規格
DoLLzには、非営利の民間団体により大まかな規格区分が策定されている。
「旧型」「汎用型」「携帯型」「乗降型」の四つと、それらの区分に当てはまらない「その他」となる物を含め、計五つの区分となる。
この中で最も普及率が高いのは「汎用型」と「携帯型」であり、次に「旧型」と続き、もっとも少ないのは「乗降型」となっている。
「その他」といわれるものは、何かしらの学術研究や試験や試作用などとなるワンオフがその殆どを占めるため、定められた四つの区分に単純に当てはまらない時に使用される区分となる。
なお、国際規格上ではISO/PAS(公開仕様どまり)である。
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汎用型規格:通称「ALICE」(アリス)
自立人形の汎用型とされ、汎用性が最も高い規格
元はALICEを基準としたDoLLzの仕様から始まり、外観形状の話をすれば人型とよばれる物がほとんどで、見た目が人の恰好に近いものから、機械然としたものなど種々様々ではあるが、基本的に"人間サイズ"である事と拡張機能の統一化が成されている。
大きな特徴としては、拡張用の基礎部分が共通化されているために、社外品が充実しており、個々人での改造が容易に行いやすく、その機能性の拡張内容は多岐に及ぶ。
民間での例を挙げるならば、医療向け診断機器を内蔵させては介助や介護に利用されていたり、各種検査装置を内蔵させては、工場の製造における検査ラインに実用されていたりする。
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携帯型規格:俗称「SHRINKER」(シュリンカー)
全長15cm程度の持ち運びが行える自立人形規格
世間での電子機器の小型化という技術進歩の恩恵をうけ、小型化に成功した"最も進化したDoLLz"とも呼ばれている。
その大きさにより本体自身の拡張性が乏しく、本体自身の機能に関しても制限が多々あるが、その省略された部分が汎用型型よりも安価になる形になったため、普及も後追いになる恰好ではあるが増加傾向となり、将来はとってかわられるのでは?ともいわれている。
本体の大きさから、情報技術に寄った調整をされてるものが多く、能力的に足りない部分は入出力機器や補助器を持たせたりなどで機能を補わせていたりする。
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旧型規格:敬称「E.V.E.」(イヴ)
全長約50cm前後の自立人形規格の祖となった規格
原祖の自立人形規格とも呼ばれ、"時代遅れ"にあたる規格でもある。
機能拡張や性能向上においての限りがあるが、逆に"限界がある"という制限と"時代遅れ"を逆手に取った"枯れた技術"、それに加え常に公開されている仕様も相まって、(それ相応な知識と技術が必要とはなるが)その制限下でどれだけの性能向上がなされるかが、行った人物の手腕に左右されるともいえるため、改造趣味人たちにとっては評価が高い。
例を挙げると、E.V.E.規格にもかかわらず、限定的にはALICE以上の高性能となるが通常使用では不安定なピーキーな代物や、E.V.E.自体を補助器としてSHRINKERを内包させたり、内面および外面含めて、ユーザーの趣味趣向を一番反映しているともいえる。
その為か、何かしらの改造が施されているカスタムメイドな代物が殆どであり、それらを代行しBTOとして販売している専門業者も存在する。
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乗降型:
最も高価であり、人が乗る事を前提とされた自立人形規格
他のDoLLzと大きく異なる点は"特殊車両枠"になるため、各国に登録管理がなされる物となり、その為、所有する際は資格を持ったものが許可を得られなければ手に入れる事すらできない。
民間仕様では、搭乗者に対する安全性をクリアしていなければならず、各国のメーカーの特色が多岐にもわたる物でもあるが、個人所有の場合は富裕層の趣味という側面が強い。
搭載されているAIに関しても、他の自立人形と同等のサポート面は充実しているが、あくまでもサポートという面だけとなり、動作の最終決定は搭乗者の操作や決定がなければならない形になっている。
民間個人への普及率はそれほどないが、民間企業や団体、公的組織に採用されているケースがその殆どである。
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その他:俗称「Others」(アザーズ)
上記の規格に単純に当てはまらない、自立人形の総合区分となる。
ぶっちゃけ話:
それぞれの元ネタ
「旧型」:ポケコンなどの電子機器
「汎用型」:パソコン
「携帯型」:スマホやタブレットなどのモバイル端末
「乗降型」:バイクや車などの車両
「その他」:好き勝手に出来る代物枠として




