5月16日
とあるイベントでプラモデルを購入した
しばらくは棚の奥底にしまわれていたのだが、引越を期にタンスの上に置いておいた所
娘が目ざとくそれを見つけて「早く組み立てよう」と急かしてくる
ゴールデンウィーク以前から毎日そのことを言われ続けてきた ここ三週間ずっとだ
のらりくらりと交わしてきたが ついに限界が来た
一生このプラモデルのことを毎日娘から言われなければならないのかと思うと
心がポッキリと折れた
私は、何も面倒でプラモデルの組み立てを先送りしているわけではない
むしろとても大事にしているからこそ お楽しみにとってあるのだ
プラモデルは組み立てる工程が楽しい 私はそれを最大限楽しみたい
だから集中できるときにやりたい 今は自粛の影響もあって精神的にとても疲れているのだ
外出できないと道具だってそろえられない
そもそも数ミリ単位の細かい部品は、一年生の娘にはまだ早い
気持ちは嬉しいが うまく組み立てられないのは目に見えている
そんなことをこんこんと説明したのだが聞き入れられなかった
「断固拒否」それも可能だが「諦める」も親として一つの選択肢だと思った
そこで最悪、もう一度買い直す覚悟で「父親と一緒なら組み立てていい」と許可を出した
楽しそうに箱を開け始める娘と夫を見て とてももやもやとした思いを抱えていた
私があえて「今はやらない」と決めていることを尊重してくれないのはなぜなのかと
もちろん口には出さなかったけど その理不尽をかみしめてひたすらカレー作りに邁進していた
そのとき事件は起きた
最初のパーツを瞬間接着剤でつけようとしたところ 大量にあふれた接着剤が夫の指にくっついて
剥がれなくなってしまったのだ
「助けて」と呼ばれたときにはひどい有様だった
床にも接着剤がこぼれていた
テーブルではなく床で広げてやりはじめたとき だいたいの予想はついていたがとても悲しかった
プラモデル作りは中止された 娘も夫も何も言わなくなった
私は思う、物事にはそれをやるに適したタイミングがあると
親の言うことがいつも正しいというわけじゃない、ただ今回は、私が正しかった
結果だけ捉えるとそうなる
そういう日もある