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005 仮にょうい


 私は今、尿意を覚えている。

 それはインスタントフィクションを執筆しようとした矢先のことであり、私は悩んだ。

「尿意を今すぐに解消すべきだろうか」と。

 排泄という行為はなかなかスッキリとするものだ。そのスッキリとした気分が、尿意を覚えている今の私にある、執筆しようという気持ちに影響を及ぼしてしまうのではないかと思うのだ。

 尿意は危機的な段階ではない。

 トイレもすぐそこにある。

 インスタントフィクションのネタもおおよそ決まっている。

 …。

――可能である。

 多くとも400字程度。その場のノリで書くインスタントフィクションであれば尿意が限界に達する前に書き上げることは可能である。

 私はそう、決断した。

 執筆を開始する。尿意は65%といったところである。

 三割を書き終えた。尿意は70%。

 五割を書き終えた。尿意は75%。

 八割を書き終えたところで筆が止まってしまった。今一つ、最後の切れ味が鈍くなる予感があったためだ。尿意は80%。

 考えを深めるため、諸刃の剣であると知りながらコーヒーを飲む。尿意は確実に増すだろうが、背水の陣である(水が迫っているのは背ではなく内側からだが)。

 尿意90%。もう少し捻りたいのだ。

 尿意95%。尿意は危機的段階に達したが、ネタはまとまった。

 尿意97%。九割を書き終えた。あとはラストのオチだけである。

 尿意98%。間に合う。ワタシであれば間に合うはずである。

 尿意99%。ほんとに、あと少しなのだ…うぅあぁ


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