神(ロリ)のお告げ(破壊神)
その夜、いや、実際に夜なのか定かではないが、急激に眠気が襲ってきて俺は大椅子に座ったまま眠りにつくと、ある夢を見た。
その夢は明晰夢のようなもので、夢の中でも俺は鮮明に記憶がありこれは夢だと認知することが出来た。
ふわふわと浮いた黄色だか肌色だかオレンジだかの雲と空の景観の中で、俺はそいつと出会った。
そいつの名前はロロウリパット・レカトーレ・なんちゃらかんちゃら、長くて覚えられなかった。地黒だか化粧だか知らないが肌は褐色で髪の毛は白く、体つきは完全に幼女、目は吸い込まれそうなほどの漆黒で、パチクリと大きく、額にはNA○UTOの綱手様の百豪の術のようなひし形があった。
手には三蔵法師が持っているような偉そうな杖を持ち、だがそれに反して禍々しいオーラを放っていたそいつは、自分のことを破壊神だと名乗った。
破壊神だか幼女だか知らないが、俺はこの世界に来て初めて話せる相手が見つかったのだと嬉しくなった。
ニート生活1年とちょっと、母親以外とまともに口を利いてこなかった俺としては他人と、しかも幼女と面と向かって話をすることに抵抗を感じるかと思ったが、夢の中だからかこれが自分の身体ではないからか、特にそういうことはなかった。
とはいえ、話という話は出来ず、ロロウリパットは俺に、
「勇者が近付いて来ている」
というある種の警告のようなものを言い放ち、
「心せよ」
と、俺の危機感を煽るだけ煽って、やがてどこかへと消えてしまった。
その後ハッと目を覚ますとそこは元の俺の家、などという都合の良い展開にはならず、やはり眠る前と同じ魔王の部屋、ひいては魔王城に一人俺だけがぽつんと残されているのだった。