つの一族である。その魔力は常人とは一線を画し、個人個人が絶大な強さを誇ると言われている。彼らが当時なぜ生き残れたのかということに対しては、現在では、もともと体内の魔力子が高濃度かつ高純度だった為という説がもっとも有力であるが、未だにハッキリとは分かっていない。
2112年の冬から2133年の春まで、ロシアを筆頭にした中国などのアジア連合軍がアメリカ国連軍と共に旧トルコ以西、現在の荒廃地区を奪還するための作戦を展開した。これを第一次荒廃地区奪還作戦、通称20年戦争という。そして、これにおいてロシア軍に付随する形で作戦に参加したのが、クルベルトの一族のみで構成された傭兵団である。
当時イラン国籍だった双子の兄妹、アルハラ・クルベルトとティラヤトゥーユ・クルベルトが主だって、大魔力奔流出現事件以来世界各地に散らばったクルベルトの一族を集めたのがこの傭兵団で、総人数は30名にも満たなかったと言われている。が、それぞれが圧倒的な魔力子保有量と魔法力を持っており、当時ベヒモスに対しては、たったそれだけの人数でもアメリカ軍の一個大隊並か、それ以上の戦力を誇ったとされる。
このシュタロット王国は、旧ハンガリーとその周辺の地形が300m隆起した台地にまるまる乗っかるように位置している。それはヘレン台地といい、傭兵団最強の魔法使いヘレンが戦争に終止符を打つために使用した自らの命を削る超災害級魔法の副産物で、ヘレンのそれはそこら一帯のベヒモスを隆起した地域にかかる強力なGと衝撃波で一掃すると共に、荒廃したヨーロッパで唯一、ベヒモスのいない平和な大地をつくりあげたのである。"
「ミカー!!お友達来たわよ。また本読んでるの?」
西暦2535年1月3日月曜日、ここは、シュタロット王国南西部メフォラシュ領のさらに南西に位置する小さな農村メリュシ。
「うん!!魔法と、ある一族の歴史についての本だよ。」
そのメリュシのある小さな一軒家で、母と娘は会話をする。
「ねぇお母さん、この国のお城に住んでる人って、凄く強いの?」
「そうよ。そんなことよりほら、今日はあなたの5歳の誕生日パーティーなんだから。」
「ぶー…」
ミカは渋々《しぶしぶ》本を片付け、自分の誕生日パーティーの会場であるリビングへと向かった。
お久しぶりです。最近、部活やらなんやらで忙しくてあまり更新できませんでした…。
今回、文字数は少ないですが、情報量がえげつないですね…すみません…。
ところで皆さんグラブルはやってますか!?グラブルはいいですよ!!キャラは可愛いしかっこいいし!!皆さんやりましょうよ!!ちなみに僕は課金勢です!!
…すいません。いや、でもほんとに面白いですよ。俺はジータちゃんとシャルロッテさんが一番好きですね。
そろそろ締めますかね。それでは皆さんさようならー。キセツカゼでした。