三章 あとがき
普段とは違うタイミングのあいさつになりますが、ここまでお付き合いいただきありがとうございます。
作者の宮田幸司です
先日お話していた三章あとがきの時間でございます。
章終わりに行うこちらも三度目ということで、『恒例化』といってもいいほど話を進められたことを感慨深く思います。
「何があっても昔から考えていたこの作品を書ききってみせる」などと言う意思の元で書き始めたこの『ウルアーデ見聞録』ですが、やはり見てくださる方がいらっしゃってこそのもの。
ここまでお付き合いしていただいている読者の皆様には頭が上がりません。
さて、今回あとがきで書く内容に関して最初にまとめてしまいますと、
・三章の総まとめ。話せる範囲のネタバレを少々
・次回から始まる四章について
・次回更新の時期やらなんやら
についてとなります
興味がないという方は飛ばしていただいて構いません。そうでない方は少々お時間をいただければ幸いです。
・三章の総まとめ。話せる範囲のネタバレを少々
ということで最初はこの話題に関して
こちらに関しては色々と語れることがあるのですが、そうしていたら分量がとんでもないことになるので、ここから書くこと以外で質問がお聞きください。できる限り答えていきたい所存です。
さて、三章に関してまず何を語るべきかと思ったのですが、全体を通してのテーマについて
これは二つほどありまして
一つがこの作品全体を通して最大のインフレ。上限値となる相手との戦いというものです。
二章まではミレニアムやアイビス・フォーカスなどが牽引しており、敵味方の強さのバランスは大きく傾いていなかった、ないし味方側の方が強かったのですが、これを大きく崩した場合、つまり滅茶苦茶格上との戦いというのが今回のテーマでした。
見ていただいた方なら既に承知であると思いますが、ガーディア殿がこれですね。
しかもその前のシュバ公の時点で味方側の最強戦力が敗北。
この図がデュークの道連れ特攻で崩れたかと思えば、敵味方の関係が大きく変わり、最後の最後にウェルダなんて化物が現れるというのが今回の話の肝です。
それだけでなく道中には無限に等しい神器を使えるデルエスク卿、シュバ公と同格のルインと敵側の強さを盛りに盛ったりもしました。
逆転のカタルシスなども意識しており、少しでも皆様が満足できるものを書けていたのなら幸いです。
もう一つのテーマというのが主人公格の多様化。二章まで続いていた蒼野が中心の物語の卒業。群像劇への移行です。
これはかなり顕著だったのではないかと思います。
蒼野個人から康太・善さん・ゼオスとギルド『ウォーグレン』全体に輪が広がり、シュバ公やエヴァなどの背景を扱い、最後の最後はガーディア殿に至る。その一方で二章まで中心だった蒼野は背景に溶け込む、というのがやりたかったのです。
四章以降についてもこの輪を続けて広げていくのが大きな目的で、色々なキャラクターにスポットライトを当てていければと思うので、楽しみにしていただければ幸いです。
テーマ云々に関してはこの辺りで、三章のネタバレについて少々。
なんとなくわかってもらえるかと思うのですが、今回の話ではガーディア側の手加減がかなりされていました。
RTAをやろうものなら、物語開始当初の三割の出力でも十分でして、何でしたらシュバルツも引き連れずに特攻仕掛けるだけで全てが終わっていました。
イグドラシルやエルドラなどはもちろんその点に関して気づいていましたが『あいつならもっと面倒なこと考えてるんやろなぁ』などという想像をしていました。
なお人の心はわからないが計画構築はしっかりできるガーディアは、イグドラシルを殺したらあとは自分が死ぬだけだと思っていた模様。
なのでデュークの黒い海への道ずれは不本意でしたが『そんな場所があるならそれでもいっか』くらいにノリノリでした。ではなぜ蘇ったかというと、ガーディアが意識を手放した瞬間に『ふざけんなクソ』と思ったウェルダが表面化し上に上がったからです。
ちなみにもしデュークの道連れがなかったのなら、イグドラシル死亡以降は蒼野を脅すことで『原点回帰』を使うように煽る予定で、蒼野がそれに乗って一度でも使えば、それに自ら当たりに行って即終了。蒼野を率いる善さんを新たな神の座とする新世界を作るのが彼の予定でした。
あと善さんを神の座にあげることに関してはシュバルツには語っていたため、善さんが死んだことを知った際は、冷徹な敵役を演じていたシュバルツも内心ではかなり焦っていました。『え、これどうすんの?』だったり『ふざけんなホウキ頭!』なんていう風に毒づいていたくらいです。
他にも色々と書きたいことはあるのですが、それは四章にも関わってくるので今はまだ秘密で。
・四章について
というわけで次の話題はこちら。これから行われる少年少女最後の物語に関してです。
三章の終わりを見てもらえばわかる通り、一話から始まった長い物語は三章でひと段落しているのです。最後の戦いで死者なしというのも、蒼野が当初告げていた『平和な終わり』に掛かりますしね。
では四章がどのような話になるかと言うと一言で言えば『トロフィーをもらう話』です。
三章までの時点でギルド『ウォーグレン』は様々な活躍を果たし、その上でしっかりとした区切りを付けました。
言ってしまえば『成果を上げた』『勝利した』状態なのです。
ならその成果にふさわしい賞品があってもいいじゃないか、というのが四章の話です。
先に言っておくとインフレはおきません。上限は三章で出きっており、これ以上にはなりません。
話自体の長さも三章以前に戻ります。
中くらいの長さの話を二つ、『前半』『後半』と分けて行う形になります。
三章が強敵を超えるための悪戦苦闘だとするなら、こっちはもっとスピーディーかつ爽やかに。そんなテンポでできればと思っています。
内容に関しては次回以降で。とはいえおそらく最初の数話はのんびりと周辺の話になります。
・次回以降の更新やらなんやら
最後の話題はこちら
ではそれっていつから始めるの、という話です。
これについては二章以前と同じく少々お時間をいただければと思っています
ただ今回の方は二章までと比べると少々長めで、次回の更新は二週間後の8月16日にさせていただければと思っています。
理由としましては第一に仕事やら体調。
この暑さも相まって体調を崩しやすくなっているので、しばらくの間体調を整えさせてもらえればと思っています
もう一つがこちらとは別に賞向けに作っている小説に関して
そちらの方の進みが思ったよりもうまくいっておらず、勝手な都合で申し訳ないのですが、少々時間をいただければと思った次第です。
ということで今回のあとがきは終了。
二章終了時と同じく、一時的に完結の方に置き、また時が来たら再スタートしたいと思います。
完結サイドの方に置く際のタイトルは『千話かけてハッピーエンドに辿り着く物語』なんかにしようと思っています。
それにしても三章のみで480話、二章までの合計とほぼ同じ量になるとは思いませんでした。
900話を迎えてあとはガーディアのみになったあたりで、作者としては「あと60話くらいかな?」なんて思ったのですが、記念すべき千話まで続くとは思ってもいませんでした。
自分なりに満足したものを書いたつもりですが(もちろん余裕があれば手直しはしたい)、同時にこれからどれだけ小説を書くことになろうとも、一つの章でこの長さのものを書くことは二度とないだろう、とも思いました。
最後に再度のご挨拶になりますが、本当にここまでお付き合いいただきありがとうございました。
また四章でお会いできることを心より願っております!!




