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第二章「王都ヨキフ」 15.4話

本日3回目の投稿です。15.2話、15.3話をお読みで無い方は、そちらからどうぞ。

 僕等の勝利にパノンのメンバーは盛り上がったが、1試合置いて次の試合が控えているので浮かれてばかりも居られない。

僕等は次の対戦相手の試合を見ないといけない。


「良くやったわ。これで他のチームも緊張が解(ほぐ)れたでしょう」

 ジェリナ様が皆を見回して締めとした。

全員次の試合に気持ちを切り替える。

その直後に『武術だけかと思ったら魔法も得意なのね』耳元でポツリと呟(つぶや)かれましたけどね。


 次の試合はマーカス・アルテ様とザネルの侯爵家ムロミュート・タンドスさんなのだが、マーカス様は事情があって身分を隠している。

マーカス様のチームはマーカス様が後衛、昨日チームリーダー役だった人が中衛で、残る2人が前衛の変則編成だ。

ステータスウィンドウから見ると前衛2人はほとんど役に立たない可能性があるので実質中衛と後衛だけで戦うようなものだ。


 ザネル王国のチームはムロミュートさんが中衛で前衛に1人、後衛が2人。

ムロミュートさんのステータスはジェリナ様には劣るがなかなかの物だ。

後衛の二人も先ほどのゼスタッテ君と同じくらいだが武技レベルだけは格段に劣る。


 僕が掘り起こした部分を補修して始まった試合はザネル側が序盤を様子見から入ったため、マーカス様チーム前衛のボロが出るまで暫く膠着したが、試合時間の半ばでザネル側後衛がそれぞれ放った魔法一発ずつで前衛二人が退場となった。

マーカス様も正体がバレない程度の魔法で中衛さんと連携してザネルの前衛を倒したが、その後は二人固まっての防戦一方を演じたまま試合が終了。

ザネル側の優勢勝ちとなった。



 その次の試合ではパノス公爵領の学園代表が出番だ。

相手はマジャン王国の伯爵直系の魔術士がリーダーで、偶然同じ構成の前衛3人後衛1人のチームだ。

子爵家直系のパノスのリーダーは相手のリーダーとステータス上ほとんど差が無いのだが、パノスの前衛が男爵家中心なのに対してマジャンの方は子爵家中心でステータス上も分が悪い。


 試合は僕の予想通り後衛による前衛の潰(つぶ)し合いになった。

パノス側の前衛は守りに徹して善戦したが、2名が倒され判定負けとなった。


 先ほど沸きたったパノン陣営もやはり今回は静かだ。

とは言え、昨日のトーナメント表を見て予想されていた苦戦なので、落ち込んでいると云うよりは冷静に次の結果を待っている感じだ。


ひとつ試合を挟んでパノム代表の出番が来た。

相手はアルテの男爵家と準男爵家で構成されたチームだった。

おそらくマーカス様が言われた『事情』で高位貴族の出場が難しいのだろう。

ここは戦力の差でパノム代表が順当勝ちとなった。


パノンのトリはジェリナ様だ。

昨日の作戦通りに全く危なげの無い勝ちっぷりだった。

余程重圧だったのか晴れやかな顔のジェリナ様が親指を立てて僕に微笑んだ。


 この世界で初めて見る『サムズアップ』だった。

今夜もありがとうございました。もし気になったとお思いであればブックマークをお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 内容は面白いのですが、パノス、パノム、パノンと名前が似ているので連続して出てくると混乱しますね。
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