表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
善悪対価と仮想御伽譚【リメイク版】  作者: ハルカ カズラ
1/6

第壱話:御伽のハナシ

 我が世に降り立つは、ヒトの善と悪を見極める為。


 人の世、生きとし生けるものは良いことをすべきヒトと、悪しき行いするモノで相対している。

 ――我が名は夢境に生きるディアボロス。


 善なる人物で見極めを……壱のヒト、名はタロウ性はココノエ……内なる心を見定めル。


「いらっしゃいませ~! 毎度どうも!」


 今日も一個150円の饅頭を30個ほど売りまくった。これで生活が成り立つか、だなんてそんなの誰が見ても分かる。これはただの愚痴。嫁もいるし、育ち盛りの娘もいる。


 まだ日本が豊かだった頃はマシだと思っていたけど、正直これだけで食っていけるなんて思っちゃいない。だけど、助けてくれる心優しき人なんていやしない。ただの饅頭屋。だが、俺にも夢がある。夢を見る夢だ。


 ガキの頃、意識もせずに読んでた昔話があった。いくつもの話をそれはもう夢中になるほどにだ。今じゃパロディ化にもなってるし、アニメにもなっている。それもかなり昔に。


 そんなおとぎ話もガキの頃に読んでた時とは違って、大人になっちまった今読めば、全く感動もしなければ、面白いと感じることがなくなった。この感覚は一体何なんだろうな。


 一度でいい。おとぎ話の中に入って夢を見てえ。こんなくだらないことを叶える奴なんて、夢の中じゃなければいないからな。一か八かで、俺は「夢の中で夢を見たいです」なんて、らしくもない丁寧な言葉でどこかの誰かに願いをしてみた。


 ソノ夢、見させてヤロウ。ダガ、対価を頂くガ、イイか?


「対価? 駅前の小さい饅頭屋にこれ以上払えるものはないですよ? それでもよければお願いします」


 受諾シタ。デハ、夢の中より、更に深く、お前の行きたい話をネガエ。


「おぉ。気前がいいねぇ。そうだな、俺の名前は太郎だから、ありきたりだが浦島太郎にするぜ」


 ワカッタ デワ、ネガエ……世界の……ハザマへゆくタメに……


 ツヅク


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ