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いつかどこかできいた詩

オンリーダンス

作曲能力はないので、リズムもテンポもお好みで。


何物にもなれないから

彷徨うビニール袋とダンス

ふわりくるり 舞い上がった彼女は

素知らぬ顔で去っていった


誰にも会いたくないから

隅っこで積もる落ち葉とダンス

上手くターンできなかった彼は

私のつま先で潰された


決まった相手はいらないの

どうせいつか消えるから


今日もまたダンス 独りで踊る

今夜だけの舞台で

下手くそでも 特別上手くもない

そんな出来栄え

お決まりのジャンプ 星に手を伸ばす

だけど空を掴むばかりで

また何も残らない



この世界にいたくないから

忘れられた栞とダンス

右往左往していた彼女は

捕まって幽閉された


現実を見たくないから

財布から落ちたレシートとダンス

ひらひらと舞う彼は

私の手をすり抜け 水たまりへ


その白く儚い姿は

何かに 似ている気がして



思い出した 桜の子のこと

あの頃は毎日踊っていたね

でも気づいたの

求められているのは あなただけ


みんなあなたの痛みも知らずに

才能だねって 綺麗だねって

私はお呼びじゃないんだって

好き勝手言って

気にしなきゃいいのに 私は



今日もまたダンス 一人で踊る

思い出のあなたと二人で

周りから見たら大変滑稽ね

でも私かまわないの

明日もまたダンス あなたのいない

一人きりのダンスホールに

飛び込んでくる誰かを待っている



それまでここで踊るだけ

あなたとまた踊れる日を夢見て


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