かくれんぼと少女
ある日の夏、とある少女が友達と「かくれんぼ」をした。
「私が鬼ねー!皆隠れてー!」
「いーち…にーい…」
ただその時、少女は思った事がある。
数えるたび、背後にある気配が増えていっているように思える。
「ごーお…ろーく…なーな…」
数え切った時、少女は「どうなるんだろう。」と思った。
「きゅーう…じゅーう!」
「もういいかーい?」
『もういいよ』
その声は、少女の友達の声ではない。枯れた声。それもすぐ近くで。
「きゃあっ!!」
少女は驚いて、尻餅をついてしまった。
そして、少女は気づく。
元々いた場所じゃないところにいるのだ。
ただただ、暗い。少女の周りだけほんのり明るいぐらいだ。
「え?どこなのここ…」
『きづいた?』
[きづいた!]
「え!?」
[ニンゲン!驚いた!驚いた!]
『キャッキャッ!』
謎の声に、少女は驚いてしまう。
『ニンゲン!こっちコッチ!キャハハッ!!』
「え…」
少女は、その声に導かれるまま、進んでいく。
道には、死体や、骸骨が転がっていた。
「ひっ!」
[ニンゲン!びびってる!びびってる!]
『ニンゲン!臆病!キャハハッ!!』
「臆病じゃなーい!」
それでも、少女は進んでいく。
『ついた!ニンゲン!キャハハッ!!』
「え?ついたの?」
[ニンゲン!疑うな!疑うな!]
「ごめん…」
でも、少女の視界に入っているのは、変わらない闇なのだから疑ってしまうのも分かる。
「ねぇ、誰かいるの?…いないの…?」
「誰か答えてよ…!」
[『い"るよ』]
気がつけば、少女は公園の真ん中で倒れていた。
何も覚えてないようだったが、少女は変わったのだった。
まるで人が変わってしまったかのように。
今まで少しだけ暗かった性格がとても元気になった。
笑顔が少なかったのに、多くなった。
悪い方を言えば、
笑顔を笑顔と言えないほど恐ろしく、禍々しくなった。
声が今まで透き通るようなものだったのに、枯れているような声になった。
「[『もウいいカーイ?』]」
その重なった三つの声と、歪んだ笑顔は、暗闇にいたあの二人に、とても似ていた。
初めて短編小説書きました。
なんとなくで書いたのでおかしいところはあると思いますが、許してください…