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5月11日
緊急事態宣言が発令され、約一カ月が経った。
一年生になったばかりの娘の新品のランドセルは、自粛の影響で今も使われないまま押し入れに置きっぱなしになっている。
今日はゴールデンウィーク明け、初めての登校日である。
小学校からはアサガオの鉢と種と土が支給された。明日から種をまき、観察日記をつけるのだという。
夏に咲く花の種まき――もうそんな季節か。
カブトムシの幼虫が夜な夜なごりごりと音を立てて虫かごをひっかく頻度も心なしか減ってきた気がする。来たる夏に向けて準備を始めているのだろうか。
将来の展望が見えず、ふさぎがちなとき。
何かささやかでも目標を持って生きることが活力になるという。
こんな時期に、私はなにができるだろうとふと考えた。
娘がアサガオの観察日記をつけるのであれば、それに伴走する趣向はどうか。
娘と私の生活の様子をありのままで日記に残す。
そうすれば引きずられるように他の原稿も進むんじゃないかと。
初日に張り切りすぎるのも良くないので、まずはこのあたりで筆を置くことにする。