第二章「王都ヨキフ」 14.3話
こんにちわ。本日1度目の投稿です。
「どう、緊張していない?」
おいしく夕食をいただいた後でジェリナ様が声を掛けてくれた。
トケアの料理はヨキフより高そうだがそれなりの価値はある……と思わせてくれる。
これもこの王都の歴史がなせる技なのだろうか。
「大丈夫です。作戦ばっちりなので」
ビルマードが明るく答える。
まだ補充が必要な魔薬は残っているけれど、やる事が決まっている方が落ち着くものだ。
「そうよね、私も1学年の時は緊張なんてしなかった。体調が最悪で運の悪さを呪ったりはしたし、本番では負けちゃったけれど」
「…………」
ジェリナ様は去年を思い出したようで一息継ぐが、こんなタイミングで掛ける声は無い。
「正直、今の方が気が重いわ。パノンを代表して出場する責任を感じるし、実質4チームのリーダーと思われているからそれもね。特に去年の事があって私個人も1回戦は絶対に負けられないもの」
「1回戦の相手はどんなチームですか?」
「ザネル王国のチーム。伯爵家の魔道士2人と魔術士1人が後衛で、子爵家の魔薬士が中衛の魔法特化チームらしいわ」
「子爵家の魔薬士ならジェリナ様の剣の敵ではないでしょう。ジェリナ様、大盾は使えますか?」
「専門ではないけど使えるわよ」
「後で魔陣図を渡しますので、明日の朝大盾を選んでチームの魔具士に魔陣図を付与してもらってください」
「どんな陣図なの?」
「中程度の障壁を発動する陣図です」
「中程度だったら大きな魔法を打ち込まれたらやられるわよ」
「まともに受ければですね。盾に対して斜めに障壁を発動する陣図なので大盾を普通に構えれば体に打ち込まれる魔法は全部斜め上に弾かれます。これなら真正面の半分以下の力で防げるし、万一障壁を抜けられてもまだ盾があります」
「なるほど」
「ジェリナ様が前衛で魔法を弾いている間、後衛の3人は小魔法で相手を攻撃し続けるのです。相手は真正面から魔法を受け止めるのである程度の障壁を出さざるを得ないし、障壁の調整が苦手な可能性もあります」
「それで?」
「後衛の3人の攻撃が続いている間に盾を押し出して各個撃破に向かえば、1対1でジュリナ様に剣で勝てる相手はいないでしょう。一人倒せば後衛が3対3でジェリナ様への魔法攻撃は出来なくなる。それまで盾の障壁を維持するだけなら魔力も足りるでしょう」
「なぜ一瞬でそんな事を思い付くの?」
「僕等にも似たような作戦を考えていたからですよ。でも盾の使い方も攻撃の方法も全く違うから僕達の試合を見てもジェリナ様の戦法に対策は立てられませんよ」
「なんだか今夜は安心して眠れそうな気がして来たわ。フィンリー君ありがとう!」
「どういたしまして。明日の為にはゆっくり休むのが一番ですね。僕達も早く眠るとします」
「では、また明日」
「はい、「「「おやすみなさい。」」」」
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