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第7話 さすがにそれは言い過ぎじゃ……

突如として笑いだした人が一人いた。

それは、ミツルだった。


「ビクトリアさん、なに笑ってるんですか?ついにおかしくなりましたか?」


グイーダはそう言った。


「おかしくなった訳じゃないさ。大体のことはわかったからさ」


「さすがです。ビクトリアさん」


マリンも尊敬の意を見せている。


「……で、犯人って誰なんですか?」


「まず、わかってきた経緯について話しておかないとな」


「んじゃそれをお願いしますよ、ビクトリアさん」


「まずは変な魔力を感じた。しかも強大だ。……で、何なのかを推測してみた結果、このバッジに対抗していることがわかったんだ」


ミツルはそう言った。しかし、それだけで魔力がバッジに対するものだとわかるミツルはすごいものだ。まだ転生して1日も経っていないのだ。


「そして、その魔力の発生源もつかんだ。こいつからだ!」


ミツルが指を指したのはフタミチだった。


「んなバカな、この私からこんなものが溢れ出てるだと?」


「ああ、そうだ。貴様に集中しといて良かったわ。あっさり捕まってるのも、この力があるからだろ?情報やさんよぉ?」


「………………」


フタミチは黙ったままになった。


「おいフタミチ、貴様どうゆうことだ?」


そう口を挟んできたのは鍛冶職人のヌーツだった。


「まんまと引っ掛かったな、真犯人さんよぉ!」


(え?真犯人?けど、さっき情報屋のフタミチが魔力のどうとかこうとかだと言ってたばかりではないか。どうゆうことなんだ?)


グイーダにもその真意はわからなかった。


「ヌーツさん、あなたが真犯人ですよね?僕はまだこのバッジの力を解除してない。そして、フタミチさんにはバッジの力でこのように言ってくれと事前に伝えたんだよ」


「そ、そんな……」


ヌーツは勘弁したかのように跪いた。


「この俺がなにもかも自白する羽目になってしまうのかよ……」


「いいや、違う。貴様はただのエサにすぎん」


「グッサアァァ!」


この言葉はヌーツの心に響いたらしく、精神的に追い詰められているように見えた。


「さすがにそれは言い過ぎじゃ……」


そう口を挟んだのはグイーダだった。


「あ、それもそうか。じゃあ……貴様はひとつの道標にすぎん」


「それでもグッサアァァ!な、なんで俺が人よりも物のような扱いなんだよ!」


「容疑者黙れっ!」


次はマリンがそう怒鳴った。可愛らしい風貌な割にはとてつもなく恐ろしい声だったのでさらに説得力が増す。


(あーなんかとんでもない人の依頼を引き受けた気がする……)


少し後悔のようなものが混じる心境に戸惑うグイーダであった。


「は、はい……」


ヌーツもこの怒鳴り声には従う他なかった。


「んで、本題に戻る。誰の命令だ?」


ミツルはヌーツに簡単な質問をした。


「俺がやった」


ヌーツはそのように話した。


「……ウソつき」


少女っぽい声がどこからか聞こえてきた。そう話したのは誰だ?グイーダは辺りをキョロキョロ見回したが、誰もいない。


「そこの女‼」


「は、はい?」


グイーダは自分のことだと思い、返事をした。


「ど、どこに……?」


「ここっす」


「いやここじゃわかりませんよ」


「そこっす」


「いや、こそあど言葉じゃアカンですよ」


(アカン……関西弁が出てもうた。あの世界でハマってもうたやつが。あかんあかん、このままじゃあかん。ちゃんと標準語を話すんや)


グイーダは自分がした過ちをその過ちで心の中でツッコんだ。


「なら、上っす。上を見るっすよ」


「はい、上ですね……」


グイーダはじーっと上を見る。しかし、そこにはなんの姿もない。


「残念、ここじゃないっすよ」


「んじゃどこにいるんですか?」


グイーダの質問の答えの代わりに上からあるものが落ちてきた。

黒色の物体で、足が映えている。


(こ、これどこかで見たことが……)


答えを見つけるのに時間は必要なかった。

グイーダは反射的に飛び上がったからである。


「う、う、ウギャァァァァっ!」


(こ、これは……あの世界で出てくるあの忌まわしき者!いきなりカサカサと現れ、部屋中を高速で走り回り、しまいには壁にぶつかって仰向けになり足をバタバタさせる、コードネームGだ!)


壁に逃げたグイーダであったが、それをよくよく見るとただのオモチャのGだった。

そうと知ったとたんにグイーダは怒りが込み上げ、ロッドを手に取った。


「そろそろお仕置きが必要みたいですね……そこにいる人よ!」


一か八かそことグイーダは言ったが、未だ見つかっていない。


「ここにいるっす。あなたの後ろっす」


そう声をかけられ、後ろを向いた。すると、小柄な少女が現れた。


「アタシ、ニアって言うっす」


ニアと名乗った少女は見た感じ8歳くらいだ。全身を白のローブで覆い被せている。


「……んで、なんでこんないたずらを?」


怒り口調でグイーダはニアに言う。


「いやー、なんか可愛らしかったものでついやってしまったっす」


そう言われたとたんグイーダは何がなんだかわからなくなった。


「んな、か、か、か、可愛い?この私のどこが可愛いんですか?」


恥ずかしがりながら質問をニアにした。


「なんかお人形さんっぽいっす。動きも何もかもっす」


「お、お人形さん……?」


「はいっ!」


ニアは輝かしい笑顔を見せた。

ズッキュン!

どこかでこんな音が聞こえたかのように感じた。


(この娘、なんでも許せちゃう)


「今回は許します。次はないですからね?」


「はいっ!」


ニアは大きな声で返事をした。


「じゃあ本題に戻りましょう。なんで嘘をついていると解ったんですか?」


「それはですねぇ……」

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