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夢の門
夢から覚めたとき。
瞼を。
もう一度、閉じて。
鮮明に見えているあいだ。
じっと、眺めるのは。
おんなじ夢は、
もう二度と。
見られないからだよ。
瞼を、閉じる前に。
門を、閉ざすのは、
なぜか。
去ってしまった夢のかわりも、
探さないまま。
狭く、狭く。
閉じていくのは、
どうしてか。
忘れているのか、その門は。
境目は無く、混じり合っている。
眺めてきた空に、重なって、
変化していく、色合いや。
広がっていく、地面を。
鋭く、薄い壁を落として、
次々に。
遮ろうとするのは、
どうしてか。
門を、閉ざす前に。
瞼を、閉じないのは、
なぜか。
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