表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/21

5月12日


アサガオを植えた。ずいぶんたっぷり肥料を与えるのだなと驚く。

何もしていない土からは、花は咲かないものなのだろうか。園芸から縁遠い自分はそれすらわからない。


カラスが多い地域なので、植えたばかりの種を掘り返されたりしないかと気を揉んでいる。

針金と糸で即席のトラップを作りアサガオの成長の邪魔にならぬよう、さりげなく仕掛けておいた。


私が小学生の頃に育てたのは大豆だったが、カラスに食われて芽が出なかった記憶がある。

歳をとった今でも、何かを植えるという行為がカラスの記憶と結びつくのだから、正しい教育の形だったのだろう。


何かを体験させることが教育の一環だとするなら、脅威を先回りして防いでしまう私の行動は間違っているのかもしれない。

だけど娘の悲しむ顔を見たくない、と思った。


進学したばかりの娘が国語のノートに書く字は、まだこなれていない。

「どせいさん」のフォントのような字を書いている。


それでも線むすびや、とめはらいの練習、色塗りなどをやっていくうちに、「こ」「い」「ん」などの字は明らかに形が整ってきている。


反復練習とはこれほどまでにわかりやすく結果が出るものなのだと驚く。

「なぜひらがなをこんなに何度も書かされるのだろう」一年生の頃、そう苦悩した自分が脳裏に蘇る。


つまらない単純作業の中にも意味があるのだということを、娘にも教えてあげなければ。

私がそれを真の意味で理解したのは確か27歳ぐらいのことだったからね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ