表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/9

な○う小説みたいなことが起こった


なんということだろう。

信じられないことが起こった。

いや、起こっている。今、現在進行形で。

まるでな○う小説のような、異世界転生でもしてしまったかのような現実に俺は今直面している。

自分でも驚きが隠せない。俺はどうしてしまったのだろうか。

あえて言いたい。どうしてこうなった!


脳がかち割れるような痛みに苛まれながら頭を起こすと、そこは見慣れない大部屋だった。

床は大理石で作られているかのように固くひんやりと冷たく、部屋は誰もいないかのようにしーんとしている。

身体は良く言えばなんともない。悪く言えば、俺の身体じゃない。

紫の服を着ていて、肩にトサカのようなものがついた黒マントまで羽織っている。

立ち上がってみると、身体もなんかデカイ。

手が白く、デカイ。爪が汚い。獣のような爪だった。


俺は実家にいて、ニートだったはずだ。

それが、どうしてこんな場所にいて、こんな姿でいるのか、まるで意味がわからない。

これが俗にいう幽体離脱というものなのだろうか。こんな不思議体験を俺が味わうことになるとは思わなかった。


とりあえず、落ち着け俺。

俺は何度か深呼吸をし心臓を落ち着かせると、部屋をうろうろと歩き回り、閉めきられた漆黒のカーテンへと向かった。

外には何があるのか、想像もつかず恐怖で手が震え、カーテンを開けることが躊躇われた。

しかし開けないことには何もわからない。

俺は意を決すると、カーテンの隙間から外をのぞいた。


「……」


外には、荒廃した森と真っ暗な空が広がっていた。

そして、その森を見渡せるほどの高さから、この部屋がとても高い位置にあることが伺えた。

俺は恐ろしくなった。

こんな闇の世界にただのニートだった俺は連れてこられてしまったのかと。


俺は足を震わせ未だに信じられない恐怖におののきながら反対側へと歩いて行き、ラスボスへと続くような巨大で豪奢な赤い鉄扉を押してみた。

ゴゴゴという軋む音を出しながら扉は次第に開き、俺はその先に続く廊下へと出てみた。

廊下へと出て、ある物に気付くと、俺は唇を青くさせて失神しそうになった。


部屋の入り口には立て札があり、そこにはこう書かれていた。



この先、魔王の部屋。と。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ