第二章「王都ヨキフ」 21.4話
本日最後の投稿です。21.2話21.3話がまだの方はそちらからお読みください。
アルテの王子様のご要望が無下にされる訳も無く、騎士爵家の次男坊が王子王女の学友になる事が正式に決定してしまった。
何よりも四王国武闘会優勝チームリーダーの肩書は学内での護衛としては打ってつけで、煩わしい護衛が学内に入り込まない事は後日、全ての学院関係者から諸手を上げて歓迎された。
高位の関係者が揃っている事もあって、その後も様々な事がとんとん拍子に決まって行き、もう一度お二人の学園生活に話題が巡って来た。
王女王子が王宮で暮らす事は既定事項らしく、そうなると当然通学の護衛が問題になる。
バロマッド様が通学する時は護衛が付くので一緒に通えば問題は無いが、3学年も第3学期になると出席する講義も減ってしまいバロマッド様が毎日通う事も無くなるし、そもそも第3学期終盤でご卒業だ。
そこでマーカス様にはバロマッド様の護衛がそのまま付く事になり、ナタシア様もそれに同行する……となって僕もほっと肩の力を抜いたところが。
「往きはともかく帰りも二人合わせるなんて時間の無駄だわ」
当のお姫様が宣うた。
「お兄様と時間が合わない時はベルナードさんが送ってくれれば良いじゃない」
「ああ、それはいいね。僕も助かる」
マーカス様、貴方が言うと決定してしまうじゃないですか。
「では、それで決定と云う事でよろしいですか」
ミレユイム様も今日は調整役に徹していて助け舟は出て来ない、と云うか自分に火の粉が掛からない事に懸命な気がする。
もちろんこの場で僕に発言権がある訳も無く、更に状況はエスカレートして行く。
「序だから、プライベートの護衛にも出来るだけベルナードが就くのが良いのじゃないか」
バロマッド様、『ベルナールが憐れんだ件』絶対、確実に、根に持ってますよね。
「いいわ。うん、それがいい」
お姫様は気にも留めずに喜んでいる。
僕は何とかこれ以上変な事が決まらないうちにこの場が終息する事をただ祈るしか無かった。
*
アルテ王子王女の歓迎会の翌日に僕はヨキフを発った。
カテリナに会いに行く。それしか考えていなかったので道中の事はあまり覚えていない。
クムネ侯爵領からジグマ伯爵領への山地でトラ君に再会できるかと思ったけれど、トラ君にも都合があるようで姿を現す事は無かった。
まあ、無双をするような事態が起きなかったから覚えてもいないので、駅馬車に乗り合わせた人達にはそれで良かったのだろう。
日暮れ後にジブリスに着いた僕は宿を取り、翌朝四王国武闘会優勝の報告をするために領主館へ向かった。
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