双子だけど双子じゃない姉妹のお話
一卵性の双子なはずなのに私達二人は周りからどうしても、姉妹に見られる。その原因の一つが二人の学年が違う事だった。
姉であるみのりは4月1日生まれ、妹であるあかりは4月2日生まれ。日付が変わって産まれたので生まれた日が違う、それも困った事に学年まで違ってしまった。
だから、私達は『双子だけど双子じゃない姉妹』なのだ。いちいち説明が面倒なので何も言わないんだけどね。
「あのさ、気になって居たんだけどあかりってお姉さんの事、何で呼び捨てにしているわけ?」
気になったのか今年、高校に通い始めて出来た友達の理沙が聞いて来た。
中学からの友達がいないわけではないが周りに高校が多く、偏差値がある程度高いこの高校では数人しかいなかった。
それに仲の良い友人とまでは言わないのであかりの家の事情を知っている人物は少ない。
「変かな?」
「うーん、うちの弟もあたしのことを呼び捨てにするからあんまり変でもないのかな?」
今度、ゆっくり説明しようと思っていたが理沙以外のクラスメイトも気になったのかあかりの周りをぐるりと囲んだ。説明すると少し長い、それでも話しちゃおうか。時計を確認して、口を開いた。
「うんとね、私達ね、『双子だけど双子じゃない姉妹』なの」
「何それ? ナゾ掛け?」
「あ、分かった!」
ふと理沙の隣りから仲の良い奈美が顔を出した。気になって、奈美も近付いてきたらしい。手に、ポテチの袋を持ったままで笑った。
「あかりちゃんって4月2日生まれなんだよね?」
ああ、なるほど、意味を理解したクラスメイトたちがしきりに『すげー』と連発する。4月1日生まれや4月2日生まれなんてそうはいない、それでいて双子なのだ。
「じゃあ、4月1日にお姉さんが産まれて日が変わってあかりが産まれたのが2日なのね。確かに学年が変わるわけだ、すごいね」
「うん、詳しいことは良く分からないんだけどうちの両親は『面白い』って言う理由で喜んだみたい。後からいろいろと大変な事に気付いて四苦八苦したみたい」
「それってどういう事なの?」
「医師の診断書によっては最初に産まれた子供の誕生日に合わせる事も出来るみたい。だから、一緒に産まれてきた私達だけど実際は双子じゃないって事になるんだ」
話が少し重かったのか同級生たちは黙り込んでしまった。あかりは話を慌てて締めくくる。一枚、ちょうだいって言って、奈美からポテチを一枚もらう。誤魔化せたかな。
「でもね、私達は一緒に産まれて来た双子だって自分達が分かっていればそれでいいの。誰に迷惑を掛けているわけでもないんだもん。そういう理由があるんだけど特に問題もないしいいんじゃないかな? そっくりな兄弟だって世の中にはいっぱいいるんだもん。それにね、先生達が困らなくていいかも」
「なるほど」
理沙と奈美が顔を見合わせて頷く。確かに同じ顔が同じ学年に居ては分からなくなってしまう。
2年生がみのり、1年生があかりと覚えていた方が楽だ。
「あかり、ごめんね、わざわざ、説明させちゃって」
「ううん、気にしていないよ」
あかりはそう言ってにっこりと笑う。そんな、双子なのに双子じゃない姉妹のお話。
双子の日に合わせてみました。




