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第4話 力づくでやるしかありませんね

「何者だっ!」


すぐに処刑の執行人もしくは警備中の傭兵がミツルのところに近づく。


「あれ、今言ったことわからないのかなぁ?異義ありと言ったはずなんだけどなぁ……」


すると傭兵は腰に掛けてあった剣を抜いた。


「この者は事件の犯人だ。だから処刑されて当たり前なのだ。貴様に口出しされる理由などない!」


「やっぱり話は聞いてもらえないか。ならば明日まで処刑を待ってていただけますか?」


「それでどうするつもりだ?」


「もちろん、証拠を集めてこの人の無罪を示す。それだけだ!」


やはりそれでも話は聞いてもらえないらしく、処刑を続けると言ったような話が聞こえる。


「待ってください!私の父は何もしてないんです!」


マリンがそう大声で叫び始めた。

それを見た処刑者、つまりマリンの父親はマリンを見ると


「マ、マリン……私が悪いんだ。だから……」


「貴様は黙ってろ!」


マリンの父親は執行人に顔を踏まれ、「ウグッ」と声を漏らしたあとは何も話さなくなった。


「私の父は何もしてないんです!本当ですっ!」


話は通らない。


「クソッ!どうすれば……」


「ならば力づくでやるしかありませんね」


グイーダがボソッとそう言った。グイーダはそのままロッドを前にかざし、詠唱を開始した。

何を言っているかミツルにはさっぱりわからないが、魔法を使おうとしていることは確かである。

(そうだ、これはゲームだ。なんでもできるんだ!)

ミツルも剣を抜き、傭兵に襲いかかる。


「どおりゃあぁぁぁ!」


「貴様っ!正気か!?」


「ああ。至って正気だがなんか用か!」


そう言い、傭兵を一人斬り、斬られた傭兵はバタリと倒れる。


「大丈夫だ、致命傷は与えていない。まあそいつのゲージを見ればわかるけどな」




そのとき、騒ぎを聞いた王が来た。

王は小太りで、赤色の装飾が飾られたマントのようなものを来ている。王冠もとても豪華で、至るところに宝石がついている。顔は鼻の下辺りに茶色の髭を生やしていて、よく童話などに出てくる王に酷似していた。


「何事じゃ?」


「ハッ!只今から処刑執行をしようとしたときに、異義を申し立てられ、このような事態になりました!」


「ホッホッホそんなことか。そこの者はこの者の異義を申し立てたのじゃな?」


「ああ。そうだ」


「……でどうしたいと?」


「明日までに証拠を集めてこの人の無罪を示す。それだけだ!」

その話を聞いた後に、王は髭をさわると


「なるほどな。面白い、いいじゃろう!この者の処刑を明日まで伸ばす。明日までに証拠を持ってくるんじゃ。そしたら異義は受け付けてあげよう」


その王の言葉にマリンは嬉しそうに歓喜した。


「ほんじゃあマリン、証拠探しといきますか」


「はいっ!」


「お、良い返事だ。やる気に満ち溢れているな」


「このチャンスを逃すわけには行かないですから!」


マリンはそう言うとルンルンで歩き始めた。




「まずは、事件発生時の状況を聞かないとな」


「そうですね。手当たり次第話を聞いていきますか」


「そうだな。3人で手分けしてまたここに集合ってことでよろしく」


「わかりました」


「了解です」


「じゃあまた後で」


ミツル、グイーダ、マリンはそれぞれ話を聞き始めた。かれこれ時間が30分ほど時間がたつと、全員が戻ってきた。


「二人とも、どうだった?」


「色々集まりましたよ」


マリンが自信ありげに言う。


「私も集まりました。じゃあそれぞれ話していきましょうか」


「そうだな。じゃあ僕から話すね」


ミツルは話を聞いたことをメモしたものを取り出して、それを読み上げる。


「まずは事件発生は1週間前の夜、内容は殺人事件。殺されたのはこの町に住む鍛冶職人のストレイタさん。性別は男性で、年齢は24歳」


「まだ若かったんですね……」


グイーダは悲しそうに言った。


「で、死因は鈍器で頭を強く殴られ脳からの出血死だったって。その凶器が、マリンのお父さん、クリュさんの持っていた壺だったらしいそこから先は今起こっている通りだった。で、犯人らしき人をストレイタさんの家から出ていく様子を見たらしい。で、その後にクリュさんがストレイタさんの家に来たって証言があった。現在、遺体は王国の霊安室にあるって言ってた。そんくらいかな」


マリンは悔しそうに歯を食い縛りながらマリンが集めた情報を話し始めた。


「私が集めた情報は事件の内容と、犯人の特徴です。犯人は身長がやや高めで性別は男性ではないかって言ってた。で、犯人と思われる容疑者は4人くらい該当していたかな。私の情報はそれくらい」


「なるほど。グイーダさんはどうですか?」


「私はマリンさんが言っていた容疑者4人の名前を聞き出すことができた。一人目はヌーツ。男性で、職業は被害者と同じ鍛冶職人です。二人目はカツル。男性で、職業は薬剤師です。三人目はツニメ。女性で職業は素材屋でした。四人目はフタミチ。男性で、職業は情報屋でした。そして、四人に共通して言えることは、この王国公認の人たちばかりであると言うことです」


その話を聞いたとき、ミツルはやはりかと言う顔をした。


「よし、わかった。この四人を呼んで話を聞いてみようか。これで大きな証拠が掴めるかもしれない!」

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