転生録 ~輪廻の旅路~ (2)
-目の前が光に包まれる-
これから起きる事に心を躍らせると同時に恐怖が同時に押し寄せてくる
そういえばシニガミはどこに行ったのだろう?
ふと、周りを見るとシニガミが居ないことに気づく
紡永「シニガミ?どこに行ったの?」
周りが光で包まれており床の感覚もなく手を伸ばしても何もない
私は多分今「無」の中に居るのだと思う。
さっきまでワクワクしていた心が一瞬にして恐怖に染まる
紡永「シニガミ?どこ!?」
パニックになってしまい声を荒げてしまう
シニガミ「あ~僕は今君の心の中に居るよ、僕は君の中に常にいるから安心してね」
シニガミの声が聞こえ少し安堵する
でも、今はどういう状況なのだろうか?
私は、転生系アニメみたいにすぐに転生できるイメージをしていたので焦った
紡永「シニガミ、私は今どういう状況なの?転生できているの?」
とりあえずこの状況から抜け出せるのかどうかが気になってしょうがない
シニガミ「君の体は今、再構築されているんだよ、ゲームで言うロード中という感じだね。体の構築は終わっていて今は誰から生まれるのか決められている感じだよ、あと君の体内時計で15分ほどかかるよ」
とりあえず、この状況から抜け出せることができるらしいから私は再度 安堵した。
私は転生したら何になるのだろう、そもそも生物だろうか?
もしかしたら石とか鉄とかかもしれないし、植物かもしれない
別の世界線に行くらしいから全然知らない生物になるかもしれない
なんだろう...スライムとかだろうか?
でも、出来れば人間とか高度な知能を持つ生き物になりたいな...
シニガミ「君はベニクラゲを知っているかい?」
ベニクラゲ...?確か寿命が長いんだっけ?理科の先生が授業中に言っていた気がする...
紡永「寿命が長いクラゲだっけ?」
シニガミ「ベニクラゲは有性生殖を終えた後若返って無性生殖を繰り返して生きているクラゲだよ、だから実質不老不死と言われているクラゲだ」
...なるほど?人間に例えると赤ちゃんを産んだら若返って又赤ちゃんを産んで...の繰り返しって事か
でも、なんで急にクラゲの話なんてしたんだろう
紡永「そうなのね知らなかったは、でもそのベニクラゲがどうしたの?」
ただ自慢したかっただけだろうか?よくわからない
シニガミ「君が今から転生してベニクラゲ等の実質不老不死の生物になる可能性があるという事だよ」
不老不死...死ねないって事か。
人間は死にたくないと思うのが一般的だろう
自分が死んだ後にどうなるか分からないから怖い
でも不老不死だったらどうだろうか、一生同じサイクルを繰り返し生き続ける死ぬことはほぼない。途方もない時間がある
それも怖い
でも、シニガミは私に何を伝えたかったのだろうか?
結局生きることはつらいという事だろうか?
どんな仕事でもつらいみたいに
シニガミ「君が誰から生まれるか決まったようだね」
やっとか確かに自分の体内時計では15分程度だった気がする
やっとこの謎の「無」の空間からおさらば出来る
シニガミ「1つ言っておくと僕は君の中に居て外に出ることはない、だが君と話すことはできる心に語り掛けてくれれば僕は君と会話するよ」
なんだ、次の世界の相棒として冒険とか出来るのかな~と思ったけど
出来ないのか...
紡永「分かったわ」
シニガミ「じゃあ、次の世界に行こう」
光が消え意識が遠のく死ぬ時と同じ感じだ...
次の世界では楽しめるといいな...
転生録 ~輪廻の旅路~ (2)-完