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異世界物語  作者: 夢見かおる
第一章 松木祐介(まつきゆうすけ)
8/12

7

 辺境の魔術師アンネリーゼは頭を抱えていた。

天才と称されたこの魔術師はここ数日、異世界からやって来たという青年に悩まされっぱなしだった。

今日もその青年と話していたのだが、あまりにも常識外れの話しの多さに頭がパンクしそうになり、途中で打ち切ってしまったのだった。

 彼が帰った後アンネリーゼは、所持している歴史書や魔法についての文献をあさり、彼の魔力について一つの答えを出したのだが、出した答えにさらに頭を悩ませていた。

 

 外はすっかり暗くなっている。

 彼女は本を閉じフラフラと立ち上がると、ベッドへそのまま倒れこんだ。

顔を枕に埋めると、その口元がモゴモゴと動いている。

「ユースケ君の異常な魔力はおそらく特殊能力(ギフト)でしょう・・・」

 声が眠そうに、か細くなって行く。

「異世界人・・・特殊能力(ギフト)・・・英雄体質・・・彼を見つけてしまった私はどうすれば・・・」

 その声はもちろん祐介には届いてはいない。

しかし彼女はまるで祐介に問いかけるように独り言を続ける。


「ユースケ君、君の力はかつてこの大陸を破壊し蹂躙し、そして最後には倒された男と同じものでした・・・」



「魔王・・・」



 アンネリーゼはそのまま目を閉じ、呟きは寝息へと変わっていった。

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