表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

燃え盛るは炎の世界

 私は旅人。

 世界を歩くただの旅人。

 旅をした先で、であった人、見たもの、色んな事をメモしていく、ただの旅人。


 今日やってきたのは炎の世界。木の葉も、地面に生える草花も、全てが炎でできている世界。

 正直、とても……暑いです。水分補給がとても大事だと実感させられる世界ですね。

 川の水も燃え盛っています。流れているのは水ではなく油なんでしょうか。

 中々不思議で興味深い世界ではありますが、水筒の水が無くなったらおさらばしましょう。

 そんなことを考えていれば、着いたのは炎の集落。家が燃え盛っていますね。

 でも、火事ではないようです。普通に人の形をした炎が生活しているようですから。


「おうおう! 燃えていないなんて不思議な奴がいるな」


 そして、集落の門番のような人が声をかけてきました。

 こんにちは。


「おお。こんにちは。燃えてない奴なんて初めてみたぜ」


 私もです。燃えている人を初めてみました。

 そう言うと、炎の人は愉快そうに笑って。


「はっはっは。不思議なこと言うな。燃えていないなんて、死んでいるも当然じゃないか」


 そうなんですか。私の常識では燃えたら死んでしまうのですが、世界と言うのは不思議ですね。


「ふぅん、変な奴だな。まあいい。変な奴を集落には入れられねぇが、どうだい?詰め所で茶でも飲むかい?」


 ここで、いつもなら頂きますとお茶を頂くのだが……

 燃えてる建物に入ったら死んでしまいます。なので丁寧にお断りさせていただきました。


 そして、集落を離れた私は、燃え盛る山へと向かいます。なぜかって?この世界を見渡してみたいからです。

 せっかく来た世界ですし、水筒の水が無くなる前に、世界を見渡そうと思ったのです。

 本来なら歩き回って見回りたのですが……私には、この世界は少々暑すぎますね。

 燃え盛る山は、火山の様に溶岩が流れているわけではないですが、恐ろしく熱いですね。暑いではなく。熱いです。

 水筒の水の心もとないですし、残念ですが。ここらへんでこの世界から離れましょうか……


 と思っていると、何と燃えていない人が倒れているではないですか。

 急いでその人を抱き起こし、水筒の水を含ませます。


 すると、その人……老人は目を開けました。


「あぁ……水か。なんとも久々に飲む気がする」


 こんにちは。あなたも世界の旅人なんですか?

 その問いには、老人は首を振る。


「いや、私はこの世界の、上の世界の住人だ」


 上の世界?聞きなれない言葉に首を傾げます。


「ああ、この世界には、上にもう一つ世界があるんだ。美食の世界がな」


 おお! 美食の世界ですか。と目を輝かせれば、老人はふふっと笑いました。


「この世界の熱は、上の世界の鉄板を温めたり、鍋を温めたりしている。

だが最近、火力が弱くなってきていてな……火力を上げるために、油の雨を降らせることになったのだ。

で、そのための装置を動かそうと来てみたのだが……いやはや、老人のやる仕事では無いな」


 そうですね、なぜあなたが?


「簡単なことだ。この仕事の担当者が風邪をひいて、その上司の私がやる羽目になったというだけだ。

さて、少し元気も出たし。装置はもう動かしてある。もうすぐ油の雨が降るだろう。

その前にこの世界を離れよう。君も一緒にくるかい?我々の世界に」


 ぜひ。


 こうして、私は美食の世界に向かいました。

 とてもおいしいものがたくさんあって、とても幸せな気分になりましたね。

 この世界の近くには。氷の世界もあるようなので、一度行ってみましょうか。


 私は旅人。

 次に訪れる世界は、どんな世界なのでしょうか。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ