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今日から学校と仕事、始まります。①莞

蒸した職場にある異常の日常

作者: 孤独

春は過ぎ、梅雨を感じさせ、蒸していく5月。



「これよりクールビズを始める!全員、下着になるように!!」

「さぁ!やろう!!」


クーラーを使うのは7月とかいうクソ仕様。外よりかマシにしても、クーラーなしじゃ外と変わらない、アイスティーもすぐにホットティーになるわ。

そんなクソ蒸し暑い職場の中にあって、この2人の掛け声が会社の明るさでもある。

松代宗司と瀬戸博による、いつもの馬鹿トーク。宣言する前から2人は、パンツ一枚という大胆な格好を職場でやっている。許されると思っている、このゲーム会社。



「ちょっと!2人共、何してんですか!?」

「俺はいつもの事だぞ。全裸になってもいいんだぞ!」

「林崎ちゃん、安西ちゃんも下着姿になって!!」

「えーっ……」

「大胆な格好ですね、お2人は」


男性陣2人は、全裸でもOKという状況。

一方で女性陣は全員NOかと思えば、賛成派が多いという。条件付きではある。


「するなら男女別々の部屋でやるのが、いいんじゃないですか?仕切りでもして」

「松代×弓長。はぁはぁ……。たまりませんね。お2人は相席で仕事をしてください」

「百合はぁはぁも忘れないで!!」

「あたしがおかしいのか!?もぅ!!腐女子に馬鹿2人!!」


常識人タイプの友ちゃんはいつものツッコミ役である。

下着姿になってもいいだなんて、女としての恥じらいがないのか。というか、男と男の絡み合いを期待するとか、暑さでおかしいじゃなくて。素でおかしいだろう。


「友ちゃんは見せる胸もパンツもないじゃん」

「お、お、お、お、お前等馬鹿2人に見せる胸がねぇだけだし!!心の器がデカイ方が良いのよ!!やってやるわよ!」


瀬戸に煽られる形でこの異色な職場雰囲気の様相。


「一日中働いているわけですが……。暑い時期は夜からの業務の方が宜しいかもしれませんね。クーラーもご用意しますが」

「あなたらしい模範解答ね。弓長くん」


こんなクソ暑い中でもキッチリとYシャツとズボン。身なりを正さねば、営業なんてできない。弓長晶。そんで今話している女性。酉麗子はもう下着姿であった。女性一番乗りである。


「うひょーー!酉さん、サイコーっす!!」

「やる気出てきたーー!」



男性陣、体の暑さを心の熱さに変えて、やる気上々。夏はもう下着を正装にしていただきたいと願う。しかし、それをぶち壊す下着姿の男が注意しに来た。暑さ対策に冷たいコーヒーが切れたためである。


「うるせーぞ、テメェ等!!黙れ!!」

「!!お前に言われたくねぇーぞ、宮野!!テメェのパンツ姿なんか見たくねぇんだよ!!自分の部屋に引っ込めーーー!!」


せっかく、天使の下着を拝めたのに。ゴミみてぇもんを視界に入れて気分最悪の松代。


「み、宮野さん!パンツ一枚は止めてください!私も行くんですけど!」

「馬鹿かテメェは!暑いんだったら脱げ!そんなことで手を止めてんじゃねぇぞ!頭を止めてんじゃねぇよ!分かったか、安西!!仕事しろ!」


下着でやろうかなって……ちょっと思っていたけど、止める事に決めた安西。さすがに男女下着姿で同じ部屋。何も起こらないわけがなく……ってか。


「着替えてきますね」

「……そ、そうね。ちょっと暑いし」

「ごめんなさいね。クーラーの修理、急がせますので」


林崎と友ちゃんは、更衣室でお着替えタイム。脱ぎ脱ぎタイムかもしれん。

弓長はこんな職場環境はさすがにマズイとクーラーや、冷たい飲み物などの手配に取り掛かる。あと、女性陣の保護のため。仕切りを手配。


「それじゃあ、私達は営業に行きますね」

「下着姿で外出んなーー!酉さんは残ってていい!!安西の手伝いをしてくれ!!」

「ふふっ、そーいうの好き」



三矢は外回りの営業。酉さんはプログラマー陣のお手伝い。

なんだかんだでちょっとの盛り上がりで、仕事をテキパキやるところは職場環境が良いのかもしれない。



◇       ◇


とはいえ、あくまで人間関係の雰囲気。職場の蒸し暑さは容赦なく続く。

冷たい補給も間に合わず。休みなんてロクにあるもんじゃないところ。



眠るにしては過程がなく。床にごろ寝にしては、酷い有様。


松代宗司と瀬戸博は倒れていた。



「……………」



来い!来い!来ーい!!俺今、熱中症!!こーいう時って膝枕が良いって言うよな!!生膝枕堪能させてよ、酉さん。ぐへへへへへ。林崎でもええぞ!


「ふふふ……」


倒れた人を助けたいというのは人の本能。たとえ、変態の僕でも女性の生肌と膝枕をされる権利はあるはず!安西でも、最悪、友ちゃんでもいいさ!



完全にふざけてやがる。

松代宗司と瀬戸博の煩悩。しかし、彼女はそれを理解して遊ぶ。



「ちょっ、酉さん!下着も脱がないでください!全裸!?」

「イイじゃない。友ちゃん。今、松代くん達は熱中症のフリして、サボってるんだから。こっちも下着も脱いで、女の楽園にしましょ。スースーするわよ?」

「ブラも外すと解放感あるよ」

「背徳感あってドキドキする」

「覗きしとけば良かったって、後悔させてあげるわ」



女性陣、いっちょ全裸になって。ドッキドッキしておく。ただし、1人の男を完全に忘れている。



「あのですね。酉さん達。私と宮野さんもいるんで、ふざけないでください」

「あははは。弓長くんはホントに私達の体に興味がないわねぇ。残念。鼻血でも出しなさいよ。イケメンが崩れるところ、絵にもなるわ」

「私のイメージを壊さないでください」


珍しく、今泉メンバーが全員出てますねぇ……。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 明るい脱衣、笑顔の脱衣、恥ずかしがらない脱衣って、なんだか楽しくなったきますね。そこにエロさは多分ない。 [気になる点] あとがきでシリーズものと分からなかったら読了感はもっと良かったかな…
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