用語集(仮)
【ア行】
・亜神
人が生きたまま、神の地位に至った存在。
大きく二つのパターンがあり、
1.格の高い霊山などで修行を積み、『万能たる聖霊』に近づいた人間。仙人とも呼ばれる。
2.人々を導き、生身の人間でありながら信仰の対象となったモノ。聖者とも呼ばれる。
後者の代表例として聖者ナグルが挙げられ、東方に広く布教されているウメ教の教祖として知られている。
・亜人
人とは違うが、人に準じた姿を持った種族を指す単語。
代表的な種族に獣人、森妖精、山妖精などがあげられる。
一般認識として多く用いられる用語ではあるが、人族以外を指す蔑称としても使われることもある。
なので、シルバも他人が使うのを咎めはしないが自分では使わないようにしていたりする。
地の文ではあるけど、台詞としてはないのですよ。
【カ行】
・神
万能たる聖霊が生み出した、分身であり子でもある存在。
人々の祈りによって、その力は増減する。
ゴドー聖教は大陸最大の信者数を有しているため、主神であるゴドーの力は恐ろしく強い。
人々に限らず、知性を有する存在の祈りに応じて誕生するため、最近ではとある森の中で小さな猪神が生まれたりもした。
基本的には天界に居を構えているが、神に内の幾柱かは人に紛れて市井に紛れていたり、大陸を放浪していたりする。
・ゴドー
大陸西方に広がるゴドー聖教の主神。
地上に下りた神々による戦い、いわゆる神代戦争では、他の女神や龍神を味方につけ、最終的な勝利者となった。
結果、平和の神としても広く知られているが、元は豊穣神であり医神でもある。
一般には天界で暮らしているとされているが、実際は大陸のあちこちを放浪中。
目が隠れるほどの長髪に長身の青年。どこに行くにも軽装でサンダル履き。
絵画や彫刻にもなっているが、美化されすぎていて、まったく似ていないらしい。
名前の由来はそのままゴッド。
・ゴドー聖教
ルベラント聖王国に総本山を置く、大陸最大の宗教。
主神はゴドー、最高指導者は教皇。
大きな組織だけに派閥も多く存在し、人族至上主義、あるいは特定の他種族至上主義、多種族共存主義、過激派、穏健派、中立派など様々。
実情を知っている者は、総本山こそ魔物や魑魅魍魎の巣窟だ、と揶揄していたりもする。
辺境都市アーミゼストは様々な種族が混在しており、現在はストア・カプリス司教がこの管区を監督している。
シルバの姉の一人も、総本山に勤めている。
【サ行】
・祝福
神に祈りを捧げることで起こすことができる奇跡。
修行を積み、信仰が深いほど、高位の祝福を扱うことができる。
要するに声がデカいから神の耳にも届きやすい、と説明すると聖職者は何故か渋い顔をする。
回復系や防御系の祝福は大抵の神に共通しているが、神の権能に応じた独自の祝福も存在する。
ゴドーの場合は豊穣神としての力が強く、大地を豊かにしたり、食物に関係した祝福が存在する。
・『透心』
ゴドー聖教に伝わる祝福の一つで、いわゆる念話。
言葉を使わず意思を伝達するので、簡単な契約を結ぶだけで異なる言語圏の人間とはもちろん、動物相手にもコミュニケーションが可能となる。
元々は、多くの人に神の教えを伝えるために用いられる祝福と言われている。
朝の壇上に立つのも面倒くさがった神が、ベッドで寝たまま説法するために作ったという説もあるが、総本山の多くの聖職者が否定的な見解を示している。
便利な祝福なのだが、習得するまでの修行と瞑想の期間が長いため、コスト的に見合わないと人気が低い。
シルバが最も得意とする祝福。
・戦場司祭
魔王討伐軍『オルレンジ』の戦力として参加している司祭のこと。
類似に、戦場司教や戦場助祭がある。
別に従軍司祭等があり、これらは軍と行動は共にするが、戦闘自体には参加しない。こちらの主な役割は施療院での治療や、戦地の慰問であるが、戦場司祭が行なうこともある。
つまり従軍司祭の分類内に、戦場司祭が存在する、という位置づけ。
大きな違いは、実戦経験の有無と、出世と成長の早さ。
また、戦場司祭(他、助祭や司教)は、魔王討伐軍の証である橙色のローブを羽織ることを許可されている。
魔族との最前線で兵士達と戦闘を共にするため、どうしても死亡率が高い。
しかし神との交信、すなわち祝福の使用頻度は圧倒的に多く、その成長率も必然的に高まるのである。
ただ、前述の通り死亡率も高いこともあり、なり手はそれほど多くない。
シルバは戦場助祭の時に、他の従軍助祭達から危険地帯の戦地慰問を押しつけられ、最終的に各地の指揮官や兵士の支持と信頼を得て、戦場司祭に昇進した。
ちなみにこの時、従軍助祭の中で出世頭と呼ばれていた人物の名前を、カタルナ・トッティモという。
【ハ行】
・『万能たる聖霊』
この世界そのモノ。
全にして一の存在。
善悪の概念もなく、何の味方でもなく何の敵でもない。
あらゆるモノを超越しているので、意思があるのかないのすら誰も理解できない。できるとすれば、それはもう既に『万能たる聖霊』そのモノといえる。
神々を産みだした親ともいえるし、分身の大本ともいえる。
これに触れることができるならば、あらゆることが可能とされている。
本当にごく稀に、これにダイレクトに接触できる存在が出現するが、大体は「一度に七文字分」などといった制限が課せられている。
制限がない場合、力を受け止めきれず、肉体が爆散したり頭がクルクルパーになったりが関の山である。
【マ行】
・魔術
この世界に対して、正確な呪文と魔術名を投げかけ必要な魔力を支払うことで、様々な現象を発生させる術。
魔方陣の場合は正確な図形や儀式が必要となる。
『万能たる聖霊』がこの世界に設定した、法則の一種。
攻撃魔術、錬金術、精霊術、召喚魔術、死霊術、呪術、時空魔術、生活魔術などが存在する。
理論理屈を理解していれば、無詠唱でも発動することが可能。
テンプレートとなる呪文と魔術名を習得することで発動可能なこれを、古代の魔術師は新約魔術と呼称している。
一方、古代オルドグラム王朝を滅ぼしたと言われる『大洪水』以前に存在した魔術は、旧約魔術と呼ばれている。
しかし、旧約・新約ともに比較となるもう片方の魔術を知っていることが前提となっているため、この呼び方をする者はごく一部に限られている。
霊獣フィリオ、ストア先生辺りは使ってもおかしくないのだが、どっちもそういう方面は大雑把なのでやっぱり魔術で一括りにしそうではある。
【ラ行】
・龍
この世界で代表的な、最強生物。
とはいえ、ピンからキリまでいて、一番弱い龍なら複数の白銀級冒険者パーティーでも仕留められる。
一方で最強格の龍となると荒ぶる自然災害と同じ意味なので、普通の人間ではまず勝てない。
有名な龍としては、『火』の権能を有する火溜山のボルカノが挙げられる。
なお、龍はトカゲ型で西方に多く棲み、竜はヘビ型で東方に多く棲んでいる。
・霊獣
精霊が長い時を経て知性を持ち、やがて獣の姿を取ったもの。
東方の国サフィーンにあるモース霊山の守護者、剣牙虎の霊獣フィリオが有名。
元が自然の一種であったため、呪文等を用いずとも精霊術を扱うことができる。