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第三話 姉(音色)登場

朝 AM7:00 聖麗学園寮 306号室

ジジジジジ…………

静かなりずむの部屋に目覚まし時計の音が響く。

「ああ、朝か、今日は買い物行くんだったな。ってわ!!」

りずむの目の前に澪がっ立っている。

「ちっ、起きちまったか。どう起こそうか考えていたのに。」

澪があきれた様に言った。

澪の足元に洗濯ばさみやらセロハンテープ、からしにわさびとさまざまな物が転がっている。

「普通に起こせ、からしまで持ち出しやがって、何しに来たんだよ。」

寝起きでもつっこむりずむ

「なんだよ、翼に頼まれて起こしに来たのに。朝飯出来たってさ」

「わかったよ。」

納得して反抗をやめるりずむ。

二人で部屋をでた。


「やっと起きた?りずむちゃん朝弱いんだね。」

朝飯を並べながら翼が言った。

「え、ああ、何でちゃん?」不思議に思って言葉を返すりずむ。

「だってこれから女の子としていくんでしょ、だったらこっちの方がいいかなって。ねぇ、澪ちゃん。」

「と、いう事だ。頑張れりずむちゃん?」

翼と澪の言葉に反抗するようにりずむが話し始める。

「りずむちゃんって、お前はいいのか澪?って聞けよ」

ずずーっと味噌汁を飲んでいる澪、翼も椅子に座ってご飯を食べている。

「それの方がいいと思うぞ、オレもお前もばれたら面倒だからな。」

「そんな理由かよ、まあ一理あるか」

「それに面白いしな、りずむちゃんっ。」

澪の言葉にあきれるりずむ

「結局それかよ。」

いつものやり取りが終わると翼が、

「りずむちゃん、澪ちゃん早く食べて支度しようよ。」

「「ああ、わかった。」」

朝ご飯を食べ終わり、後片付けを済ました翼が

「ボクちょっと学校に用があるから言ってくるね。」

と言って、リビングから出て行くが、

ドンッ、「きゃっ、」

翼の声が聞こえたのでりずむと澪が玄関に向かう。

「「どうしたっ?」」

「ごめんごめん、玄関のマットで滑っちゃった。」

床にしりもちをついている翼。

「ごめんね騒がして、行ってきます。」

翼がドアを開けて出て行く。



「さてどうするか、」

「翼が帰ってくるまで待ってるかな」

ピンポーン

りずむと澪が話をしているとインターホンが鳴った。

「やっほー、りずむ。美人なおねーさんが来たよ」

(こ、この声は、)

「ってかもう入ってるからね。」

りずむの姉、音色(ねいろ)がそこに立っていた。

「ね、ねーちゃん。何で来てんの?そして何で部屋知ってるの?」

あわてて聞くりずむに音色がサラッと言う

「何でって、あんたに呼ばれてきたのに何言ってんの?」

「は、俺呼んでなんかねーよ。」

「ああ、オレが呼んだ。りずむに服持ってきてって頼んどいたんだけど」

(おまえか原因は、)

「あんたが女装に目覚めたって澪が言うから服持ってきてあげたのに。」

「目覚めてないよ、何でそうなるんだよ。澪お前何言ってんだよ。」

あわてて突っ込むりずむをなだめるように音色が

「冗談よ、いろいろ聞いたのよ澪に、女装して通うんでしょ 頑張んなさいよ。」

振り回されていることに気づいたりずむはだんだん落ち着いてきて

「ああ、そうだよ。」

「とりあえず服ここに置いとくからね。買い物行くんでしょ、私部屋の整理しなくちゃ。」

「あ、それとここってりずむと澪の部屋?」

音色の問いに答える澪。

「オレは205号室でここはりずむともう一人の部屋。」

「へぇ、そうなのでも同室の子って女の子じゃないわよね?」

「ああ、男だよ。」

「あらそう、じゃあちょくちょくいじりに来るから、明日ね。」

「いじるなよ、そこは遊びにとかだろ。」

嵐のように去っていった音色。





音色がいなくなってからしばらくして、

「ただいま、ごめんなさい遅れちゃった。」

翼が帰ってきた。

「よし、買い物行くか、」

りずむが鞄をもって出かけようとするが翼が止める

「その格好で女物の服買いに行くの?」

「あ、」

ニヤニヤと笑う澪。そして翼に言った。

「ほっとけば面白かったのに」

どんなときでもりずむで遊ぶのは忘れないようだ。

そしてりずむはそれをスルーして言った。

「やばい、そうだった。着替えるべきかな」

あわてて自分が今から女物も服を買いに行くのを思い出した。

それから澪と翼が話し始めた。

「まあ、音色姉ちゃんが服持ってきてくれたしな。俺の分もあるって言ってたけど」

「え、澪ちゃんのお姉ちゃん?」

「ああ、オレのじゃなくってりずむのだよ」

「へー、りずむちゃんお姉ちゃんいたんだ。」

「そういう翼は?」

「ボクは兄一人と妹一人だよ。澪ちゃんはいないの?」

「あれは一人っ子だ。まありずむとは幼馴染だから音色姉ちゃんは姉みたいな感じだな」

二人が話をしているとりずむが

「さっさと着替えるぞ、澪、適当に服選べよ。翼も着れるのあったら使ってくれよ」

「いや、ボクはいいよ」

「何で?」

「ボクのサイズ多分ないと思うし」

悲しいやり取りだ。

…………

「大丈夫、大丈夫、ボク自分の服あるから。」

「え、でも男物の服だろ。いいのか?」

「昨日ここに来る前に校長先生から電話があって女装の事聞いてたから服少し持ってきたんだよ。」

「ああ、そうか。じゃあさっさと着替えるぞ。」

気が進まないままみんなが部屋に入って着替え始める。



十分後

澪の爆笑が響く

「あはははははは」

「ふざけんな、こっちだってこんなの着たくないんだよ。」

「だって、面白いほど似合ってるぞ、お前。」

りずむは大人っぽいブラウスにロングスカート、ミニをはく気はないのだろう

「つーかずるいぞ澪、何でお前スカートじゃないんだよ」

澪は普通っぽいTシャツにジーパン。

「履きたくないしジーパンでいいかと思ったからな。」

二人で言い合いしていると翼が出てきた。

「ごめんね、遅くて」

出てきた翼の服は小学生が着るようなキャラ物の服だ。

何気に髪も結んでいる。

「うわ、これほんとに男かよ。似合いすぎだろ。」

りずむの一言にうつむく翼。

笑いながら澪が

「いやお前ら似合いすぎ、おもしれー。」

笑う澪に握りこぶしを作って震えるりずむだがふと思った疑問をぶつける。

「二人とも下着どうしてる?」

澪は

「オレは男物だけど。」

翼は

「ちゃんと女の子のだよ。スカートだから。」

(すごいな、翼。)

「じゃあ着替えたし出かけようよ。」

翼が玄関で子供のようにはしゃいでいる。

「よし、いくか」

澪が翼に続くがりずむは

「ちょっと待ってくれ、」

「どうした?」

澪が聞く

「女装でナチュラルに外に出られるか」

「ああ、大丈夫だろお前なら。つーか、早くしないとおいてくぞ。」

「わかったよ。今行くから。」

りずむは鞄をもって外に出る。

道で三人が走って行く。






「あ、鞄忘れちゃった。(翼)」




お久しぶりです、星風小羽です。掲載のペースが遅くてすみません。なかなか時間がとれなくて困ってますが諦めず頑張ります。これからもよろしくお願いします。

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