やっと念願の
見たところ割ときれいに整備されている、(当然と言えば当然なんだがアスファルトなんかは使われていない、土がむき出し)道だ。
「やっとこれで人がいそうなところに行けけそうだ」
そうぼやくと俺はあることに気づいてしまった。
どっちに行けばいいのだろう?さらに人に会えるまでにはどれくらい歩けばいいのだろうか?
…………………。やばくね?
まずいまずいまずい!?身体能力が上がっている訳ではないのにこのシュチュエーションはまずい!
どうする俺、どうする!そんな時。
「おいお前こんなところで何をしている!そんな格好でふざけているのか」
そんな声が聞こえた。
日本語?…………、ではないな。
でも俺英語2だし、ほかのことばはしらないと言っても過言ではないぞ?
なんだろう?翻訳も勝手にしてくれたのだろうか?
「聞こえないのかっ、、」
後ろで低い怒鳴り声が聞こえる。よく耳を澄ますと馬車?(いや普通、馬車の音なんて実際に知ってる人ほとんどいないよね?)のようなおともきこえてきていた。
後ろを振り向く。そこには俺の度肝を抜くものが二つあった。
まず一つ目。目の前にはかなり美人のごつい鎧を着た女の人がいた。
年齢は18、19、位だろうか。兜は座席にでも置いてあるのだろうなので黒髪のショートヘアと外国人みたいな青い目がよく見えていて思わず見とれてしまった。
二つ目はモデルと比べても遜色ないくらいの美人を前にさらに俺の目をひきつけるものだった。
それは、
鱗がびっしり生えていて鋭い牙と爪を持ち象ほどはある爬虫類のようなものがいることだった。
さらにはっきり言うと
ドラゴンだった。
「マジかよ。」
俺は呆然とそう呟いた。
視点交代
なんだあいつは。徒歩でまさかこんなところを抜けるつもりなのだろうか?
まあ徒歩で行く旅人もいるし非効率的だがそこはいいとしよう。
妙なのは鎧どころか武器すらなくそれどころか何一つ持ってないということだ。
いくらなんでもそれはおかしい、それにここまでどうやってきたというのだ。
ここは、危険度6の注意地域でランクc以上の奴しか入れないはずだ、仮にあいつがランクc以上だとし
てもいくらなんでも丸腰はありえない。
いったいあいつは何なのだ。
ひとまずあいつが何者なのか聞いてみなくては。
視点交代終了
おいおいどうなってんだ。ドラゴンて、ドラゴンて!
正直その衝撃は言葉が通じることの安堵や人に会えた喜びをどこかに吹っ飛ばしてしまうくらいだった。
「そこの者聞こえているなら両手を挙げて止まれ!」
ドラゴンの上にのったお姉さん?は、俺に向かってそう怒鳴りドラゴンを下に急降下させてきた。
「うおおおうっ!?やっべ!?」
俺は変な奇声を上げるとつぶされないように地面を転がった、制服だったか仕方ない(背に腹は変えられないよね?)
「止まれといっただろ!次は火球を打ち込むぞ!」
俺が動いたことが気に入らなかったようで鬼(あまりの仕打ちに次からこう呼ぶことにした)はドラゴンから降りこっちに右手の手のひらを向けて睨んできた。
「わ、分かった。」
いやな予感がかなりするぜ、、(冷や汗)おとなしく俺は両手を挙げてなすがままの状態になる。
手は使わなくても力は使えるし最悪、逆に鬼を叩きのめせばなんとかなるだろ。
「貴様はなんでそんな格好でうろついている!ここは危険度6の注意地域だぞそんな格好で死にたいのか!」
そんな事を怒鳴られた時。
「おおおおおおううううぅ」
何かの遠吠えのようなものが聞こえてきた。
「く、ひとまず来い!」
それを聞いて顔色を変えた鬼は俺の手をすさまじい力で引っ張りドラゴンの上にあった鞍のようなところに俺を乗せた。
え。え?イマナニヤッタ?
「後で事情を聞く!ひとまず離れるぞ!」
そう鬼は言うと手綱を掴みドラゴンを離陸させようとした。
「え、ちょまっ俺高所恐怖しょぎゃあああああああああああああああああああぁぁぁぁ」
俺は最後まで言うことができずに内臓が置いていかれるような浮遊感を味わいながら絶叫した。