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第二章「王都ヨキフ」 19.3話

本日最後の投稿です。19.1話19.2話をお読みで無い方はそちらからどうぞ。

 魔法の鍛錬は僕のやり方の基本の基本、魔力野出口を拡げる事から始めた。

これだけは個人でも必ず毎日するように言ってある。


 母さんと兄さん姉さんの鍛錬を観ていて思った事だけど、この世界の人は一つ大きな誤解をしている。

魔法の鍛錬が出来るように成ると、指導する側もされる側も魔力を回す事に力を入れるのだけれど、大事なのはその際に一度に回せる魔力量をどれだけ増やせるか……なのだ。

鍛錬で一度に回せる魔力量、それが王族級や伯爵級などと言われる魔法使いとしての格を決めると云って間違いない。

魔力を回す事で少しは出口も広がるけれど、意識するとしないとでは格段の差が出て来るのだ。


 だから、とにかく基本に立ち返り基礎を繰り返して魔力量を底上げする。

そして基本の系統魔法を極小で繰り返して発動し習熟度を上げていく。

出来るだけ体の、皮膚の近くで発動して発動魔力を減らす事も含めて鍛錬時の発動回数を増やす。

詠唱・陣図に関わらず少しでも習熟度を100に近付けるように。

ここに天地流が欠かせないんだ。

彼等は天地流がそこまで進んでいないから極小と言っても限度があるが、それでも普通のやり方との違いは大きいのだ。


「ひょっとしてフィンリーって、昔からずっと毎日こんな事して来たの?」

「いや、学院に来る少し前からだよ」

陣図についてはね。

「そうよね、もしそうなら陣図習熟がもっと進んでいると思うわ」

「今も全然低くは無いと思うけど」

とメルマディ。

「もちろんそうだけど、それならもう限界まで到達してても不思議じゃないと思って」

相変わらずウェンジィは鋭い。


「でもね。僕はこれを始めてからは魔力と習熟度の上りが良くなったし、やり方も色々考えて効果が出るようにしている積りだから二人にも続けて欲しいんだよ」

「何であれ、フィンリーの勧める事に間違いはないと思ってやるよ」

「そうね。右も左も分からない私達を引っ張って2公爵家を完封。この実績は信じるしかないのよねぇ」


「信じてくれて嬉しいよ。僕は魔術士として自分の武道と同じレベルを目指す。だからウェンジィは魔道士として伯爵級を目標にして欲しい。メルマディは魔薬士だけど魔道士としても子爵級と言えるようになろう」

「子爵級……成れるのか?」

「伯爵って……」

「目標だよ。ビルマードも含めて全員成人まで2年以上有るし、無理じゃないって僕は思う」


 本人達は自覚していないみたいだけどチームとしての活動を通じた底上げで、ウェンジィは子爵レベルと云っても可笑おかしくないし、メルマディやビルマードも男爵と準男爵の間位までレベルアップ出来ている。


 そう、目標はあくまで目標だ。

そこに届こうが届くまいが積み上げた物が何をもたらすのか、本人達にも世間にもその成果はいずれ明らかになるんだ。

お読みいただきありがとうございました。明日もよろしくお願いいたします。

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