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異世界ツアー2 ~異世界の未来とその趨勢~  作者: 黒田明人
2章 王国内紛という名の独立戦争
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5話 進軍開始

 

 

独立宣言がなされて後、宣戦布告が出されたのがその翌日。

ここまでは早かった王国の状況も、いざ進軍となるとそうはいかなかったようで。

宣戦布告を出してから兵を集めるという悠長な話を聞き、領の者達はそれも作戦なのかと勘ぐったという。

じらし作戦ではないかと。


だがその真実は、戦争反対派によるサボタージュや妨害工作によるものであった。

彼らはそれを全て反乱領のせいにしてしまったが為、戦意だけは高いが準備が整わない状態になってしまっている。

しかも簡単に補填が出来ない消耗品や食料の損失を誘発した事により、王国全土に追加納税が課せられ、戦時特別税として徴収される事になる。

かつての反乱領の件では黙っていた領主達は、これでは約束が違うと憤っており、そこにはどうやら裏取引があるようだった。

諜報の結果、それは明らかになったが、目先に金に釣られた領主達の先見の明の無さに皆、呆れていたという。


「カラスから報告書が来てたぞ」

「裏取引の件か」

「ああ、納税軽減措置と、この領を直轄領にしてな、収益の半分を国が取り、残りを賛成領で分配するっていう、タヌキの皮を数えるような裏取引だ」

「かつては全ての貴族が嫌がった緩衝地帯と聞いたが、ここまでにした経営手腕を無視して横取りか。本当に腐っているんだな、王国は」

「王侯貴族の名前で釣り合うかよこの領地が。ちったあ考えて提案を出せよな」

「てか、他の領地の奴ら、もう要らないらしいな、うちの技術は」

「そうだろうな。欲しいならこちらに同調したほうが遥かにお得だし」

「王宮の支出が凄まじいそうだ。無駄遣いが多くて金が足りないんだろ」

「なのに大量消費の戦争をやろうってか、頭大丈夫か、あいつら」

「そこで領主達に負担が行く訳で、納税軽減の意味が無いって騒いでいる訳だ」

「なら、是が非でもうちを占領しないと後が無いな」

「防ぎ切ったら和睦だろうが、強気でいけそうだな」

「食料が保てばの話だろ」

「食料生産部から報告が来てますよ」

「自給率はいくつだ。外部からは止まるから、少ないと拙い」

「お前、100超えてんの知らんのか」

「マジかよ」

「現在358%になってます」

「すげぇぇぇ」

「しかも、守護神がアレに入れてんだろ」

「ああ、チート倉庫な。時の止まったチート倉庫。ああ、欲しいねぇ」

「オレは嫌だな。そんなの持ったら一生、倉庫係決定だろうし」

「うげ、ありそうな話だ」

「それにしても、とんでもない自給率だな」


「天候制御魔法の恩恵か、ありゃ相当派手なチート魔法だぜ」

「知ってるか?今な、成長促進魔法とか、豊作促進魔法とかあってな、10期作とかやってるんだぞ」

「うげぇぇ、とんでもねぇな。だから耕作面積の割りに自給率が高いのかよ」

「米の収穫は偶数月末で、小麦は奇数月末だったかな。後は大麦とかその他の野菜類はその都度って感じだ」

「人手はどうなってんだ」

「魔導トラクターとかあるらしいぞ」

「うへぇ、やり放題だな」

「科学と魔法のコラボがここまで派手だとはな」

「もうあっちより進んでねぇか?」

「純粋な科学では無理だが、総合的には抜いてるだろうな」

「そりゃそうだ。向こうには天候制御魔法とかねぇし」

「お蔭で農薬とか要らないらしいしよ」

「農業部門じゃ追随を許さないってか」

「大体、ビーム砲とかねぇだろ。電気無しで」

「そういや、電気って無かったな」

「魔導エネルギーがあるから、電気とか要らないしよ」

「いつからマナの名称が、魔導エネルギーになったんだ」

「いや、格好良いだろ、何となく」

「てめぇの自称かよ、いつ決まったのかと思ったぜ」

「発電しないから公害も無いし」

「錬金術があるから生産も公害が無いし」

「ゴミはスライムが食ってくれるし」

「「異世界最高」」


あんまり相手の動きが鈍いので、すっかり平常運転になっていた面々だが、それからしばらくして通信が入り、進軍が開始されたとの報告がなされる。

それと共に、航空情報部隊が作戦行動に入り、諜報活動を開始した。

王都上空1万メートルに停止した、飛行船型空中要塞『ヒマワリ』・・どっかの気象観測衛星みたいな名前であるが。

それはともかく、王都の様子はそこから筒抜けになっていた。

彼らは電気が無いとは言っていたが、それはあくまでも燃焼発電の話。

ヒマワリには周囲に花びらのような太陽電池板があり、それで発電して観測しているのである。

元はと言えば全球観測地図作成業務に就いていた飛行船、万が一気球が破損しても軟着陸を可能とする為、魔力貯留水晶に加えて発電システムも備えていたのだった。

なので長期の観測を可能とし、独立宣言の頃から留まっていたのである。

航空情報部隊はそのままヒマワリ上空に赴き、物資の補給をした後で周辺領の調査に入る。

それら全ての情報は逐一作戦本部に送られ、状況の変化で上層部の召集をする事になっていた。


「王都近辺はまだしも、遠方からわざわざ進軍とはご苦労な事だ」

「やる気無いんだろ、歩きだし」

「せめて馬車に乗って来いよな」

「潜入調査班からの報告では、戦争終結寸前に潜り込めって指令が下っているらしい」

「ソ連方式か」

「崩壊しなきゃ良いけどな」

「緊急連絡、第一防衛ラインに敵兵出現」

「サイレン鳴らせぇ、緊急配備」

『ウウウウウウゥゥゥゥ』

「どうやら南の国の作戦のようですな。商人を装っていきなり変化したそうです」

「王国をおとりにして他から攻めさせるか、中々頭の回る奴が居るようだな」

「守護神に連絡しろ、装置連結要請だ、急速充填だ」

「はいっ」

「7番、8番、9番、充填完了後、必要で撃て」

『守護神、お願いします』

「よし、行くぞ」

『はっ』


さてと、エネルギー供給か。供給したらしばらく寝ておくか・・

(おい、座れ・・はい・・ふうっ、そのままじっとしてろ・・はい)・・

まあ、供給開始で嫌でもそっちは大変になるだろう。なんせ接合部からマナが漏れるだろうから、相当派手に感じるはずだ。

そうなりゃ自然に動くからこっちも到達しちまうと。

マナ供給による自慰みたいで変な感じだけど、こいつが来てから楽になったな。

もうアレ用の魔導具使わなくて良くなったから。それにしても敏感だな、挿入しておくだけでも出るのか。

いい加減、止まってくれれば良いんだが、どうにも厄介な身体だよな。

うっく・・ふう・・まあ、何度でも問題ないスタミナだから良いが、これも気分転換かな、クククッ・・

さてと、そろそろか・・よし、行くぜ。全力供給開始だ。


「うっくっ」

「さすがに声が出るか」

「申し訳、くぅぅ・・」

「まあいい、素直に声を出しても良いぞ」


予想以上に感じるか。

そっちはいかに堕とされし者と言えどもMPもたいした事のない容量だし、オレが現在12億だから漏れる量だけで限界値だろ。

言わばイッた状態を強制的に継続させている感じか。

あれからもう4年か、当時はツルペタだったけど、かなり胸も出てきたな。

オレの変わらぬこの姿に似合いの年齢になったって事か。

後数年で女盛りってとこなんだろうが、オレはまた置いていかれるか。

仕方が無いとは言え、っく、実に敏感だな。

ふうっ・・うん?感想?


『供給順調です。守護神様、まだいけますか』

「ちょっと疲れたけど、特に問題は無いぞ」

『・・は、はい・・了解です・・』


(すげぇな、もう3億は入れてんだろ・・図り知れねぇな、やっぱし・・頼もしいぜ・・ああ、そうだな)


こんな時は人外と思われてるんだろうなと実感するな。

まあ、考えても仕方が無い事ではあるが、たまに考えてしまうな。

はああ、後はオートで抜いてくれ。オレは寝るからよ・・

はぁぁ、最近、どうにも気力がなぁ・・

抱き枕のミカもありがたいが、今乗ってるこいつがミカならどんなに・・良いか・・


彼が寝ても供給は継続され、それと共に彼の腹の上では臨界状態の女がもだえ苦しんでいた。

快楽のはずなのに苦しむ訳は、魔力限界値を超える漏れ魔力を身体に浴びているからである。

言うなれば満腹なのに食い物を口に押し込まれている感じと言えば良いか、飲めない水を飲まされていると言えば良いか。

とにかく、快楽と苦痛に苛まれ、女の性癖はまた変わったものに染められていく。

これからは恐らく、供給時の接合を喜ぶようになるだろう。

それが特殊な性癖であろうと、彼が止めない限り、女のほうからは止めようがなく、また止めたいとも思わなくなる。

これが誓約違反の罰則の恐ろしさである。

彼女は偽りで彼を利用しようとした報いを受けている訳だが、それが何時まで続くかは彼の気分次第となっていて、まだまだ継続しそうでもある。

捕縛されてから数年が経過し、本来であればもうじき花開く年頃の身体だが、既に大輪の花が咲き乱れ、今も妖しく揺れ動いている。

もし、今解放されたとしても、既に染まった彼女は、通常の行為では決して満たされる事はあるまい。


(あらあら、苦しそうね・・でも、羨ましいわ・・アタシも本当なら、この娘の代わりに彼と・・でもそれは叶わないのよね・・せめてこうして後ろに重なって・・あれっ、なんか潜る感覚、これは?・・ああ、重なる・・重なるわ・・少しずつ・・少しずつ・・気持ち・・いい・・ああ、凄い・・こんな感覚が・・死んだ後でも・・味わえる・・なんて)


(おやおや、情けないものですね。下の存在に食われるのですか・・いかに彼に縛られているとは言え・・まあ良いでしょう。どうせ罪人なのですし、ここで消えても特に問題はありませんね。ふむ、手助けしてあげましょうかね。いかに食えると言ってもそれでは効率が悪過ぎます。彼もシステムが利用出来なくて辛そうにしてましたし、少しは恩恵を渡してあげますか・・ギリギリですけどね、くすくす)


ふう、何回出ちまったかな。もう良いぞ・・あれ、ミカ、どうした。おい、動いてくれ、おい、ミカ、ミカ・・


《彼女の隷属、解いてくれませんか・・今はそんな場合じゃねぇ・・良いから早く・・うっ、あ、ああ》


くそ、何だってんだ。ミカが動かないってのに・・【契約執行・解除】


「あなた、あなた、あなた」

「待て、おい、こら、しがみつくな」

「もう離さないわ。やっと生まれ変われた。あなた、旦那様、ユウ君」

「お、お前・・ミ・・カ・・なの・・か」

「くすくす、あのね、キツネさんが手助けしてくれてね、この子の身体もらったのよ」

「それで、解けって」

「さあ、楽しみましょう。今日からずっと」

「ああ、そうだな、ミカ」


以前の懇願がこういう形で報われるとはな・・あいつ、抜かれたのか、身体から。次はどんな世界に送られるのかは知らんが、まあ、精々頑張れよ・・


裏話


(彼は知るよしもありませんが、彼女は他者の魂と精神体を吸収したので、一足先に上の存在になりました。今はまだ良いですけど、彼と共に登る日を楽しみにしてますよ。彼も独力でそうなりつつあるようですし、後々が楽しみですね、くすくす)


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