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001 雄鶏


 はじめまして。新屋アオです。


 彼の仕事は毎朝「コケコッコー」と鳴くことだった。


 晴れた日には、真っ白に輝く朝日に向かって「コケコッコー」。

 曇りの日には、見えない朝日に向かって「コケコッコー」。

 雨の日には、雨音に負けないように「コケコッコー」。

 雪の日には、震えながらも「コケコッコー」。

 嵐の日だって、嵐を吹き飛ばす気概で「コケコッコー」。


 この仕事を彼は誇りをもって続けていた。それは彼が鶏冠をピンと立てて鳴く姿を見れば明らかだった。


 毎朝、毎朝、毎朝、彼は「コケコッコー」と何年も鳴き続けた。

 そして、鶏としての寿命が近づいてきたある日、彼の雇い主が彼のもとへとやってきた。

 次の日、「コケコッコー」と鳴いているのは別の鶏だった。

 以前の鶏は、締めてさばいて食べられたからである。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 雨にも負けずということで宮沢賢治へのオマージュを感じました。賢治の作品も鳥が印象的に使われている作品が多いですよね。最後のゾッとする部分も注文の多い料理店を思い起こさせます。 [一言] 鶏…
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