第二章「王都ヨキフ」 18.4話
本日最後の投稿です。18.2話18.3話がまだの方は、そちらからお読みください。
週明け、王立魔導学院ではジェリナ様達や僕等の戦績報告の場が設けられ学院長から8人に感状が贈られた。
ジェリナ様は昨年の汚辱を晴らし面目を一新した。
校庭に設置された壇上で感状を受ける彼女の顔は過去の憂いを払拭し、朝日を受けた銀髪と共に輝きを放ってとても美しかった。
そしてその後に感状を受けて壇上から降りた僕等4人は一躍ヒーローに祀り上げられた。
ヨーザイルやスェーニャは昨日寮で結果を話してあったが、彼等もクラスの連中と一緒に興奮の輪に入っている。
メルマディには魔薬専科、ビルマードには魔具専科の仲間がそれぞれ祝福の輪を作った。
ウェンジィも魔道科の受験組らしい面々と彼女のファンらしい専科の男子数名に取り囲まれている。
戦績報告には1限目の時間が割り当てられていたので、その騒ぎは1限目の終了と共に収まったが、その後数日は休憩の度に同学年の質問や上級生の視線に追われる日々が続く事になった。
「「おめでとう。フィンリー。そして皆も」 」
ミレユイム様とクウィンツァ様が祝ってくれる。
戦績報告の1限目が終わった休憩時間、流石にこの二人に割り込んで来る学生は居ない。
「それにしても完封で優勝とはね。よくも僕等の予想を軽々と越えてくれるものだ」
「僕達に完勝したので心配はしていませんでしたが、もう少し苦労するかと思いましたよ」
『いやぁ演出を考えるのはとても大変だったんです、ホントに』とは言えず、
「いえいえ、必死に知恵を振り絞らないといけなくて、結果はその成り行きですよ」
まだ呼び捨ては抵抗があるが出来るだけ普通に話す。
「また良からぬ事に知恵を絞ったのでは無いのかな?」
『ギクッ!』
「まあまあ。どちらにしても、本当によく頑張りました。僕達の友人として十二分な実績ですよ。合格ラインは遥かに超えてしまいましたけれどね。ふふふ」
「ふむ、暫くは周りも騒がしいだろうが、あれだけの事をすれば仕方が無いな。有名税だと思って我慢するのだね」
「はぁあ、そうですね」
「僕等が居るとこちらの三名がいつまでも固まったままみたいだから、そろそろ行くね。フィンリー、また後で会おう」
「はい、それではまた」
ミレユイム様達が立ち去り後ろを振り返ると、緊張から声も出なかった三人がようやく話し掛けて来た。
「よくあの二人と普段通りに話せるわね」
「そうだ、そもそも普通に話していいのか?」
「良くても僕なら普通には話せないよ」
「事情があってね。普通に話さないと逆に叱られるんだよ」
「変なの」
そう。
変だよねぇ。
変だけど僕にはどうしようもないんだ。
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