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あめの日と指輪

作者: 中村尚裕

「今日も雨だわ」彼女に浮かれ声。「いよいよシーズンね」

「そんなに楽しみ?」彼の口調は沈みがち。「こいつは妬けるな」

「あら」彼女が口を尖らせる。「嫌いになったの?」

「まさか」彼が肩をすくめて一言、「ただ、裏の意味を考えるとね」

「裏って?」首を傾げて彼女。

「紫陽花だよ」彼が思い切る。「部屋で育ててるだろ。花言葉は『移り気』じゃないか」

 目を見張り、彼女が次いで微笑む。「心配してるの?」

「もちろん」彼が懐から小箱。「だから、受け取ってくれないか?」

「私の紫陽花はね」彼女が差し出して左手。「白なの。花言葉は、もう分かるでしょ?」

「なるほど、『寛容』か」彼が開いた小箱にプラチナの指輪。「じゃ、これは薬指に填めてくれるね?」

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― 新着の感想 ―
[良い点] 拝読しました。 短いながらにドラマがぎゅっと詰め込まれていますね。 ハードなアクションも書かれるのに、こうした恋愛ものや繊細な詩まで幅広く書かれていらっしゃる文才に、惚れ惚れしてしまいま…
[良い点] 雨の多い今の時期にもってこいな作品ですね。 二人の心が通じ合っているようなやり取りに、ほっこりしました。
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